2025年6月7日倒産防止共済は「入口と出口」を適切に考える!
今日は事務所移転のため、 従来の事務所のファイルや備品などを いろいろと整理していました。 どうしても事務所の移転となると、 いろいろと細々とした作業が必要で、 なかなか大変なものですね。 今回の事務所については、 従来よりかなり規模を縮小した 事務所となりますので、 これを機に、リアルな物品の スリム化を目指していきたい と思うところです。 さて、本日の問題です。 ================== ■法人や個人の節税策として、 過去の記事でも度々 取り上げさせていただいているのが、 小規模企業共済と倒産防止共済です。 <2023年9月27日【小規模企業共済と 倒産防止共済(経営セーフティ共済) の違い】について> https://muratax.com/2023/09/27/6966/ ■小規模企業共済については、 法人の経費や個人事業の経費になる 性質ではなく、 個人の所得に対する所得控除として、 個人の年末調整や確定申告の際に いわば「自分の経費」として、 計上するものなんですね。 ■逆に、倒産防止共済 (経営セーフティ共済)については、 法人や個人事業主の経費となり得る ものになります。 表向きは、得意先の倒産に備えて 貸し付けを受けることができる という制度なのですが、 実際のところは、節税の手法として この倒産防止共済が使われている ことが大半です。 <倒産防止共済(経営セーフティ共済)> https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/index.html ■どのような点において 節税として使われるか ということについては、 基本的には、掛金の積立をしていく にあたり、通常の積立では 資産計上になるものの、 この倒産防止共済の積立に 関して言えば、 この積み立てた金額が 全額経費(法人の損金) となるということに。 したがって、その積み立てた額が 経費化されることによって、 節税につながる というわけなんですね。 ■しかしながら、こういった 「お金を使う節税」の際に 考えなければならないのが、 【その出口がどうなっているか】 ということなんですね。 今回で言えば入口は、 掛金の積立である一方、 その出口はどうなるのか ということです。
■この倒産防止共済については、 40ヶ月間は掛け続ける必要があるため、 まずそのことに注意が必要です。 そして金額の範囲については、 月5千円から20万円までの範囲で 任意に積み立てることができ、 これは基本的に毎年増額したり 減額したりすることが可能となります。 場合によっては、 書類の提出が必要となるのですが、 基本的には任意に増減することができる と考えて大丈夫かなというところです。 ■そしてもう一つ注意が必要なのが、 この倒産防止共済については 上限額が設けられており、 その上限が、トータルで800万と いうことになります。 逆に言えば、この800万に 達してしまえば、 それ以降は積立をすることが できないということなんですね。 ■ではその後どうなるか、というのが、 この出口についてのお話に つながります。 将来的には、この積み立てた金額 全額を解約という形で、取り戻す ことになります。 この解約をした時点で、 全額が返金されたら、 そのタイミングで全てが収益計上 (法人では益金)になるということに。 マックスで800万ですので、 それなりの利益(所得)が生まれてしまう ということになるわけで、 こういた点には十分注意が必要 ということなんですね。 ■そのようなことから、 経費として積み立てる際は、 本当にその経費としての積立 により、節税効果があるのか ということをまず考えるべきです。 個人事業主についても法人についても、 超過累進税率の考えから、 利益が増えれば増えるほど 税負担が上がっていきますので、 極力利益が多いタイミングで この積立を多くしていくのが ポイントです。 ■そして個人事業主については、 これを解約すると高額の収益が 生まれてしまいますので、 高額の所得に対しての税率 ということで、 この超過累進税率により、 大きな税負担を強いられることが 予測されます。 したがって、個人事業主についての 倒産防止共済は、 基本的に私はお勧めしていない ということがあるんですね。 ■その一方で法人については、 この解約のタイミングで、 退職金などの経費をぶつける ことにより、 退職金などという経費と、 この解約金による収益が相殺され、 結果として解約時の税負担を免れる ことができるということに。 したがって、この解約のタイミングを 適切に考えることにより、 この倒産防止共済を有用に 活用することができるわけです。 ■入口では、高税率のタイミングで 積み立てを、出口では大きな解約金に 備えた将来の支出を見通して、 その支出をぶつけることにより、 収益と経費を相殺し合うことを 見据えることが大切です。 そのようなことを念頭に置いて、 倒産防止共済を検討する際は、 入口とともにしっかりと出口の 戦略も立てて、 決して損をすることのない 積立と解約を心掛けたいものですね ================== 《本日の微粒子企業の心構え》 ・倒産防止共済については、 個人事業でも法人でも経費となる 性質のものである。 ・倒産防止共済は、その積立期間と、 マックス800万円という金額の上限に 注意しておきたいところ。 ・法人であっても個人であっても、 超過累進税率により税金が かかってくるため、 極力高税率のタイミングで 積立をすることにより、 経費にすることによる 節税メリットを享受したいところ。 ・解約時には多額の収益が計上される ことが予測されるため、 それに備えた費用をあらかじめ目論み、 その予定された収益計上と、 そこのタイミングで発生する経費を ぶつけることにより、 出口としても上手に税をコントロール して、終始一貫した節税を 心がけたいものである。 --------------- 今日も最後までお読みいただき、 ありがとうございました。



■この倒産防止共済については、
40ヶ月間は掛け続ける必要があるため、
まずそのことに注意が必要です。
そして金額の範囲については、
月5千円から20万円までの範囲で
任意に積み立てることができ、
これは基本的に毎年増額したり
減額したりすることが可能となります。
場合によっては、
書類の提出が必要となるのですが、
基本的には任意に増減することができる
と考えて大丈夫かなというところです。
■そしてもう一つ注意が必要なのが、
この倒産防止共済については
上限額が設けられており、
その上限が、トータルで800万と
いうことになります。
逆に言えば、この800万に
達してしまえば、
それ以降は積立をすることが
できないということなんですね。
■ではその後どうなるか、というのが、
この出口についてのお話に
つながります。
将来的には、この積み立てた金額
全額を解約という形で、取り戻す
ことになります。
この解約をした時点で、
全額が返金されたら、
そのタイミングで全てが収益計上
(法人では益金)になるということに。
マックスで800万ですので、
それなりの利益(所得)が生まれてしまう
ということになるわけで、
こういた点には十分注意が必要
ということなんですね。
■そのようなことから、
経費として積み立てる際は、
本当にその経費としての積立
により、節税効果があるのか
ということをまず考えるべきです。
個人事業主についても法人についても、
超過累進税率の考えから、
利益が増えれば増えるほど
税負担が上がっていきますので、
極力利益が多いタイミングで
この積立を多くしていくのが
ポイントです。
■そして個人事業主については、
これを解約すると高額の収益が
生まれてしまいますので、
高額の所得に対しての税率
ということで、
この超過累進税率により、
大きな税負担を強いられることが
予測されます。
したがって、個人事業主についての
倒産防止共済は、
基本的に私はお勧めしていない
ということがあるんですね。
■その一方で法人については、
この解約のタイミングで、
退職金などの経費をぶつける
ことにより、
退職金などという経費と、
この解約金による収益が相殺され、
結果として解約時の税負担を免れる
ことができるということに。
したがって、この解約のタイミングを
適切に考えることにより、
この倒産防止共済を有用に
活用することができるわけです。
■入口では、高税率のタイミングで
積み立てを、出口では大きな解約金に
備えた将来の支出を見通して、
その支出をぶつけることにより、
収益と経費を相殺し合うことを
見据えることが大切です。
そのようなことを念頭に置いて、
倒産防止共済を検討する際は、
入口とともにしっかりと出口の
戦略も立てて、
決して損をすることのない
積立と解約を心掛けたいものですね
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《本日の微粒子企業の心構え》
・倒産防止共済については、
個人事業でも法人でも経費となる
性質のものである。
・倒産防止共済は、その積立期間と、
マックス800万円という金額の上限に
注意しておきたいところ。
・法人であっても個人であっても、
超過累進税率により税金が
かかってくるため、
極力高税率のタイミングで
積立をすることにより、
経費にすることによる
節税メリットを享受したいところ。
・解約時には多額の収益が計上される
ことが予測されるため、
それに備えた費用をあらかじめ目論み、
その予定された収益計上と、
そこのタイミングで発生する経費を
ぶつけることにより、
出口としても上手に税をコントロール
して、終始一貫した節税を
心がけたいものである。
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今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


