2021年12月14日「その【お金の支払い】、本当に経費になりますか?」
■顧問のお客様とのご面談の中で、
【実際の現金の動きと
損益との間に大きくズレが生じている】
ということがあります。
私自身、そういった
ズレについては
「当然顧問のお客様も
そのように感じているのでは?」
ということを面談前に考え、
その説明をするようにしているのですが、
最も多いズレの原因としては、
【経費の前払いに基づくズレ】
のように感じているところです。
■よく、
何かを製造してもらう際や、
物を仕入れる場合に、
【ひとまずは半金を入れてもらい、
残りはその引き渡しのタイミングで支払う】
という契約があります。
このような場合、
その半金を支払ったタイミングでは、
『物の引き渡し』や『サービスの提供』
が完了していないため、
その半金を支払った時点では
経費にならないんですね。
『仕入』であれば、
仕入代金の仮払いといった意味合いで
【前渡金】
という勘定科目を使いますし、
『経費』に関しては
【前払費用】
といった勘定科目を使い、
いわゆる『仕入高』や『その他の経費』
とは区分けをして、
【資産】
として経理をすることになります。
■しかしながら、
この原理を知らないがために、
【ひとまず支払いを完了して
経費として計上されるもの】
と思っているケースは
少なくないように感じますね。
顧問のお客様については
随時ご説明をしているのですが、
単発の税務相談のお客様については
どうしてもこういった認識が多い
というのが一般的。
会計のルールとして、
【物やサービスの引き渡しや
提供が完了したタイミングで
初めて経費になる】
ということは
意識しておきたいものです。
■『資金の動き』
についてはそのような考えですが、
『実際の物の納品』についても
同じことが言えます。
大切なのは、
【物が引き渡されたり、
サービスが完了したりする
タイミングで経費となる】
ということ。
したがって、
物を引き渡されてない状態で
お金を支払ったとしても
経費とはなり得ませんし、
逆に物の引き渡しが完了していて、
それに伴う請求書が発行されており、
実際の代金の支払いはまだ…
といった場合は
【物の引き渡しが終わっていますので、
これは経費として認められる】
ということになるわけです。
■こういった論点については
何度記事に書いたとしても、
また何度も直接ご説明をさせて
いただいたとしても、
どうしても取っ付きにくいものであるため
忘れてしまいがちです。
12月決算法人や個人事業主の方について、
今月中の何らかの
『節税の対策』をしていく場合、
上述してきたような知識を念頭において、
経費を作ろうとするがために、
【(税的に)意味がないとも言える支出】
をするのを
避けるようにしましょう。
利益には『税金』がかかってきて、
将来的には『納税』が生じます。
【その納税資金を蓄えておく】
ということも極めて重要ですので、
その点も併せて注意をしておいた方が
良いですね(^^)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・よくある捉え違いとして、
【お金を支払ってさえしまえば
経費になる】
というものがある。
・『経費』については、基本的に
【物の引き渡しや
サービスが完了したタイミングで
初めて経費として認められる】
ということを重々注意しておくべし。
・『仕入』については、
物の引き渡しは完了していたとしても、
【売れて初めて仕入が認められる】
というもの。
これは『在庫』に繋がるためであるが、
この点にも注意しておくべきである
と言える。
・『節税』をしたいがために、
【上記の理解をしていないまま、
資金の支出をしても全くもって意味がない】
と言えるため、
重々な注意が必要である。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。