2022年1月26日お祝いでもらった『絵』の税金の考え方
この月末は、通常業務と決算に追われ、
デスクワークと面談が隙間なく入っています。
疲労も蓄積しているのが実感できる状況…
しっかりこの疲れも楽しみながら(?)、
乗り切っていきたいと思います。
さて、本題です。
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■「30万円以上の資産は
減価償却をするもので、
一括しての経費処理をすることは
できません。」
これはこれまでにも何度か
書かせていただいたことではあるのですが、
法人がその資産を購入して、
それが30万円以上である場合
(白色申告は10万円以上)は、
上述したように
これを一括して経費とすることができず、
【減価償却】
という考えで、
その使用する期間に渡りだんだんと
経費化をしていくことになります。
その中でも今日は、
よく展示などもされている『絵画』
について見ていくことにいたします。
■絵画については、
基本的に『価値は減少しない』
という考えから、
【減価償却をしない資産】
という考えになります。
しかしながら、
その絵画を買った金額(取得価額)が
一つあたり『100万円未満』
であるものについては、
【減価償却資産】
として取り扱われることになります。
しかしながら逆に『100万円以上』
の絵画についてはこれは
【減価償却をしない資産】
として取り扱われるわけですね。
■減価償却をする場合は、
ざっくりと説明をすると、
【金属製の絵画であれば15年、
その他のものであれば8年】
という耐用年数で
減価償却をしていくことに。
しかしながら、
減価償却をしない場合は
どうなるのでしょう。
これについては、貸借対照表の
『工具器具備品』の項目に
計上されることになるのですが、
【減価償却をしないため、
その帳簿上の金額も変わらない】
ということになるわけです。
『帳簿上の金額が変わらない』
ということは、
【経費化がされていない】
ということ…
つまり、
『100万円以上の絵画』については、
『土地』と同じような考えで、
【法人の資産として増えたは良いものの、
減価償却ができないため、経費にならない】
ということになるわけです。
よって、
100万円以上の絵画を購入する際は、
【これは経費にならない
(資産としては計上される)】
ということを念頭において、
その購入を検討したいものです。
■また、
購入ではなく、絵画に関しては
【その絵画をもらう】
ということも
あるのではないでしょうか。
店舗の開店だったり、
会社の創業であったり…
そういった
【お祝い事に対して
絵画をプレゼントされる】
ということは往々にして
考えられるのではないかと思います。
しかしながら、その絵画の処理を
適正にできているでしょうか。
法人がそういった絵画や
その他の資産を贈与されたとすると、
法人税においては
【受贈益】
という収益を計上することになります。
要は、
「タダでもらったものは
法人の儲けでしょ?」
ということですね。
■例えば、
300万円の絵画をもらったとしたら、
【『工具器具備品』が300万増え、
それに伴い、
『受贈益』という収益も300万増える】
ということなんですね。
そして、300万円の絵画については、
原則として減価償却できませんので、
【単純に300万の収益が増えて
納税が増える】
ということになります。
こういった点には十分注意が必要ですね。
■ただ、
『100万円以上の絵画は
減価償却ができない』
というものであっても、
会館のロビーなどの
不特定多数の人が出入りする場所の
『装飾用』や『展示用』として
展示している場合など、
そういった場合については
減価償却資産になるケースもありますので、
その点も併せて念頭においておきたい
ところです。
■上述したように、
『絵画』については
【贈答品として頂く】
ということも考えられますので、
上述したことをトータルに考えて、
その経理処理を考えるとともに、
将来の納税に対する計画も
立てておきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『絵画』については、
原則として減価償却をしない
【非減価償却資産】
として考えられる。
・しかしながら、
100万円未満の絵画については
【減価償却資産】と考え、
経費にすることが可能である。
また100万円以上であっても、
上述したロビーやホールのような
不特定多数の人が
出入りするような場所に
展示されているものなどについては、
減価償却資産として取り扱われる
ケースもあると言える。
・絵画については、贈答品として
贈与されるケースもあるが、
そのような場合はもらった法人において
『受贈益』として収益が計上されるため、
その点も考慮に入れて、
将来の納税の状況を考えるべきである
と言える。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。