2023年12月17日「勘定合って銭足らず」や「黒字倒産」の原因を考えてみる
今日の福岡は雪!
寒くなってはきたものの、
これが本当の12月だよなーという気もしますよね。
こういう時期だからこそ、
運動、睡眠、入浴による体温の上昇などを試み、
免疫を上げて、健康でいる意識をすることは
本当に大切なことですね。
・・と自分に言い聞かせながら、本題です。
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■『勘定合って銭足らず』とは
 よく言われることですが、
 会社を経営していくにあたっては、
 いわゆる
 【黒字倒産などに注意】
 しなければなりません。
 勘定合って銭足らずや黒字倒産と
 いったことは、
 【会計上の利益の金額と、手元に
 残っているお金の金額が違っている】
 から起こるということなんですね。
 <勘定合って銭足らず-コトバンクより>
 勘定合って銭足らず
 
■その原因の主要なものとして、
 売掛金や買掛金が挙げられます。
 『売掛金』が上がっている状況は、
 会計上の売上は立っているものの、
 実際の資金の回収ができていないため、
 利益が上がっているにもかかわらず
 【お金がない状態】
 なんですね。
 『買掛金』はその逆で、会計上経費は
 多く上がっていて利益は少なくなって 
 いるものの、逆に
 【手元のお金は残っている】
 という状態。
■そして大きく影響が出るのが
 【減価償却費】。
 これは特に不動産投資などについて
 言えることなのですが、
 実際に設備投資をした金額と
 それによる借入をした金額、そして
 【借入金を返済していく金額と実際の
 利益の状況が大きく異なってくる】
 ということが通常なんですね。
■減価償却費とは、
 【実際には現金を支出がないものの
 経費になっている金額】
 です。
 仮に合計1千万円の設備投資をしたとして、
 耐用年数が10年であるとしましょう。
 今回の場合は現金一括購入とします。
 その現金一括購入をした年度においては、
 1千万円という資金が外部に出て
 いくわけですが、
 会計上は耐用年数10年ですので、
 1千万円÷10年で
 【1年100万円の減価償却が計上される】
 ということに。
■従って初年度においては、
 実際には1千万円のお金が出るのに、
 【経費となっている金額は100万円】
 ということになるわけですね。
 そして2年目からはどうでしょう。
 2年目から10年目までにおいては、
 逆に現金は出て行っていないにも
 かかわらず
 【減価償却費が100万円計上されている】
 わけですので
 【利益は少なくなっているものの
 現金は残っている】
 という状態になることに。
■そしてそういった話を
 ややこしくしているのが
 【借入金の返済】
 なんですね。
 借入金の入金に関しては収入とは
 カウントされず
 【負債の増加】
 として考えます。
 借り入れたものに税金がかかっては
 元も子もないですからね。
 そしてこれを返済する際は、
 
 【利息の部分は経費となる】
 のですが、借入金の元金の部分は、
 その負債となった部分の返済
 ということですので、経費とはならず、
 
 【負債の減少】
 として捉えられます。
■そうなると、
 実際には現金が出ていっているものの、
 これを経費としてカウントしないため、
 【利益は多く出ているように見える】
 わけです。
 ここで減価償却費について
 再度見てみましょう。
 減価償却費については
 【お金は出て行っていないものの
 利益は少なくなっている】
 という状況。
 逆に借入金の返済に関して言えば
 
 【お金が出て行っているものの、
 利益は変わっていない状況】
 
 なんですね。
 そうなると、この減価償却費の額と
 借入金の額に開きがあればあるほど、
 【会計上の利益と手元に 
 残る現金が大きく乖離していく】
 ということになるわけです。
■こういったことは不動産投資において
 言えることで、
 不動産投資は往々にして、
 銀行融資を元手に設備投資をして
 
 【減価償却費を通じて
 これを経費にしていく】
 ということが考えられます。
 そうなると、この減価償却費と
 借入金返済の関係性をしっかりと
 理解して資金計画を立てないことには、
 冒頭に書いた勘定合って銭足らずの状況
 にもなりかねないということなんですね。
 
■どうしても
 【手元に残る実際の現金だけを見て
 税金などの解釈をしてしまいがち】
 なものですが、税金は実際のところ
 
 【売上から経費を引いた結果の利益に
 対してかかってくる】
 わけですので、実際に現金が出て
 いっているか残っているかにかかわらず、
 上述した減価償却費を加味した
 利益によって税金が計算されます。
 また借入金が返済により減った現金
 については経費ではないわけですね。
 こういった認識に誤解が出れば出るほど、
 
 【実際の手元に残っている現金と、
 会計上の利益数字は大きく乖離】
 していってしまいます。
 従って、会計上の利益を元に
 納税の試算をし、そしてまた同時に、
 手元に残る現金も加味して、
 現金と納税のトータルで
 【最も手元に多くのお金が残るには
 どのようにすれば良いか】
 ということを考えることが得策ですので、
 そのような視点を念頭に置いて
 的確な資金対策をするようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・俗に言う
 【勘定合って銭足らずや黒字倒産】
 ということは、
 【売掛金や買掛金、減価償却費や
 借入金の返済に起因する】
 ものと心得ておくべし。
・特に不動産投資において、
 
 【設備投資をしつつ、銀行融資を受ける】
 ということが考えられるが、
 その借入金の返済の元金部分は
 経費にならず、
 また減価償却費は経費となっているが
 手元に現金は残っていることになるため、
 
 【この2つの関連を把握するのが肝要】
 であると言える。
・したがって、実際に手元に残っている現金と、 
 計算のベースとなる利益は異なるもの  
 であるため、
 手元のキャッシュと予測される納税額を
 適切に総合勘案し、
 【最も有効な資金対策】
 をすることを心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
	





