2021年11月13日【ブライアン看護士の原則】に立ち返り、経営を見直すことの重要性
■人生においては、
出会いもあり別れもある。
そんな悲しい別れの際に行われるお葬式。
故人と様々な関係があった方がそこに集い、
その各人のいろいろな想いが
交錯しているのがこの『葬儀の場』
ではないでしょうか。
■そんな中、
その斎場のスタッフさんの一言により、
【故人への想いを掻き乱されてしまう】
ということは、もしかすると
あなたも経験があるかもしれません。
私自身も最近大変親しい友人との
お別れをしてきたのですが、
最後に献花をする場面において、
斎場のスタッフの方が
「これが最後のお別れですよ。」
とのことを、何度も何度も
言っているシーンがありました。
献花をしようにも、
その個人に対する想いは
上述したように人それぞれであり、
場合によっては
【最後のお別れをすること自体も辛い】
ということがあるかもしれませんし、
【そういった最後の時間だからこそ、
自分自身の気持ちと対話をし、
気持ちの整理をしている状況】
ということも考えられます。
■そんな中で、
上述したような言葉は
大変無機質に聞こえるものですし、
本来大切にすべきであろう人の気持ちを
ないがしろにしている行動に
なってしまっていることも
考えられるわけです。
当然斎場の人としては、
「本当にこれが最後ですよ」
といったことを伝えるべき
という職務はあるのでしょうが、
やはり、
【そこにお見えになっている方が
どのような想いが持ち、
その一言を発することによって
どう感じるか】
ということは最低限考えながら、
声かけをしていくべきではないのかな
と思った次第です。
■ドラッカーの
『経営者の条件』
という書籍に出てくるお話として、
【ブライアン看護師の原則】
というものがあります。
→ 経営者の条件
病院においては、
その患者さんの症状も様々であり、
その処置の仕方なども
複数考えられるのでしょうが、
ブライアン看護師は
そういった『決定』の場面において、
「それは患者さんにとって
一番良いことでしょうか。」
といったことを確認していたとのこと。
■結局のところ、
これこそが上述した斎場の人の感覚と、
参列している故人の関係者の想いとの
相違であり、
上述したブライアン看護師を
これに当てはめるとすれば、
【参列者に対して、
本当にその声かけをする必要が
あるのでしょうか。
もっと良い参列者の想いに
寄り添えることはないでしょうか。】
といったところなのかな
と思っている次第です。
■このようなことは、
どんな業種業界についても
言えることではないでしょうか。
私の税理士のお話で言えば、
税理士は当然『税務』の専門家なので、
そこに見えられるお客様も、
「税金についてのことを知りたい」
だとか、
「税務について最も得になるような
方法を知りたい」
だとか…
そんな風に我々税理士側は
考えがちなのですが、
私が長年税理士をしてきたことにより
見えてきたものといえば、
当然『税務のサービスを提供する』
ということも大切である一方、
【親身になって自分の話を聞いてくれる
相談相手】
であったり、
【何でも本音で話せる相手】
というところが、
実際に求められていることとしては
かなりのウェイトを占めているように
感じているところなのです。
■結局のところ、
自分の財布をさらけ出す相手ですので、
相当な信頼関係がないと、
本音で話すことはできませんし、
本音で話すことができないとなると、
そのお金や税金の裏側に秘められた
ストーリーを無視して、
その税務などをアドバイスをしてもらう
ことになるため、
【場合によっては相当見当はずれな
税務のサービスをしてしまう】
という可能性があるわけです。
■飲食店に関して言えば、
「単においしい料理を食べたい」
というだけではなく、
もしかすると店員さんとの会話を
楽しみたいのかもしれませんし、
場合によっては辛い気持ちを解消すべく、
一人でゆっくりと食事をしたいのかも
しれません。
また時には、
信頼している友人との時間を
食事を通して大切に噛みしめたい
こともあるかもしれませんし、
何かしらの記念日にゆっくりと
食事をしながら語り合いをしたい
というケースもあるかもしれません。
■そういった事実の中で大切なのが、
上述した『ブライアン看護師の原則』で、
【それは相手にとって
最も良いことなのでしょうか】
という問いかけをすることではないかと
思っている次第。
往々にして
【売り手が売ろうとしているものと、
買い手が買おうとしているものには
相違がある】
ということが考えられるもので、
しっかりとその『事実』に着目し、
相手の立場に立って考えて、
そのサービスの提供の仕方を考えていく
必要があるのではないでしょうか。
■今日は友人の死からしばらく経ち、
その友人のことを想う中で
思い出したことから、
経営に関する考え方について思いを致し、
記事を書かせていただきました。
しっかりと、相手の立場に立って
その状況を俯瞰して、
最も適切な経営の手を打っていきたい
ものですね。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・往々にして
【売り手が売ろうとしているものと、
買い手が買おうとしているものは
相違があるもの】
と心得ておくべし。
・ドラッカーの『経営者の条件』
に登場する【ブライアン看護師の原則】。
大切なのは、
「それは相手にとって
一番良いことなのでしょうか。」
との問いかけであり、
これに対する解を考える中で、
適切な経営者としての商品やサービスの
提供の仕方を模索していきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。