2018年6月20日その節税、結局ソンしてませんか?
「生命保険に入ったら税金が安くなるって聞いたんだけど…」
6月決算の会社は、そろそろ決算対策の山場。
やはり考えるのは節税のことではないでしょうか。
おはようございます。
福岡市中央区天神の【あなたの財布の見張り役】、
税理士の村田佑樹です。
1.お金を使わない節税は積極的に
節税には大きくお金を使う節税とお金を使わない節税とに分けられます。
お金を使わない節税とは、実質的に金銭の動きがなくて経費を生み出すような仕組みのことです。
具体的には、
・売掛金に対する貸倒引当金の計上
・一定の場合に減価償却費を上乗せできる特別償却
などが挙げられます。
また、
自宅を社宅にして一定額の個人負担をし、上手に会社経費として計上する
というのも法人と個人トータルで見るとお金を使わない節税と言えるでしょう。
このような節税対策は、実際にお金を使わないため積極的にやっていくと良いと言えます。
2.お金を使う節税は?
節税にお金を使う。
もう少し広く言うと、お金を使えばそれが経費になり、利益が圧縮される。
そうなると当然払う税金が少なくなり、節税につながる。
…というものも、本当にこれが税金を節約しているのでしょうか。
お金を使わせるの大きなものに、退職金準備のための生命保険の加入が挙げられます。
支払う生命保険料のうち一定額が経費となり、将来退職時に合わせて解約返戻金を受け取ることで、
退職金という経費とその解約返戻金という収益を相殺し、税負担を少なくするというものです。
3.お金は現に減っている
ここで、法人税について見ていくことにします。
おおまかに、法人税には税務署に払う法人税等と、都道府県に払う法人都道府県民税等と、市区町村に払う法人市区町村民税があります。
この税率を仮に30%としましょう。
そして手元に1,000万円のキャッシュがあり、利益も1,000万円だったとしましょう。
この際にもし500万円のお金を使う節税をしたとすると、減税となる税額は、500万円×30%=150万円となります。
そうすると、手元に残る現金は1,000万円−500万円−150万円=350万円。
一方、何もしなかった場合は、税金が1,000万円×30%=300万円。
手元に残る現金は1,000万円−300万円=700万円。
お金を使う節税をしたよりも400万円多くの現金が残ることになります。
本当に将来的に必要なものを買ったり、対策をしたりということもある意味有用ではありますが、
現実的に現金が減っているという事実は受け止めなければなりません。
この事実、どう受け止めますか?
節税と、手元に残るキャッシュは表裏一体の関係にあります。
週末に子どもとよく出かけるのですが、出かける先々では本当に現金がいるもの…
いろいろ遊んでいるとあっという間に現金がなくなってしまいます。
これに備え、年間フリーパスなどを買うのですが、買った年に限って意外とそこには行かず、
結局のところフリーパス代がパーになったなどということもよくあるわけです。
節税の話ではありませんが、近い将来、遠い未来のことを見据えてしっかりとお金は使っていきたいものですね。