2023年9月15日インボイスの【2割特例】についての誤解
早いもので、9月も今日で半分が終わりですね。
あっという間に年末の足音が。
この時期だから心掛けるということでは
ないのですが、
いつなんどきでも、1分1秒を無駄にすることなく
過ごしたいものだなと思うものです。
福岡の朝は昨日に引き続き雷が鳴り響いて
いますが、
雷に打たれたような良い衝撃を胸に、
今日も楽しんでいきたいと思います。
なんだかよくわからない話に
なってしまいましたが(汗)、今日の本題です。
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■インボイス制度の開始が
10月1日と目前に迫ってまいりました。
そこで今日は、インボイス制度の中でも、
ここ最近の改正点である
【2割特例について】
のお話をしてみたいと思います。
■原則として消費税の計算は、
【売上でもらった消費税から経費で
使った消費税の差額を税務署に納付する】
という仕組みになります。
しかしながら例外として、
『簡易課税』という計算方法が。
簡易課税については、上述した
【経費で使った消費税は一切考えず、
事業者の営む事業によって、
支払ったものとみなす消費税を計算する】
という仕組みなんですね。
例えば卸売業であれば、
【もらった消費税のうち9割は
使っているだろう】
ということで、
【残りの1割の消費税を納付すれば良い】
ということに。
そして、サービス業については、
【そこまで使った消費税はないだろう】
ということで、
【もらった消費税の50%を使った
消費税としてみなして計算をする】
ことになります。
参考までにこちらの記事も併せて
ご覧ください。
<2021.5.8消費税のインボイス制度を
考えるにあたり…>
https://note.com/muratax/n/n00937f8e0e23
■そして、上述した『消費税の2割特例』
という制度については、
インボイス制度により、免税事業者から
課税事業者になる事業者については、
【3年間限定で、売上でもらった消費税の
2割を税務署に納付すればいいよ】
という特例なんですね。
この考えでいけば、
上述したサービス業の場合で、
使った消費税が50%とされる状況
においては、
納付する消費税も50%…
つまり5割となってしまいますので、
上述した
【2割特例の方が有利】
ということになります。
2割特例とは、
【売上でもらった消費税の
2割を税務署に納付してね】
という仕組みですので、実際のところは、
もらった消費税分10%の2割である
【2%を納付すれば良い】
ということになるんですね。
■今回の2割特例の創出により、
消費税の計算方法は、上述した
【原則的な計算方法と簡易課税、
そしてこの2割特例の3パターン】
から選択するということになるわけです。
そしてこの2割特例については
冒頭にも書かせていただいたように、
今回のインボイスの登録により
【免税事業者から課税事業者
となった場合に限定】
されます。
■つまり基準期間(前々年)の
課税売上高(消費税の対象となる売上高)が
1千万円を超えて、原則通り
【本来は課税事業者になる事業者】
については、インボイスの登録の有無
を問わず課税事業者であるわけですので、
【このインボイスの特例的な制度である
2割特例は使えない】
ということに。
こういった点には十分に
注意をしておくようにしましょう。
■2割特例という特例だけが
一人歩きしてしまい、
【まるで事業者の全てが2割特例を
使えるように錯覚してしまいがち】
なのですが、決してそのような
状況ではないため、場合によっては
【簡易課税を選択して
おかないと損になってしまう】
ということも往々にして
考えられるわけです。
そのような事情により、
この2割特例を検討する際は、
【十分な注意をして
計算方法の選択をする】
ようにしましょう。
■消費税はどうしても個人の状況により
届出書の提出などのパターンは様々な
ケースが想定されます。
適切に自らが置かれている状況を
総合勘案して、最も良い選択をして、
消費税の納付について、無駄な納付が
出ないように十分注意して、
その対策をしていくようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・インボイス制度における
2割特例については、
インボイスの登録により
【免税事業者が課税事業者となった
場合に適用が限定されるもの】
と心得ておくべし。
・そのような状況であるため、
【原則通りに前々年の課税売上高が
1千万円を超える事業者については、
この2割特例は使えない】
ということは理解しておきたいところ。
・消費税についてはインボイスの他にも、
還付申告を受けるために
届出書の提出が必要であったりなど、
様々な注意事項が満載であるため、
適切に消費税についての知識を携えて、
【自社にとって最も良い消費税の選択】
をするように心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。