2019年4月26日役員に対する賞与は支払えない?
役員報酬と言うと、年一度しか変更ができず、しかも毎月同じ額でないといけない。
・・・ということは、法人の経営者であれば、一度は耳にしたことのあるお話でしょう。
こんばんは。
福岡市中央区天神の【あなたの財布の見張り役】、
税理士の村田佑樹です。
1.毎月同額が基本
先に述べたように、役員報酬は基本的に、毎月同額を支払っていく必要があります。
正確に言うと、毎月同額に支払っていかないと、一定の額が経費・・・つまり税金を計算する上で差し引くことができる金額とならない、ということです。
変更できるのは、決算が終わってからの少しの時期。
この時期に変更しないと、その後に金額を変更したとしても、経費として認められません。
2.賞与の支給も認められない
毎月同額ということが基本ですので、賞与を払うことも基本的に認められません。
賞与が自由に支払えるとなると、期末に都合の良いように法人から役員である自らの給料を調整して、
法人の税金を減らすことができるから、ということです。
いわゆる「利益調整」ができてしまうわけですね。
3.賞与が経費になるケース
上記のような理由から、役員に対して賞与を支払うことは基本的に認められません。
繰り返しになりますが、認められないということは、経費にならない、ということです。
経費にならない上、役員に対して支払っているという事実は残るわけですから、
賞与をもらったということは変わりなく、そこに個人の所得税や住民税といった税金などがかかってきてしまいます。
ただ、利益調整ができないように支払う賞与については、税務署が認めてくれます。
これを【事前確定届出給与】というのですが、簡単に言うと、役員に対する賞与にあたるものなのです。
この形で賞与を払うと、法人の経費として認められます。
4.規制が多い
ただ、この賞与を払うためには、税務署に前もって届出をしておかなければなりません。
届出期限を超えると、その届出自体が無効となってしまいます。
さらに、
・いつ
・誰に
・いくら払うか
ということを、記載する必要があります。
この事項を記載して提出するということは、この通りに支払わないといけないよ、ということになるわけですね。
したがって、基本的に、支払日がずれてはいけないし、届け出た人以外の人にも払えない。
そして、金額もピッタリでなければなりません。
このように、役員に対する賞与を経費として認めてもらうためには、
多くのハードルを越えていかないといけません。
ただ、このハードルをうまく越えることができた先には、良いことも待っています。
つまり、計画的にこの事前確定届出給与を支払うことで、メリットが享受できるということもあるわけですね。
長くなるので、今日はこの辺で。
最近我が家では、空前のべったら漬けブーム(!)
とくに三女はべったら漬けには(にも?)目がなく、
長女と次女の分まで、我が物顔で食べ続けます。
ポリポリ・・・ポリポリ・・・
長女と次女にとっては、かなり不快な音でしょう(汗)
この三女のとりとめのない「べったら漬け漬け」を修正するために、
我が家では、自ら最初にべったら漬けを食べる枚数を申告し、その申告に基づいて、
正しい数を間違いなく取って、席について食事がスタートすることになるわけです。
これで三女の利益調整を封じているわけですね。
「利益調整」は、どんな世界にも共通することなのかもしれません(笑)