2022年4月18日利益の仕組みから見る【粉飾の手口】
■私たちが経営において重視する『儲け』。
儲けとはつまり、『利益』のことですね。
損益計算書上の利益については、
以前の記事で少し詳しく書かせて
いただいたのですが、
<2022.4.14節税だけではない!
【財務諸表の魅せ方】>
https://muratax.com/2022/04/14/5103/
いったい利益はどのように
生まれるのでしょうか。
■利益を算式で表すと、
「売上-経費」
ですよね。
いたって単純明快。
利益が少なくなれば基本的に
税金は少なくなります。
逆に利益が多くなれば、
税金は多くなる。
■ただ、その反面で、
税金は出るものの、
金融機関の評価においては
利益を出して税金を払うほどの
調子の良い会社だ、
ということで、プラスになります。
逆に、
利益を出さずに税金を下げると、
金融機関の評価上は上記とは
真逆ですので、
良くはないということに。
■経営の拡大においては
融資はかなり重要ですよね。
そのような状況から、
いわゆる『粉飾』により、
財務諸表を良く見せ、
融資を取り付けようとする動きが
見られる実態もあります。
粉飾とはつまり、
実際には利益が出ていないにも
かかわらず、
利益が出ているように見せる
手法のこと。
■【利益=売上-経費】。
この算式を利用すれば、
粉飾をする手口も考えやすいもの。
つまり、
・売上を増やす
・経費を減らす
の大きく分けて二択ですよね。
■売上を増やすには、
架空の売掛金を計上する。
経費を減らすには、
本来経費であるものを
仮払金などの資産の科目にして
経費ではない状態にする。
また、在庫を水増しすると
その分仕入高(原価)が低くなるため、
利益が大きくなりますね。
■粉飾の手口は、
このように見るとかなり単純です。
(…もちろん他にもあるのでしょうが。)
「粉飾をして良いはずはない!」
というのは世間一般からして
当たり前のことなのですが、
仮に粉飾をしたとすると、
その余波は翌期以降に表れることに。
架空で上げた売掛金、仮払金は
どこかで消さないとおかしくなります。
ただ、粉飾をするほど大きなもの
でしょうから、
これを消すのはかなり大変なはず。
また、在庫の水増しに関しても、
あるはずのない在庫が会計上で
計上されているわけですので、
これを元に戻すのもまた一苦労…
5年程前にも同じようなことを
記事に残していました。
<2017.7.28架空在庫で利益を増やす・・?>
https://everydayrunchange.hatenablog.com/entry/2017/07/28/193423
■このように、
元々ない利益を作り出すことは、
世間の良識的にあってはならないこと
であることに加え、
ゆくゆくはその歪みを元に戻す
必要があるということ。
ただ、元に戻すのはそう簡単ではない
ということなんですね。
今日は利益の構造から、
いわゆる粉飾の手口のことを
簡単に触れさせていただきました。
何が言いたいのかと言えば、
何かをやろうとしても、
複式簿記という会計の仕組みによれば、
どんな取引でもキレイに表される
ということなんですね。
私自身、深く会計を勉強した際に
このこともまた深く理解でき、
大変衝撃を受けたことを覚えています。
■なんだかとりとめのない
記事になってしまいましたが(汗)、
利益の構造を知ると、
それがそのまま経営のヒントにもなり得ます。
売上を増やすか、経費を削るか。
単純ではあるものの、
この深い世界にある程度どっぷり浸かる
ことにより、
思わぬ経営の転換点を見出すことが
できるかもしれません。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・利益は
『売上-経費』
で表される。
・利益を増やすには、
売上を増やすか、経費を減らすか
ということが、
この算式により見えてくる。
・大切なのは、
この算式を悪用するのではなく、
いかにして売上を増やせるか、
経費を削れるか、
ということを深く思索すること。
・一見単純なこの仕組みが、
大きな経営のヒントに繋がる可能性がある
ということもまた心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。