2022年7月5日いわゆる【ドローン節税】が使用禁止に
■先日の記事の中で、
『モノを使う節税』
について見てまいりました。
<2022.7.3【モノを買う節税】の前提知識>
https://muratax.com/2022/07/03/5371/
今日はそれに続けて、
具体的な最近入った税制改正について
言及していきたいと思います。
■先日の記事の中では、
まず大前提として、
【10万円未満の備品などのモノについては
全額経費として計上することが可能である】
ということ。そして、
【青色申告の場合
30万円未満のモノについても
全額経費計上をすることが可能】
ということを書かせていただきました。
なお、
【青色申告の場合の
30万円未満の全額経費計上は、
『年間300万円』という縛りがある】
ということでしたね。
■そこで、
この制度を活用するという形で、
【節税のスキームが横行していた】
という事実が。
俗に言う、
【ドローン節税】
といったものなんですね。
どういったものかと言えば、
【一つ10万円未満の
ドローンを複数台購入する】。
その後に、
【ドローンの賃貸をしている業者に
それを貸し付けて、
そこから賃貸料の収入を得る】
という手法。
■このようにすると、
まずは、
【ドローンの購入金額が全額経費】
になります。
またこれは『10万円未満のモノ』
になりますので、
どれだけ買っても…
仮に1千万円分買ったとしても、
全額『消耗品費』などとして
経費になるんですね。
そしてこれを
賃貸に回すのですが、
この賃貸料収入は
だんだんと入ってくるため、
少しずつ収益化されてくることになり、
【税金の支払いを先延ばしできる】
ということが考えられます。
■しかしながら、
道理からすれば、
何だかピンと来ない感じですよね。
『自分で使う物』が
経費になるのは分かるのですが、
このように『賃貸に回す物』が
全て経費になっていて、税金の支払いが
なくなっているようであれば、
何となく(少なくとも私は)
しっくりこないような感覚…
そこで今回の税制改正として
登場したのが、この
【ドローン節税などを封じ込める】
というものになります。
■具体的に言えば、
上述した
【10万円未満のモノの購入】、
そして
【30万円未満(青色申告の場合)
のモノの購入】、
そして以前の記事でも
述べさせていただいた
【10万円以上20万円未満の
一括償却資産】
において、この三点の
経費となる制度を考えるにあたり、
【貸付用の資産については
これから除外する】
ということに。
■当初の立法趣旨から言えば
当然と言えば当然なのですが、
【このような法の抜け穴を突いて
節税スキームが横行する】
というのは本当に
いたちごっこなんですね。
考える方も本当に凄いな
と思うのですが…
【その新たな考えに対して
税制改正が入り、これを封じ込め…
いったことが繰り返される】
というもの。
そのような状況ですので、
【そういった封じ込められた節税を
提案してくるような
税理士ではない業者からの勧誘】
には十分に注意するようにしましょう。
■節税に関しては、
本当にいろいろな方法はあるのですが、
【「本当に大丈夫!」
として提案があるものに関しては、
大抵大丈夫じゃない】
ということが大半です(汗)。
(もちろん全てが全て
そうではないのですが…)
「どうしても税金を減らしたい」
という気持ちも分かるのですが、
【経営においての血液は『現金』】。
そのように考えると、
【ある程度はしっかりと
利益を出して納税をし、
金融機関の評価を上げて、
銀行融資を取り付けて、
そこから経営の前進に繋げていく】
ということにより、
手元の現金を厚くしていく方が
経営においては有用ではないか
と私は思っている次第です。
■何はともあれ、
上述した『ドローン節税』については、
今後使えなくなりましたので、
そのような提案には
くれぐれも注意するようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・いわゆる『ドローン節税』については、
【今回の税制改正で封じ込められた】
ということを心得ておくべし。
・このカラクリは、
【賃貸用の資産を10万円未満で
大量に買うことにより、自社の経費にして、
それを賃貸に回すことにより、
税金の繰延をしている】
ということ。
・当然のことながら、
そういった節税をするにも
【現金】が必要となる。
そうなると、
【本来経営に使えるための現金が
それにより枯渇してしまう】
ということも考えられるため、
そのような『現金を使う節税』に関しては
今後の経営の動向を考え、
的確にその実行を判断したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。