2022年11月26日個人事業の節税で「小規模企業共済は適切か?」
11月は人+人の月。
(すみません、勝手な解釈です(笑))
今月はかなり新規のお問い合わせが多く、
7件の新たなご縁が。
ホームページを見ていただいて
経営理念に共感して下さる方、
数年振りのご縁でご連絡いただく方、
ご紹介によりいらしていただく方…
かなり様々なルートからのご縁なのですが、
本当にご縁をいただいて感謝です。
昨日のお話ではありませんが、
自分の中の使命を問われているような、
ここ最近でもあります。
<2022.11.25経営者として考えたい
【自分の使命】とは>
https://muratax.com/2022/11/25/5877/
さて、本題です。
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■年末が近づいて、
多くの個人事業主の方からの
税務相談を受けさせていただく中で、
最終的に
【収支のバランス】、
そして、
【税負担のバランス】
を見ていくことになります。
収支のバランスとは、主に
【個人事業における収入と
経費のバランス】
のことなんですね。
まず経費を見せていただき、
そこに無駄な支出がないかどうか、
また逆に、
まだ追加できる経費がないだろうか
ということを、
そして売上に関しては、
お話を伺う中で、もっと効率的に
売上を伸ばすことができる方法は
ないだろうか
ということを、
お客様との対話の中で
探っていきます。
■本来的には、
売上伸ばすこと、
経費を見直すことなどは、
税理士の仕事ではないのですが、
どうしてもここを見直さないことには、
本質的なお金の問題の解決が
できないんですよね。
■そして、
税負担のバランスを見る際は、
【所得控除の内容】
もまた、精査していくことに。
所得控除とは、
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・医療費控除
・配偶者控除
・扶養控除
…などといった、いわば
事業所得などの次に
差し引くことのできる
【第二の経費】
なんですね。
得ている所得に対して、
適切な所得控除になっているかどうか、
ここでもそのような
所得と所得控除のバランスを
見ていくわけです。
■その中で、
小規模企業共済やiDeCoの
積立に関して、
現状の所得を超える負担額で
積立をしているケースが
見受けられます。
以前の記事でも、
【税務対策においては、
入口と出口を確実に検討しなければ
ならない】
といったことを
述べさせていただきました。
<2022.10.3「出口に辿り着くまでが
節税です」(村田造語)の
意味するところ>
https://muratax.com/2022/10/03/5685/
これがまさにそのお話で、
小規模企業共済も、iDeCoも、
将来の退職金として、
老後に備えるためのもの。
受け取る際は
退職金として考えられるため、
退職所得として、
その受け取る際の税負担が
著しく少なくなることに。
そして、さらにスゴイのが、
【積み立てただけで
所得控除(経費)になる】
ということなんですね。
つまり、
単にもらうとき(出口)のメリット
のみならず、
適切に積み立てた時…
つまり、入り口でメリットを
享受できているか
ということを考えることが
極めて重要であるわけです。
要するに、
【入口の段階で節税をし、
また出口の段階で利益を享受する
際にも、確実に節税をする】
…これが揃って初めて、
『適切な税対策』と言えるわけですね。
■しかしながら
実際の所得を超えた負担の
小規模企業共済やiDeCoの積立を
してしまっていることで、
全く税務的なメリットを
享受できておらず、
むしろキャッシュがマイナスに
なっていっている
という状況が、
しばしば見受けられます。
こういった状況は
なんとしても避けたいもの。
個人事業においての節税や、
法人設立等に際して
税務の検討をするのですが、
単に「税金が安くなったら良い」
というわけではなく、
節税の究極の目的は、
【手元により多くの現金を残すこと】
であるはず。
「税金を払う=悪」ではなく、
手元により多くの現金を残すことより、
その現金を自らの事業に
さらに投資することにより、
場合によっては、
その事業により多くの利益を
得ることができることも
考えられるわけです。
■どうしても、
税金が安くなったら良い
という視点にとらわれがちですが、
しっかりと上述した、
【手元により多くの現金を残すこと】
といった、節税の本来の目的を重視し、
適切なバランスを見たところで、
資金の対策をしていきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・税の対策を考える際は、
収支のバランスに加え、
税務的な入口と出口の戦略が
きちんと組まれているかの
検討をすべきである。
・特に小規模企業共済や
iDeCoに関して言えば、
入口の積み立ての際に、
税金を安くし、
また受け取りの際に、税負担を下げ、
その2つのセットがあって初めて
有用な税金対策ができるもの
と心得ておくべし。
・どうしても【税=悪】という
算式が成り立ちがちであるが、
節税の本来の目的を
【手元により多くの現金を残すこと】
と据えると、
また違った解が見出せるのでは
ないだろうか。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。