2023年3月24日私が重視する【役員への賞与】について
今年の花粉はまた一段と強烈な感覚です。
確定申告も花粉症との闘いの時期でも
あるため、
なかなか厄介なものです(笑)。
これも病は気から精神で、
花粉?ナニそれ?位の気持ちで
乗り切っていかねばです。
何事も気持ちを前向きに持っていくと、
意外と現実を受け入れられるものですね。
空を見上げると、
結構リフレッシュされたりします(^^)。
さて、本題です。
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■3月も終わりに近づいてきました。
弊所では3月決算の法人が割と多いため、
【2月や3月に決算対策の面談をする】
ということがあります。
決算対策面談の意味合いとしては、
【3月末までに手を打つ必要がある
対策を検討する】
ということなんですね。
■これは
以前の記事でも書かせていただいた、
『お金を使う節税』と
『お金を使わない節税』の中でも
【3月末までにお金を使う
節税を検討する】
という意味合いが
結構近いところとなります。
<2023.3.20検討すべきは、まず
「お金を使わない」節税から>
https://muratax.com/2023/03/20/6272/
利益が出ている局面においては、
将来的に必要となる
【備品で30万円未満のもの
を前倒しで購入】
したり、
【従業員さんの賞与を検討】
したり、また、私は決して
お勧めはしないのですが、
家賃などの1年分を前払いをしたり
などということが考えられます。
(お勧めしないのは、その分現金が手元から
消えてしまうため。)
■そして、
そのような対策の中でも
かなり重要視しているのが、
【役員賞与支給するかどうか】
ということなんですね。
役員賞与とは、
税務的な専門用語で言えば、
【事前確定届出給与】
というもの。
<国税庁HP-事前確定届出給与に関する届出>
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/5104.htm
この役員賞与については、
一定の時期に税務署に前もって
【支給時期と支給金額を
決定し届け出る】
こと、そしてその後
【その届出通りに役員賞与の支給】
をすれば、これが
【法人の経費として認められる】
ということに。
■原則として
役員報酬(役員に対する給与)
については、
【定期同額給与】
という考えがとられていて、
【毎月定額で支払わなければならない】
ということになっています。
しかしながら、この役員賞与
(事前確定届出給与)に関しては、
例外的に、税務署に前もって
申請さえしていれば、
「届出通りに支給すれば、
法人の経費にしてあげるよ」
というものなんですね。
■そもそも、
定期同額給与という考えが
とられている背景には、
【利益調整ができないように…】
ということが考えられている
というもの。
そのように考えると、
利益が上がっているからといって、
賞与をそのタイミングで自由に
支給することができるとなると、
簡単に利益調整が
できてしまいますよね。
そうさせないためにも、
原則として役員に対する賞与は、
定期同額給与ではないため
損金不算入…つまり、
会計上の経費の項目であっても、
【法人税の申告上は経費とはならない】
という性質のものになるわけです。
■しかしながら、
上述した利益調整の
概念から考えると、
前もって支給金額と
支給時期を決定して、
その通りに支給するとなると、
これは利益調整というわけではなく、
【前もって決められた賞与】
となるわけですので、
こういったケースにおいては
【税務署も認めてくれる】
ということなんですね。
■そしてこれが、
上述したように
【定められた支給時期に、
定められた金額を支給】
しなければならず、
原則として支給時期が
少しでもズレ、
支給金額がズレるとなると、
そのズレた金額を払ったとしても、
【その払った金額が全額法人の
経費とはならず、かつ、もらった
個人に対する所得としてカウント】
されますので、そこに対する
【所得税や住民税、そして
社会保険料の負担を強いられる】
ということに。
こうなっては本末転倒ですよね。
したがって役員賞与については、
【届出通りに支給】
をするのか、
または、利益が上がっていない
状況であればそもそも
【全く支給しないのか】
という2択に限定される
ということに要注意です。
■そして、
この役員賞与支給するかどうかも、
【株主総会などの決定機関による決定】
をしなければならず、たとえ、
支給しない決定をしたとしても、
その決定をした旨を記載した
【議事録を保存しておく必要がある】
というもの。
私が検討させていただく
決算対策に関しては、
こういった役員賞与の論点が
往々にしてありますので、
【その時の利益の状況に応じて
柔軟に検討】
していくわけですね。
■というわけで今回は、
決算対策の中でも
私が考える中のとりわけ重要である
【役員賞与(事前確定届出給与)】
についてみてまいりました。
利益が上がってくる局面においては、
納税の心配が出るものですが、
上述したように、柔軟に賞与の届出
などをしておいて、
同じく柔軟に節税の対策が
できるように検討されることを
お勧めいたします。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・役員報酬は、原則として
【定期同額給与の定め】
により、毎月定額で支払うことが
必要とされる。
・しかしながら例外的に、
『事前確定届出給与』という形で、
【前もって税務署に支給金額と
支給時期を定めて提出】
することにより、
【定め通りに支給した賞与は
経費としてカウントしてもらえる】
ことになる。
・そして、
上述した事前確定届出給与は、
その届出通りに支給しないと、
【その支給した金額が全額経費とは
認められなくなり、それと同時に
個人の所得もカウントされてしまう】
ため十分な注意が必要である。
・そのようなことから考えると、
利益の状況に応じ、
【そもそも役員賞与を
支給するのかしないのか】
ということを適宜検討し、
適切な賞与の支給の仕方
を検討すべきであるものと
心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。