2020年5月17日【大きな入金が実は大きなリスクをはらんでいる】という思いもよらぬ真実とは
こんばんは。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■「ぽーけっとーのなかにぃは
びすけっとぉがひとつぅ〜♪」
そして…
ポケットを叩くとビスケットが2つ。
まるで夢のような話ですね。
そして、これを実行したくなるのが
我が村田家のうっかり八兵衛、次女。
昨日はサプライズで、
3時のおやつでビスケットを
みんなで囲む時間を作ってみました。
「今日はビスケットがあるよー(^^)」
の一声に、
目を輝かせる子どもたち(^^)。
「いちまぁい、にまぁい」
…
「…はちまぁい…」
ポケットに入れるごとに夢のように増えていく
ビスケットの数を想像しながら、
かなりテンションの上がる次女。
その喜びを最大限披露しようと、
体全体を使い歓喜の舞い。
…三舞目を試みたその瞬間、
『ズッテーン!』
見事に、そして華麗に、
まさにビスケットを詰め込んでいた
夢の右のポケットを真下にして、
床に激しくご挨拶。
当然、ビスケットはボロボロ…
次女は号泣。
長女と次女に、
ビスケットを分けてもらおうと懇願するも、
冷たく拒否(汗)。
…ポケットの中に全部ビスケット
入れちゃったからね…
「でも、ビスケット増えたから
いいんじゃない?」
という私のオトナな一言に、
さらに号泣(!)
これからビスケットをポケットに入れる際は、
きっと最大限の注意を払うことでしょう。
何事も教訓教訓…
■さて、投資の世界では
【卵は一つのカゴに盛るな】
と言われますが、
一点集中ですべてのお金を同じところに
投資するということは、
かなりのハイリスクになります。
一つに盛った卵が入っているカゴを
ひとたび落とすと、
そのカゴの中に盛っている卵が
すべて割れてしまう
ということになるわけですね。
これを投資の世界で考えると、
すべての財産を託している
その投資先が破綻でもしてしまえば、
全財産がパーになってしまうわけです。
■さて、この一点集中型の投資を、
あなたは自分のビジネスで
やってはいませんか?
というのが今日のお話。
私が15年もの間、税理士業界で
いろいろな企業を見てきて、
順調に行っていたのに、
とある一つの出来事が原因で、
倒産を余儀なくされる
ということが少なからずありました。
その多くは
【得意先の破綻】
によるもの。
特に建設業や製造業の会社に
多く見られることなのですが、
取引の大半を特定の一社に依存している
状態であり、
当然のことながら、入金される源泉も、
その一社に限定されるという状況。
このような状況を、
かなり上の方から俯瞰して見渡すと
想像に難くはないことなのですが、
もしその得意先が破綻してしまうことや、
夜逃げをされることのリスクを考えると、
本当に怖いことですよね。
さらに怖いのは、
手形などをつかまされており、
今月仕事をしたものの入金が
6ヶ月後に入る
などということもあります。
その得意先が飛んでしまった瞬間、
約半年分の売上高が入って来ない
ことになるのです。
当然、その下にいる外注の業者さんには
対価を払わないといけないため、
どう考えても資金が回らず、
潰れてしまいますよね。
■ただ、人には
【正常化バイアス】
というものがあり、
【よほどのことなんか起こらないだろう】
という思考に陥ってしまいがちなのです。
【自分にとって都合の悪いことは、
なるべく見ないようにしたい】
という人間の根本的にある心理なんですね。
今は、大きなお金が入ってきているから
それで良い。
でも、もしその大きなお金が
入ってこなくなったら…というリスクを、
当の本人はあまり考えていない
ということが少なからずあるわけです。
あなたのビジネスではいかがでしょうか?
■私の税理士としての仕事を考えたときに、
顧問契約という形で、
多くの顧問のお客様と
顧問契約を結ばせていただいており、
毎月の収入は
【かなり分散された形】
で入ってきます。
これだけを見ると、
卵を多くのカゴ分けて
上手に盛っているように
見受けられますよね。
ただ、もっと上に昇って俯瞰して見たときに、
私は
【税理士の仕事ほど怖いものはない】
と思っているのです。
一見してみると、
うまく分散して収入が入ってきている
ように見えるのですが、
仮に、税理士という資格が
私から奪われたらどうなるでしょう。
結局のところ、
税理士という名のカゴに
私自身のビジネスを載せてしまっている
というのが、
一般的な税理士事務所の
経営の現状なのです。
このように考えると、
結構怖いことではないでしょうか。
「いやいや、税理士なんだから
税理士の資格がなくなることなんて
ないだろう。」
と税理士のほとんどは思っているはず。
いえ、そんなことを思いもしないのが
通常だと思います。
かく言う私も、
かつてはもちろんそうでした…
■ただ、俯瞰して見たときに
『これって結構怖いよね…』
と思ったわけです。
今回の新型コロナウィルスにも
見られるように、
これまで安定していた企業が、
瞬く間に立ち行かなくなるということは、
しっかりと想定しておかないといけません。
このようなことから考えると、
【万一の場合を常に考え、
リスクを最小限に抑えるべく備えること】
が何より重要。
そのリスクを分散することの一環として、
【自らのビジネスを上手に分散させる】
ということが、
今後すごく重要になっていくわけです。
■一本の木が立ち、
その木から枝が生え、
その枝に葉っぱがついている状況。
私の税理士の例で言えば、
税理士として顧問先が分散している状況は、
【葉っぱの葉脈を見ているに過ぎない】
ということ。
葉っぱの葉脈は部分的なものに過ぎず、
その葉脈を作っている
葉っぱを見るべきですし、
その葉っぱがついている
枝を見るべきですし、
最終的には、
その枝がついている木全体を
見渡す必要がある
わけです。
これ位、
【最悪の場合を想定して最善を尽くす】
努力をしていかないと、
順調に進んでいた経営が、
あれよあれよという間に
ひっくり返ってしまうことも考えられます。
【一点集中ではなく、分散する】
という考え。
投資においても、
現金ばかりではなく、
株式や債券を持つこと。
日本円ばかりでなく、
海外の通貨を持つこと。
日本の商品ばかりでなく、
海外の商品を買うこと。
同じ生命保険会社の保険ではなく、
他社の生命保険も検討すること。
『よほどのことはないだろう』、
『こんなに大きな会社が潰れることは
ないだろう』
…とどこかで思ってはいませんか?
これまでの歴史を見ていても、
同じような気持ちで日々を過ごしていた
人たちが、
思いもよらぬ企業の破綻などで、
かなり痛い目に遭っています。
こういった歴史があるにもかかわらず、
これをそのまま見逃しておくということは、
経営者として決してあってはならないこと
なのではないかと、
私は思っているわけです。
■そして、
経営者である自分自身の目から
自分の経営を見ていても、
どうしても一方通行な視点になってしまい、
なかなかその本質的な部分は見えないもの。
だからこそ、
経営の伴走者が必要であり、
客観的な視点が必要であり、
経営者であるあなたの
軌道修正をしてくれる存在
が必要なのです。
経営者は自由です。
仕事をする時間も自由、
昼ごはんを食べる時間も自由、
仕事を終える時間も自由、
仕事をするしないという選択も自由。
自由であるからこそ規律も必要で、
経営者は自らの動きを自ら律して
いかなければなりません。
私がこれまで多くの経営者の方と
関わってきて、
独りよがり
(と言うと、言い方が悪いですが…)
の経営を貫いてきた結果、
思いもよらぬところで足元をすくわれる
ということを何度も見てきました。
この記事を読んでいるあなたには、
決してそんな思いをさせたくありません。
日々の忙しさに追われていると、
どうしても経営の全体を見渡す
ということを
おろそかにしてしまいがちなのですが、
毎日10分でも5分でも、
【自らの経営の状況を見直す時間】
を取っておいていただきたいのです。
意外と、その10分や5分の積み重ねで、
将来的に大きな波及効果の高いものを
生み出せることがあります。
■【しっかりと思考すること】。
これは、
【経営者の第一の仕事】
であるように思えてなりません。
…明日あたりに、
再度ビスケットを3時に持っていって、
次女が万一に備え、
ビスケットをどのように分散するのか、
父としての生温かい目を持って、
様子を伺ってみたいと思います(笑)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・一点集中型のビジネスは極めて危険。
・一見分散していると思われても、
俯瞰してみると
実際は一点集中型になっている
ことが少なからずある。
・目はその睫を見る能わず。
自分で自分のことは見えないもの。
あなたを客観視して、アドバイスをくれる
存在はすごく重要。
・10分でも5分でも、毎日
【経営についての思索をする時間】
を取るべし。
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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。