2023年8月6日【法人の役員報酬】はどう決める?
今日は娘たちの通うフリースクールへ。
今日は薪ひろいのお手伝いを。
山の中での薪ひろいはなかなか新鮮で、
山の中ならではの大きな虫がいて、
至る所に蜘蛛の巣が。
紫外線をたっぷりと浴びて、
今日はぐっすり眠れそうです。
…とは言え、ちょっとしたこのひと仕事を
しただけで疲れ果て、
結構眠りこけてしまったので、
逆に夜に眠れるかが心配なところ…(汗)。
しかし、人間にとってこういった自然の営み
は何よりも大切なのでしょうね。
こんな貴重な環境に身を置かせていただける
ことに、心より感謝です。
さて、本題です。
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■法人においての
節税対策や決算対策の一環として、
【役員報酬の決定】
という重大イベントがあります。
結局のところ、法人の代表者に
就いているとしても、
法人の売上という形で法人口座に
入ったお金は自由に使うことができず、
【原則として、役員報酬という形で
法人から個人に移す】
ことにより、
【ようやくそのお金が個人で自由に
使うことが出来るようになる】
というもの。
そして、この役員報酬の決定の際は、
上述したように、原則として役員報酬として
しか法人から個人にお金を移すことが
できないということについて、
少々例外もあるということを知って
おきたいところです。
■その内容としては主に2つがあり、
一つは『役員社宅』の検討、
そしてもう一つは、
『出張旅費』の検討なんですね。
役員社宅については、賃借して住んでいる
代表者の自宅を、法人名義に変更し、
なおかつ、その法人名義とした住宅について
の固定資産評価証明書を取り、
適正な金額を計算した上で、
【その住宅の賃料の一部を
法人の経費にすることができる】
というもの。
■賃料の一部と書いたのですが、
【実際には9割近くが法人の
経費になるということが少なくない】
状況です。
これはつまり、本来であれば代表者の
住んでいる自宅ですので、
【法人からもらった役員報酬の
中から支払う必要がある】
というものなんですね。
しかしながらこれが
【法人として9割を負担してくれる】
ことになるため、
【残りの1割だけ代表者が負担すれば良い】
ということに。
■そうなると、本来10万円の
役員報酬をもらっていたところ、
【9割が免除され残りの1万円だけ
役員報酬をもらえば足りる】
ということになるわけですね。
(当然、社会保険や税負担も
考えるとそう単純な計算
ではないのですが、
大枠としてそのように
捉えてもらえたらというところです。)
次に、出張旅費については、
一定の遠距離に出張した場合に、
その日当などとして、
【法人から代表者に現地の実費精算見合い
としての現金を移すことができる】
というもの。
■当然、その日当の相場は把握して
おかなければならないのですが、
出張すれば手当がもらえるわけですので、
【実際は法人から個人へ現金を
移すことができる】
ことになるわけです。
そうなると、役員報酬以外の形で
【役員社宅と出張旅費に関しては
法人から個人にお金を移すことができる】
ということになるため、
そういった面で
【役員報酬以外で法人から個人へ
お金を移す方法を加味しながら、
適正な役員報酬の額を決定していく】
ということが、
役員報酬の有用な決め方であるということは
把握しておいた方が良いでしょう。
■またこの他、
【事前確定届出給与(役員賞与)を
利用することにより、
社会保険料を減額できる可能性がある】
ということも視野に置いておきたいもの。
これについては過去の記事にも書かせて
いただいているので割愛しますが、
こういった
【役員報酬以外で法人から
個人にお金を移す方法と役員賞与を
加味しながら役員報酬を検討すること】
が極めて有用であるというわけです。
<2020.9.23役員賞与の上手な使い方>
https://note.com/muratax/n/ne4c57998b641
■そしてこの
【役員報酬に対しては、
社会保険料もかかってくる】
ということも念頭において
おかなければなりません。
社会保険料に関しては、ざっくり言えば
【法人が15%、個人も15%として労使折半】
で負担するものなのですが、
結局のこれは自分の所有する
法人であるため、
【法人分の15%、そして個人分の15%を
合計した30%が代表者に対する
役員報酬に係る社会保険料】
となってくるわけですね。
したがって、
【法人と個人の税負担の
バランスに加え、
社会保険料の負担も考慮して
最適な役員報酬を決定していく
必要がある】
ということなるわけです。
上述してきたことが、
役員報酬の定め方の重要な考え方
なのですが、上述したように、
結局は
【法人から個人にお金を
移さないことには、個人において
自由に使えるお金がない】
ということになってしまいます。
■そして個人においては、
教育資金や老後資金の準備も
必要でしょう。
そのように考えると、
法人から個人に極力多くのお金を移動し、
【個人側でお金を利用して資産形成を
していくというのが有用なこと】
ではないでしょうか。
そのように考えると、
一定の部分までは法人の個人の
税負担のバランスを考慮すること
も必要なのですが、
その一定を超えた時点では、
あえて税負担を考慮せず、
【法人から個人へ希望する額を移すべく
役員報酬を設定し、
その役員報酬から得た現金を
個人においての資産形成への利用や、
普段の生活資金を使っていくために
利用していく】
という考えになってくるというものです。
■どうしても、税負担のバランスのみを見て
物事を判断してしまいがちなもの
なのですが、
【場合によっては、税負担をあえて考慮せず、
個人にお金を移す】
ことにより、
【個人側でより現金を増やしていく】
ということも考える必要がある
と言えるでしょう。
上述してきたことを念頭に置いて、
法人において、そして個人において、
【手元により多くの現金を
残すためにはどうすれば良いか】
ということを思索し、今一度
有用な一手を検討したいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・役員報酬を決定する際は、
出張旅費と役員社宅のような
【役員報酬以外で法人から個人に
お金を移す方法を検討】
していくべし。
・その他、『事前確定届出給与』
も視野に入れ、
【社会保険料も含めたところでの
最適解を探りたい】
ものである。
・上述したような最適解を探りつつも、
真に大切なのは
【法人と個人トータルで、手元に
より多くのお金を残すこと】
であると言える。
・その上、最終的に法人のお金は
自由に使うことができないため、
個人に極力現金を移動し、
【個人側において資産形成などに
努めていくこと】
も有用であるという面も
心に留めておきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。