2023年3月12日「税金を納めた方がお金が貯まる」という不都合な真実
確定申告まで、今日を入れてあと4日
というところまで来ています。
確定申告書を作成した後は、
受験やテストのように、
再チェックを怠らないようにしましょう。
意外と、作成しただけで提出する際は
見落としていることもあるものです。
私自身、この業界は長いのですが、
チェックをしない時に限って、
見落としていることが多い印象かなと。
さて、本題です。
------------------
■ここ最近は、確定申告のご説明で、
1日4,5件の面談をさせて
いただいているという状況です。
(なかなかハードです(笑))
その中で、今年度の税金についての
お話になるわけですが、
【税金が上がっている方ほど
節税に関しては気になる】
というものでしょう。
そこで今日は、
【考えるべき真の節税】
についてのお話をして
いきたいと思います。
■よくあるお話として、
税金が出てきそう
(利益が上がっている)ことから、
税金を減らしたいという理由で、
【何かしらの経費を使おう】
とすることがあります。
その経費が、事業にどうしても
必要なものであれば良いのですが、
場合によっては、
【本来的には必要ないものの、
税金を払いたくないという理由で
お金を使ってしまう】
ということも。
結論から言えば、これはまず
【税金の計算の仕組みを
根本から理解することが必要】
であるということになります。
■結論から言えば、
【節税のために現金を使う
という選択肢は、なくした方が良い】
というのが私なりの考えです。
と言ってもピンと来ないと思うので、
具体的な例を見ていくことに
いたしましょう。
仮に現状での利益が『300万円』
上がっているとしましょう。
そして、
所得税や住民税などの税金を『30%』
と仮定します。
そこで、
「300万円の利益を少しでも消したい!」
ということから100万円の
経費を使ったとします。
そうすると、
利益は300万円上がっている。
つまり、単純に考えればですが、
300万円の現金が残っていることに
なりますよね。
(売掛金やらなんやらは、
ややこしくなるため、ここでは考えません。)
その残っている300万円から
100万円の経費を使ったとします。
そうなると手元に残っている
お金は『200万』ですよね。
つまり、この300万円から
100万円を引いた200万円が利益となり、
【利益200万円×30%で税金が60万円】
となることに。
要は、300万円の利益が本来現金として
残っている中で、
100万円の経費を使い、税金を60万円
納めるわけですので、
実際の手残りは
【300万円−100万円(経費)−60万円(税金)で
140万円になる】
ということ。
これが
【現金を使って経費を支払うことで
節税を試みた場合】
の結果ですね。
■では逆に、
【何も対策せずに、利益300万だけ残して
税金を納めた場合】
はどうでしょう。
この場合だと、単純に
利益300万に対しての30%の税金ですので、
【90万円の税金】
がかかってきますよね。
すると、利益300万円(現金300万円)から
税金90万円を納めるわけですので、
【手元に残る現金は210万円】
となります。
■ここまで読んでいただくと
ピンとくるかと思うのですが、
100万円の経費を使った場合は
手元に残る現金が140万円で、
何もしなかった場合は、
手元に残る現金は210万円。
つまり、「節税対策!」と銘打って
経費を使ってしまったばかりに、
【最終的な手残りの現金が
70万円少なくなった】
ということがわかるかと思います。
これが税金を計算する上での
根本的な考えなんですね。
もちろん、
【消費税の課税事業者で原則課税】
を採っている場合などは、
消費税の減額分も考えられますが、
大枠としてはこんなところ。
■大元の考えはこのような形で、
現金を使う節税に関しては、
結果として
【手残りの現金は少なくなる】
ということは念頭に
置いておいた方が良いでしょう。
どうしても税金を減らそう
とするため現金を使って
しまいがちなものですが、
【実はそれは逆効果】
であるわけです。
■当然、冒頭に書いたように、
本来的に必要な経費を
前倒しで払うだとか、
その経費の支出により、
経営がさらに拡大するだとか、
そういった『合理的な理由』
があれば良いのですが、
往々にして
【税金を減らしたい】
という思考に走ってしまうと、
上述したような
【本来の原則に基づかない思考】
になってしまうというものであり、
それがそのまま経営においての
【資金繰りを悪化させる要因】
ともなりかねません。
■こういった形で
数字を用いて
実際に試算をしてみると、
【本質的な部分が見えた】
のではないでしょうか。
どうしても節税となると、
【税金を減らすことを
目的化してしまいがち】
なのですが、
節税をする本来の目的は、
【手元により多くの現金を残す】
ことであるはず。
(↓過去の記事もご参考ください↓)
<2022.5.23【お金を使う節税】で
注意すべきこと>
https://muratax.com/2022/05/23/5235/
<2020.7.31【過度な節税】で
経営を弱くしていませんか?>
https://note.com/muratax/n/n2d2007935b21
こういった点を念頭に置いて、
もし今後税金が上がってきそう…
となった場合、
今一度この記事を読み返していただき、
まずは
【税金に関する『感情』を取り払い、
冷静な判断】
をしていくことを心がけるように
しましょう。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・現金を使う節税は、基本的に
【手元の現金を少なくしてしまうもの】
と心得ておくべし。
・どうしても税金は負のイメージ
があるものであるが、
【実は利益を残して税金を払った方が
手元により多くの現金が残る】
ということは、把握しておきたいところ。
・税金を減らすことの本来の目的は
【手元により多くの現金を残すこと】
ではないだろうか。
・そのようなことから考えると、
税金を減らしたいがために
経費を支出するというその行動を
取ろうとする前に、
まずは感情を排除して、
上述してきたようなことを再考察し、
【その支出が本当に必要であるかどうか】
ということを適切に考察して、
本来の資金対策を心がけてみては
いかがだろうか。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。