2024年11月24日「役員貸付金はNG!」と言われる一方で…
昨夜は家族で散歩に出かけていたですが、
なかなかの寒さで、歩くこと自体が
辛い状況でした。
その後に屋内に入ると、風と寒さが遮断
されただけで暖かさを感じ、
それだけで幸せを感じるので不思議な
ものです。
日頃の感覚が麻痺しないように、
時にはあえて少々の苦痛を感じる環境に
身を投じることも大切なのかも
しれませんね。
さて、本題です。
------------------
■法人の決算を迎えるにあたり、
同時に次期の役員報酬の額を検討する
タイミングに入ります。
そのように役員報酬を設定するタイミング
は年に一度しか基本的に訪れませんので、
その設定には十分な注意が必要である
と言えます。
法人については当然その役員報酬が法人
の経費として考えられますので、
役員報酬を支払った分、法人の利益が
下がることになります。
■ただその一方で、役員報酬を増やすと
社会保険料も同時に増加しますので、
その社会保険料の負担も十分視野に
入れておく必要があると
言えるでしょう。
社会保険料について、ざっくりと法人と
個人の合計で30%ほどの負担ですので、
場合によっては、あえて役員報酬を
増やさずに法人に利益をプールしていく
という方法も考えられます。
■ただ、役員報酬を取らないことには
基本的に法人から個人にお金を移す
ことはできませんので、
そのような点も加味すべきであるという
ことは念頭に置いた方が良いでしょう。
また、役員報酬以外のルートにより法人の
お金を個人に移すと、
役員貸付金というものが発生し、金融機関
の評価においてはマイナスの評価に
繋がるとともに、
税務上も、認定利息というその貸付に
対する利息(収益)を計上する必要があり、
その分の利益が増えるということに
なります。
■しかしながらその反面、
上述したように社会保険料の負担も
役員報酬を増やすと増えることに
なりますので、
そういった点を総合勘案して決定する
必要があるというところなんですね。
■また同時に着目したいのが、出張旅費の
計上について。
出張旅費については、役員報酬以外の
ルートで法人が個人お金を移すことが
できるものになりますので、
その点も見落とさないようにしたい
ところです。
<【2020.11.22】上手に【出張旅費】を
利用していますか?>
https://note.com/muratax/n/n16d643393877
■また上述したように、役員貸付金になる場合
においては、
金融機関の評価の面と税務上の認定利息
の収益計上という面でのマイナス要素
となるのですが、
もし金融機関の融資を検討しないような
状況であれば、社会保険料の負担を
加味して、
あえて貸付金にすることを許容して、
『当面の資金繰りを悪化させない』
ということもまた、一つの選択である
と言えるでしょう。
■もちろん、
毎年その貸付金が増え続けるようであれば
考え直さないといけないところですが、
短期的に貸付金が発生し、その反面
社会保険料の負担が抑えられる
ようであれば、
それもまた経営においての選択の一手
ではないかというところなんですね。
どうしても、役員貸付金を避けたいという
ことだけに着目をしてしまいがち
なのですが、
真に大切なのは『経営の血液とも言える
現金が潤沢にあること』ということも
また事実ですので、
そういった点も総合勘案して、
役員報酬の決定を心掛けたいものですね。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・役員報酬は基本的に年一度のタイミング
でしか行えないものであるため、
十分注意してその決定をすべきである
と言える。
・役員報酬を増やせば社会保険料も
増えるため、
その社会保険料の増加が資金繰りを圧迫
しないかということは、
十分注意しておきたいところ。
・場合によっては、
役員報酬を少なくすることにより
役員貸付金の状態が生まれるかも
しれないが、
社会保険料の負担を加味すると、
短期的にその貸付金状態になったと
しても、経営においての現金の流れが
潤滑化することを考えると、
役員報酬を減額することもまた、
経営の一手かもしれない。
・大切なのは、税務上の正解のみならず、
『経営においての真の正解』を考慮する
ことであるため、
上述してようきたなことを総合勘案して、
真に大切なものを見据えて、
役員報酬の決定を心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。