2024年3月29日決算において注意したい【外注費の計上】について
早いもので、今日は3月最終の金曜日。
今年は新規の1月決算法人もあり、
スケジュール感が不安だったものの、
なんとか乗り越えることができそうです。
(今までなんとかしてきているので、
いつも通りではあるのですが笑。)
さて、そんなことから今日の本題です。
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■弊所においては
3月決算法人や6月決算法人が多いのですが、
1月決算法人も実のところ相当数あります。
そんな中、
【1月決算法人については3月が申告】
なのですが、それと同時に
【3月決算法人についても決算対策や
節税対策をしていく必要がある】
というところ。
■その中で注意が必要なのが
【売上の計上時期】
についてのことなんですね。
■基本的に売上については、
銀行に振り込まれたタイミングで
売上となるというものではなく、
3月決算の場合であれば、
【その仕事が3月までに完了していれば、
売上の計上対象となる】
ということは把握しておくようにしましょう。
したがって、3月に仕事が終わり請求をし、
4月に入金をしたという場合においては
【3月の売上になる】
ということなんですね。
どうしても
【入金=売上計上日】
という錯覚をしてしまいがちなのですが、
税務や会計においては、このように
【実際の仕事が完了したベースをもって、
売上高を計上する】
ことになりますので要注意です。
■逆に、4月以降に終わる仕事で前金として
入金されたものに関しては、
会計処理上『前受金』として処理をする
ことになり、売上高ではないことになります。
【その前受金が翌期の4月以降の仕事が
完成したタイミングで売上高に振り替わる】
ということですね。
■そしてそれと同時に注意しないと
いけないのが、
売上と直接対応する仕入や外注費なんですね。
仕入については期末に棚卸をすることにより、
【当期に売れた分だけ仕入高を計上する】
ことになります。
仕入れたタイミングでは全額『仕入高』
という経費が計上されているのですが、
棚卸をして在庫を抜くことにより
【期末商品棚卸高として仕入高を
間接的にマイナスする】
という処理をすることに。
これで実際に売れた売上高に対応する
純粋な仕入高が計上されることになり、
【売上と仕入が個別的に対応するという
税務上のルールに乗っ取ることができる】
というわけです。
■これと同様に、外注費についても
【売上に対応しているものだけ】
を外注費として経費計上することができます。
この経費のことを具体的には『原価』
というのですが、
この外注費についても原価として、
【売上に個別・直接的に繋がっているもの
だけ外注費として計上する】
ことに注意をしましょう。
■工事などに関しては、
【外注費の請求書が先にきて、
その後工事が完成する】
ということが少なくないでしょう。
そのような場合において、
3月決算法人の場合で、3月中に外注費の
請求書が上がってきたものの、
【実際の工事の完了が4月】
であったとしましょう。
そうなると
当然売上高が計上されるのは4月…
つまり翌期になりすので、外注費も、
3月に請求書が上がっていたとしても、
それは4月完了した工事に関するもの
になるため、
【3月の経費として計上することはできない】
ということになるわけです。
■外注費の場合のそのようなケース
においては、
『前払金』などという科目、
または工事の専門の科目で考えると
『未成工事支出金』という科目を使用して、
【外注費という経費の科目とは分類した
資産の科目として処理をする】
ことになります。
そしてこの前払金や未成工事支出金が
【工事の完成のタイミングで売上高が
計上されると同時に外注費に振り替わる】
というわけなんですね。
■このように、売上の計上時期に
注意しなければならないのですが、
その売上に直接紐付く仕入や
外注費についても同じく、
計上タイミングには注意しなければ
なりません。
決算を組んでいく際は、こういった点にも
十分注意をして、誤りのない会計処理を
するようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・売上については、原則として
【仕事が完了して請求をした
タイミングで売上高が計上される】
ものと心得ておくべし。
・これに伴い、売上に直接関係する
仕入高や外注費についても、
【売上高とセットで計上されるもの】
であるため、その点にも十分
注意が必要である。
・請求書が上がったタイミングで、
または入金されたタイミングや支払いを
されたタイミングで、
売上や経費の認識をしてしまいがち
なものであるが、
外注費や仕入高に関しては、
【売上に個別的にかつ直接的に対応するもの
として売上と紐づく形で経費計上される】
ため、そのような点に十分注意をして
誤りのない会計処理を心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。