2023年6月29日なぜ【仕入の前倒しは経費にならない】のか?
今日は久しぶりのリアル勤務の日。
チームの結束をさらに実感できた日。
ステキな仲間と仕事をできるこの環境を、
すごく嬉しく誇りに思います(^^)。
さて、本題です。
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■弊所においては、基本的に
3ヶ月に一度のご面談を
させていただいて、その都度
【財務の状況や経営成績、
そして節税対策や資金対策】
についてのお話をさせて
いただくようにしています。
法人においては決算月前において、
それなりの対策をしていくわけですが、
【決算日時点の在庫を計上する】
ということも、
決算の手続きの一環として
お伝えをしているところです。
■と言うのも、
【在庫を計上しないことには、
適正な損益が把握できないから】
ということなんですね。
どういうことかと言えば、
『在庫』というものは、
【商品を仕入れた際の残り物】
なんですね。
■そして、商品を仕入れて売る
という取引の流れから考えると、
【仕入れたものの、商品が売れ残ってしまう】
ということも想定されるわけで、
会計の世界においては、
【売れたもののみを『仕入』
として考える】
ということになるわけです。
当然、実際に仕入れて納品されたもの
が仕入高として上がってくるのですが、
その中でも、売れ残ったものは
在庫としてカウントすることにより、
【会計上の整合性を取ろう】
ということなんですね。
■具体的な例を挙げると…
10個仕入れて7個売れたとしましょう。
そうなると残りは3個ですね。
そのようなケースにおいて、
10個の仕入高が計上され、
7個の売上高が計上される。
そうなると、
【仕入れた個数と売れた個数が違う】
わけですので、場合によっては
【原価割れしてしまう
(マイナスになってしまう)】
ような利益になってしまうことも
想定されます。
■売上と仕入に関しては、
こういったことを是正するために、
【在庫という概念】
が考えられているもので、
10個仕入れて7個しか
売れなかったとしたら、
残りの3個を
【商品という棚卸資産】
と考え、
【その分を仕入高から抜く】
という考え方をするわけです。
具体的には仕入高を
直接マイナスするのではなく、
【期末商品棚卸高として
間接的に利益にプラスする】
というようなイメージなんですね。
(ここは本筋ではないので割愛します。)
■逆に言えば、
前期から繰り越されてきた商品は
【いったん当期に全て仕入れたもの】
とみなして、
【期首商品棚卸高】
として仕入にプラスする処理をします。
ややこしくなってきたので整理をすると、
【前期からの繰越の商品は、
当期の経費(仕入)にカウント】
され、逆に期末の在庫は、
【期末商品棚卸高として
当期の利益にプラスされる
(仕入がマイナスされる)】
ということに。
■先程の例で言えば、
7個分の売上に対し10個分の仕入高が計上
されてしまっているのですが、
【ここから3個を期末商品棚卸高として
商品という棚卸資産】
振り替える処理をすることにより、
【その分利益がプラス (仕入高がマイナス)】
されるわけで、そのことにより
【売れたものの分だけ仕入高が上がる
ことになり、適正な利益が算出される】
ということなんですね。
■そもそもの考え方として、
いわゆる経費というものには
3種類の分類がされます。
その1つ目が今回の『原価』
という種類なんですね。
もう2つはそれぞれ『費用』と
『損失』ということになります。
原価については、
上述してきたように
【売上との個別対応が必要】
とされるものですので、
【必ず売れたものしか
仕入に上がってこない】
ということに。
■したがって、
期末に利益が出たからといって
大量の仕入れをしたとしても、
それはそのまま売れ残りとして
【期末在庫としてカウントされ、
仕入高から抜かれる】
ことになりますので、
何ら意味はないということに
なるわけですね。
こういった点をしっかりと熟知して、
適切かつ適量の商品の仕入をするように
心がけるようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・一般的に言われる経費とは、
【原価・費用・損失の3種類に分類される】
ものと心得ておくべし。
・原価については
【売上と仕入とが直接・個別的に対応している】
ことが要求される。
・したがって、
【仕入だけが先行して
経費になることはありえない】
ため、節税のため大量の仕入をする
ということは
【理論上、節税策としては
見当違いであるもの】
と把握しておきたいところ。
・原価については、場合によっては
【多額の在庫が計上されることも想定】
されるため、在庫の計上を見越して、
適切・適量の商品仕入を検討したい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。