2024年1月15日クラウド会計の【連携データの怖い点】
早いもので1月も今日でちょうど半ば。
年末調整も佳境に入っています。
11月決算の申告も入ってきますので、
効率よく進めていきたいところです。
なんだか決意表明のような冒頭に
なってしまっていますが笑、
今日の本題です。
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■最近になって
【本格的に個人事業主の方の
確定申告の準備がスタート】
しています。
思い返してみると、
私が税理士業界に入った約20年前は
【手書きの元帳や伝票】
があり、電卓で計算し、
その計算した数字をペンで転記して、
それを締め切ってそれをまた試算表に
転記するといったことをしていた
記憶があります。
(計算ミスでもあろうものなら
地獄そのもの…)
■それに引き換え今はと言えば、
【マネーフォワードなどのクラウド会計】
が台頭してきており、
これに基づき計算して
【ほぼ自動的に集計までしてくれる】
ため、
【相当な労力が軽減された】
と言えるでしょう。
労力に関して言えば、
【従来の10倍を上回る位の差】
ではないかと感じる次第です。
そんな中今日は、
【軽減されているからこそ注意すべき点】
について見ていきたいと思います。
■クラウド会計の便利さと言えば、
インターネットバンキングや
クレジットカード、
そして通販を利用している場合の
PayPalやSquareなどの
【電子データを連携することができる】
ということなんですね。
連携できるということは、
【オンラインのデータが自動的に
会計ソフトに取り込まれ、
それをもとに会計処理をすることができる】
ということになるわけです。
■当然、従来であれば、
たとえ会計ソフトであったとしても、
原紙の帳票を見て、それを手打ちしている
状況でしたので、
【時間がかかるに加え、
転記ミスなどのリスクもあった】
というところ。
それに比べ、この連携の機能は、
クレジットカードの利用明細や
インターネットバンキングや通帳の
印字のデータがそのまま会計ソフトに
反映されてくるわけですので、
【転記ミスのしようがない状況】
なんですね。
■そして同じような形で、
上述した通販に関する
PayPalやSquare、Airレジなどに関しても、
【そのデータがそのまま会計ソフトに
連携されてくる】
ということに。
こうなると、当然転記ミスは
なくなるわけですが、
【この処理に注意しないと
結構怖いことになるよ】
というのが今日の本題です。
■というのも、仮にこの通販のデータを
連携したとしましょう。
そうなると、売上のあった日(クレジット
カードなどでお客様が決済した日)
において売上高が計上され、
場合によってはそこから手数料が引かれ
【未収金が計上される】
ということに。
そしてこの未収金となっているものが
銀行口座に入ってきた際に、
この未収金が回収されるということに
なるんですね。
■また、
場合によってはAirレジなどにおいて、
PayPayや現金売上などもこのAirレジに
入力していることもあろうかと思います。
そうなると、
自動的に連携されてくるわけですので、
【PayPayや現金の売上も
Airレジのデータに載ってくる】
ということに。
ここで注意が必要なのが、
現金売上については、
【マネーフォワードにおいて連携されない】
ということ。
そのように考えると、
仮に現金出納帳をつけていて、
現金売上を現金出納帳に記載しており、
これを会計に反映しているとしたら、
Airレジにて売上計上をしているため、
【現金売上の二重計上になってしまう】
可能性があるわけです。
■同じくPayPayについては、
そもそも会計ソフトへの連携ができないため、
【銀行口座にPayPayから入金がされる】
ことについて、
【通帳に入金があったタイミングで
売上にしないこと】
に注意しなければなりません。
というのも、これも現金と同じく
【Airレジで売り上げたタイミングで
PayPayの売上は計上されている】
わけですので、このPayPayからの
入金があった際、
【未収金と計上していたPayPayの売上を
消し込む作業をしなければならない】
わけなんですね。
さらには、入金時の手数料も加味して
会計処理をする必要もあります。
■こういった点において、会計をよくご存じ
ない方に見られるのが、
通販の連携データで売上を計上し、
その上銀行預金や現金出納帳に関しても、
【入金があったタイミングで
売上が計上されている】
という状況。
こうなると
【売上が二重計上になっている】
ということになるわけですね。
■そうなると
【相当な利益が乗ってきてしまう】
わけですし、場合によっては本来は
1千万円以下の売上であったものの、
その二重計上により売上が1千万円を
超えてしまい、
【翌々年度から消費税の課税事業者になる】
などというとんでもない状態になってしまう
ことが想定されます。
■連携データは便利で良いのですが、
ベースの会計の知識がないまま、
見よう見まねでクラウド会計のデータを
触ってしまうと、
このような怖いことに
なりますので、十分注意が必要です。
連携データの取り扱いの際は
こういった点に十分注意し、
【決して誤りのない会計処理と税務申告】
をすることを心掛けるようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・マネーフォワードに代表される
クラウド会計に関しては、
インターネットバンキングや
クレジットカード、通販サイトなどの
【データが連携できる】
という特長が見られる。
・しかしながら注意が必要なのが、
この連携データで売上を計上し、
その他のルートから売上を計上するという
【売上の二重計上になってしまう】
ということ。
・どうしても会計のベースの知識がないと、
【どういった状況で二重計上に
なってしまうか】
ということがわからなくなって
しまいがちであるため、
連携データを使用する際は
適切にこういった前提を念頭に置いて、
【誤りのない会計処理と税務申告をする】
ことを心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。