2022年3月5日法人成りで(節税を含め)検討すべきこと
■確定申告の真っ只中ではあるのですが、
個人事業を順調に進められ、
経営成績も良い状況であれば、
その確定申告の結果を見たところで、
【法人成り】
を検討することもあろうかと思います。
そんな中、『法人には法人の税金』が、
『個人事業には個人事業の税金』
がかかるわけで、
【そのトータルの税負担を見ないことには、
その法人成りの検討は難しい】
というもの。
■その中で特に負担が大きいのが、
【社会保険料】
なんですね。
『国民健康保険料』については
【その上限が設定されている】
ということがあるのですが、
その一方で、
【かなりの高額になる】
ということが考えられます。
(市区町村により様々ですが、
大体マックスで100万弱になります。)
一方『国民年金』については、
【年間の金額がおよそ約20万円
ということで一定している】
という状況。
一方、法人成りをして
法人より役員報酬をもらうとなると、
その役員報酬に対して
『健康保険料』と『厚生年金保険料』
がかかってくることになります。
その健康保険と厚生年金の料率が、
個人と会社負担分を合計すると約30%…
要は、『年収の3割』を社会保険として
負担することになるわけです。
当然これは折半ですので、
半分は会社の経費、半分は個人での負担
ということに。
とは言え、自らの会社ですので、
実質的には30%ということなんですね。
■しかしながら仮にですが、
『国民健康保険』の場合、
【その国保に加入している親族が
多ければ多いほど、
国保の金額も上がってくる】
というもの。
しかしながら『社会保険』については、
その扶養に入るとしても、
その扶養人数に対する
追加の金額の支払いはないため、
そういった面では
【扶養が多ければ社会保険が有利になる】
と言えます。
このように、
社会保険一つとってみても、
その人の置かれている状況により、
その有利不利は様々なんですね。
■そしてもう一点が
『消費税』
について。
消費税を納めるべき事業者かどうかは、
『前々年の売上高』をベースに
判定しますので、
法人成りをした1期目と2期目については
その前々期が存在しないため、
『免税事業者』となります。
そういった点から考えると、
個人事業主で現在消費税を
支払っているとしても、
【そこから法人成りをすることにより、
2年間は納税義務が免除される】
というものなんですね。
■しかしながら、
ここで注意しないといけないのが、
【消費税のインボイス制度】
について。
(過去の記事もご参考ください。)
→https://note.com/muratax/n/nbf59e8cc9fb1
簡単に言えば、
【2023年の10月1日からは、免税事業者が
免税事業者のままでいることが難しくなる】
という状況なんですね。
そのような状況考えると、
『消費税』の面だけを考えるとすれば、
【極力早い段階で法人成りをして、
その2023年9月までの免税のメリットを
精一杯享受する】
ということも選択肢の一つである
と言えるでしょう。
しかしながら、その中でも上述した
【社会保険の負担を
考えなければならない】
というわけです。
■その他にも、
『社宅』や『出張旅費』による節税
なども相互勘案して決定しますので、
【やはりその状況は人それぞれ
会社それぞれである】
と言えるわけです。
(社宅の節税)
→https://muratax.com/2020/06/08/2806/
(出張旅費の節税)
→https://note.com/muratax/n/n16d643393877
どうしても
「利益が〇〇万円で法人成りの方が有利!」
といったことを見聞きする機会が
少なからずあるわけですが、
【状況はそんな単純ではない】
ということなんですね。
■その他にも、
法人成りをすることにより
『法人としての信用度』が高まるため、
そういった面でも
【取引先との信頼が得られる】
ことが考えられます。
■というわけで今日は、
法人成りについて、実は判断が難しい
いろいろな観点からの検討について
述べてきました。
極力、法人成りについては
しっかりといろいろな角度からの
総合勘案をし、
ベストの解を探ることが大切
というわけですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『法人成り』については、
【税負担の観点やその信頼度の観点から
トータルで検討すべきである】
と言える。
・『利益〇〇万円で法人化』、
『売上〇〇万円で法人化』
などということが巷ではよく聞かれるが、
【実態はそんなに単純ではない】
と言える。
(特に、売上だけでの判断は実際不可能…)
・しっかりと
【自らの立場に応じた方策】
を相互勘案しながら検討し、
法人成りのベストな解を模索したい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。