2024年1月22日ぜひとも検討したい【売上の計上方法】について
今日は年末以来初めて年末調整と償却資産
から離れて笑、溜まっている業務に
没頭しています。
今日は法人決算のご面談だったのですが、
社長のこれからの経営の展望などを
聞かせていただけて、
すごく楽しく有意義な時間を過ごさせて
いただきました。
さて、そんなことから今日の本題です。
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■昨年を振り返ってみると、
所内の体制が変わり、
スタッフもかなり成長して
きていることもあり、
【新規のご契約のご縁を
多くいただいた年だったな】
という感覚です。
そのような新規のお客様については、
【今後どのように経理処理を進めていくか、
税務申告を進めていくか】
ということについて綿密に考える
必要があるというものなんですね。
そこで今日は、そのような
【経理の方針について決めるべきこと】
を具体的な例を用いてお話しして
みたいと思います。
■まず今日は
『売上』についてのお話なのですが、
基本的に売上を認識する(計上する)
タイミングは
【商品についてはその納品が完了した日】、
サービスについては
【そのサービスの提供が完了した日】
に売上計上をするということになります。
上述した商品を納品した日
ということについては、
様々な例外規定が設けられており、
細かいお話をすると
【必ずしも納品ベースではない】
ということもあるのですが、
今回はそのことについては本筋では
ないため、割愛させていただきます。
今日の論点としては、
【サービスの提供について】
なんですね。
■上述したようにサービスの
提供については、
【そのサービスが完了した日に
初めて売上計上する】
ということになります。
そのように考えると、例えば
個人事業主の場合で、
【今年12月から来年11月実施される
コンサルの契約が決まった】
としましょう。
そうなると、たとえ12月に年間分の
コンサル料金をいただいたとしても、
これは来年分も含まれているわけですので、
今年の12月分という
【1ヶ月分だけ売上計上をし、
残りは前受金として計上】
することになるんですね。
■また、新規のお客様などの場合に
【前金をもらう】
ということもあるかもしれません。
その前金についてもサービスの提供前に
もらうものですので、
【もらった時点では、売上ではなく
前受金にする】
ということに。
そしてこのサービスが終わった
タイミングで残金をもらうわけですが、
【その残金をもらった金額とこの前受金の
金額を合わせて売上に計上する】
という会計処理をしていくわけです。
これがまず大原則。
しかしながら、これを厳密にやっていくと、
特に多くのお客様がいらっしゃる状況
においては、
【どのお客様がどのタイミングで
サービスの提供が完了したか】
ということをその都度把握していく
必要が出るというものでしょう。
■数件だったら良いのですが
何十件、百件単位と増えていくと、
どうしてもそれを全て追うということは
現実的に難しいでしょうし、
その経理の労力を費やすということ
を考えても、
【経営効率の悪化に繋がる】
というものでしょう。
■そうなると、これは原則を無視する形
にはなるのですが、
【あえて入金された段階で売上】
することも検討する余地があります。
その処理でいくと、
【前金をもらったタイミングでも売上】
ですし、
【年間分の代金をもらった
タイミングでも売上】
となるわけです。
■そんなことをして税務的にどうなの
ということを考えるものですが、
税務署は以前の記事でも書かせて
いただいたように、
【税金を前倒しして払ってくれる分に
関しては案外寛容である】
というものなんですね。
<2023年12月7日【税務調査で問題になる
売上と経費】のお話>
https://muratax.com/2023/12/07/7208/
■その寛容である理由としては、
通常であれば前受金として
売上が先延ばしされるため、
今年度の税金は下がるものの、
これを前倒しして売上にする
わけですので、
【税務署にとっては税金の先取りができる】
ことになるわけです。
そういった点において、
【実務面での事務の煩雑さを回避する】
こともできますし、また、対税務署という
【税務調査の視点においても大丈夫だろう】
ということで、こういった選択が
考えられるわけですね。
■もちろん、税金も減らそうとして、
経理も厳密にやろうとすれば、
原則通りサービスの提供したタイミング
での売上計上ということに
なるのでしょうが、
どうしてもこれは経理が煩雑である
ということ、
そしてもう一点私が大事だと思っているのが、
実際の現金の動きと売上に上がってくる
金額の動きが合うため、
【実際の資金繰りと売上が合致する】
ということになり、
【経営の管理もしやすいのではないか】
というところなんですね。
■どうしても、
経理や税務の面で厳密な処理をしないと
いけないと思いがちものなのですが、
経営面もトータルで見て、
【全てを相互勘案して
最も良い方法を模索してみる】
と良いかもしれませんね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・売上の計上するタイミングは、
原則として
【商品の納品をした日】、
そして、サービスについては
【そのサービスの提供が完了した日】
であるというところ。
・しかしながら、
上述したことを厳密にやろうとすると、
特に多くの案件を抱えている状況であれば、
【その個別の管理をすることは極めて
困難である】
ということも考えられるであろう。
・そのような際に考えるのが、
税務調査を念頭に置いた場合、
【少し簡略化した経理と申告ができないか】
ということ。
・どうしても経理などの事務処理は
煩雑になればなるほど
【その分経営の時間を圧迫してしまうもの】
であるため、上述したようなことを
念頭において、柔軟に考え、
【税務と経営というトータル
の面で最も良い選択】
をしたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。