2022年9月22日経営者として【簿記の学習】はオススメ
■ここ最近、
税務相談をお受けする中で、
【クラウド会計】
を使用している方が
少なからず見受けられます。
従来は、
【会計の記帳業務は税理士の仕事】
というのが一般的だったのですが、
【その税理士の仕事も
納税者の方自らが経理をして、
会計ソフトに入力をしていく】
ということが多くなったように
感じているところ。
■経営の視点で考えると、
「これはすごく良いことだな」
と私自身は思っていて、
やはり自分で入力を進めることにより、
経営の状況が把握できてきますので、
【経費の無駄な部分や
売上の状況をそれなりに客観視して
経営を見つめることができる】
というものです。
現に私の顧問のお客様においても、
自社で経理の入力をしている方
については、
『経営の肌感覚』と『会計の数字』
がリンクしており、
経営の実情を把握できやすい傾向に
あるように感じているところ。
■そこで今日お話ししたいのが、
会計ソフトについての注意点です。
上述したように、自社で経理を
しやすくなった背景として、
【クラウド会計】
の台頭が考えられます。
代表的なものは
マネーフォワードクラウド。
https://biz.moneyforward.com/
クラウド会計は、
インターネットバンキングや
クレジットカードのデータ、
場合によっては、
通販サイトなどを通じた情報
が流れてくるため、
【その経理に対する労力が
少なくなっている】
というところなんですね。
■しかしながら、
【その勘定科目などはAIが
自動的に推測してくる】
という現状で、そして
【その推測が誤っている】
ということが往々にして見受けられます。
どうしても通販などになると、
【先方負担の手数料か
自社負担の手数料かで
その会計処理が異なる】
などということもあり、
AIに全て任せているようでは、
【結果としての損益をはじめ、
会計の数字がぐちゃぐちゃに
なってしまう】
ということが考えらるわけです。
そういった点については、
税務相談の際に
その場で会計帳簿を開いていただき、
違っている大枠をピックアップさせて
いただくのですが、
【クラウド会計を使用されている
方の大半が、
何かしらの誤りをされている】
ということが少なくありません。
■では、
会計ソフトのAIの機能も利用しながら、
誤りのない会計をしていくには
どうしたら良いのでしょう。
結論としてこれは、
【簿記を学ぶほかない】
ように私自身は思っているところです。
…というと、身も蓋もない
話になってしまうのですが(汗)、
結局のところ『複式簿記』という仕組みを
理解していないことには、
【たとえ便利なクラウド会計であっても
その処理の誤りにより
大きな過ちを犯してしまう】
ということに繋がってしまうというもの。
逆に『複式簿記』という仕組みを
理解していれば、
「AIが推測するこの勘定科目を
ここで使うとその数字がここに飛んできて、
間違いないよね」
だとか、
「それだと帳簿がおかしくなるよね」
…だとか。
そういった判断が付くようになる
というものです。
■『簿記』に関して言えば、
日商簿記や全経などをはじめ、
3級から1級まで、
また税理士試験の『簿記論』
という科目まで存在しますが、
実務上で必要なのは
【簿記3級の基本的な部分のみ】
であるように感じています。
<日商簿記3級のHP>
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3
また、YouTubeなどでも簿記の知識を
習得することは可能かと思いますので、
経営の状況を把握するためにも、
会計入力を間違いなくするためにも、
【簿記の学習】
に関しては積極的に習得されること
をオススメいたします。
■自社で経理をし、
その経営状況が見えるようになると、
経営や会計の数字の全体を
見ることが楽しくなってきて、
そこから自分なりの
経営分析をすることができ、
結果として、
【会計の学習に費やした時間が
大きな効果をもって回収出来る】
ようになるかもしれません。
…とは言え、会計の入力業務を
メインの仕事にしていた税理士は、
食い扶持がなくなってしまう
というものでしょうが…(笑)
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『クラウド会計』の台頭により、
【会計の入力が便利になってきている】
ということが見てとれる。
・クラウド会計は便利である反面、
【AIの推測に誤りがある】
ということも往々にして見受けられるもの。
・クラウド会計であれ、
通常の会計ソフトであれ、
前提として
【適切な会計の知識】
を持っていないことには、
その経理処理自体が難しい
ように感じる。
・会計の知識は【簿記3級】
レベルで十分であるため、
【その学習は早期の段階で積極的にし、
経営に役立てる知識にすること】
をオススメする。
・会計の学習に関しては労力と時間、
場合によっては費用を要するが、
【その返ってくる効果としては
数倍になるもの】
と予測されるため、
経営者の学習として【簿記】は
第一にオススメしたいところである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。