2023年8月16日よくある「確定申告するから年末調整はしません」という誤った解釈について
さぁ、今日から盆明けスタートですね!
ここまでくると年末まであっという間。
…と感じるのは、年末調整から繁忙期が
スタートする税理士ならではの発想かも
しれませんが…(汗)。
いずれにせよ、時間が有限であることは、
否定できない真実。
与えられた時間をフル活用すべく、
最大限が取り組んでまいりましょう!
さて、本題です。
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■顧問契約をいただいているお客様から
税務の質問はもちろん多くお受けする
状況なのですが、
その中で会社の税務のみならず
【従業員の方に関する質問】
についても質問をお受けすることがあります。
その中には社会保険に関するものもあり、
専門性が高いものになると、
社会保険労務士に確認していただく
ということもあるのですが、
状況によっては
【従業員の方の給与に関しての
税務上の質問がある】
ということも。
■その中で最も多い従業員の方の
給与に関する質問が
【源泉徴収や年末調整のこと】
についてなんですね。
その中でもかなり多いのが、
「従業員が自分で確定申告をする
と言っているので、年末調整は
しなくて良いですよね」
ということ。
結論としてこれに関する回答は、
【原則として年末調整は必要】
となります。
確かに、確定申告をすることで、
その方の年間の所得税は確定できるのですが、
そのことと
【会社が源泉徴収をして年末調整をすることは
また異なる意味合いがある】
わけなんですね。
■まず法人であれば、
【必ず源泉徴収義務者になる】
ということは知っておくようにしましょう。
源泉徴収義務者とは
読んで字のごとくなのですが、
【源泉徴収をするべき義務がある者】
ということ。
【法人については、どのような状況であれ
源泉徴収をする必要がある】
というわけです。
■そして、「年末調整をするかどうか」
ということなのですが、
最初に考えることとして、
その従業員が自社で勤務している場合、
【自社がメインの給与であるのか、
それとも他社がメインの給与であるのか】
ということが。
原則として、
【年末調整はメインの給料を
もらっている会社においてするもの】
であるため、
もし自社がサブの給料だとしたら、
【自社の方では年末調整をしない】
ということになるわけです。
■したがって、
自社がもしメインではなく
サブの会社だとしたら、
年末調整はしなくて良い
というわけではなく、むしろ
【年末調整はしてはならない】
ということになりますので
要注意です。
逆を言えば、
【自社にしか勤務していない
従業員であれば、
必ず原則として年末調整を
しなければならない】
ということになりますので
これもまた要注意。
そして、年末調整をする…
つまり自社がメインである
従業員については
【源泉徴収税額表の甲欄
という箇所で源泉徴収をする】
ことになります。
甲欄に関しては、その方の扶養や
もらっている給与の金額に応じて
【所得税の額をざっくり12等分した額を
源泉徴収税額としてその従業員の
給料から天引き】
していくことに。
具体的にはこちらの『源泉徴収税額表』
により源泉徴収をすることになります。
<国税庁HP>
令和5年分源泉徴収税額表
■そして、
【自社がメインではなくサブなどの状況】
であれば、同じく給与から源泉徴収は
しなければならないのですが
上述した源泉徴収税額表においては
【甲欄ではない区分において
源泉徴収をしなければならない】
ことになります。
通常であれば乙欄、もし日雇いなどのケース
があれば丙欄となることも。
【甲欄以外となると実際より多めの源泉徴収】
をしなければならないことになりますので、
その点は要注意であると言えます。
■しかしながら、
【その従業員が最終的にメインの
給与とサブの給与合算して確定申告】
をしますので、もし多めに源泉徴収を
されている状況であれば、
【その多めに徴収された分が還付される】
ということに。
結果として、年間の所得税の額には
変化はないのですが、
会社において源泉徴収する税額が変わって
きますので、適切に源泉徴収をしないことには
源泉徴収義務者としての責務を果たせない
ことになりますので、
法に基づいて適正な源泉徴収をしたいもの。
(…と言うとかなり大袈裟に聞こえますが、
そういうことなのです。)
■ちょっと厄介なのが、
従業員の方が自分の知識を前提にして、
冒頭に述べたように
「確定申告をするので
年末調整はしないでください」
などということを言われるケースが
少なからずあるのですが、
【それは全くもって参考にすべきではない】
ということになります。
こういった税務のお話に関しては
【真実ではない情報が流布している】
ことがありますので、
それを鵜呑みにすることなく、
税理士や税務署に確認して、
的確な税務の判断を
するようにしましょう。
■そして怖いのが、上述したように
【法人に関しては源泉徴収義務者
であることは間違いない】
ため、もし所得税の法律に基づいて
適正な源泉徴収をしていないような
状況であれば、
それは税務調査に入られてた際、
【源泉徴収を適正にしていない
という理由でペナルティを課せられる】
ことになってしまいます。
そういった面でも、源泉徴収に関しては、
適切にその従業員の方が置かれた
状況を把握し、
【間違いのない源泉徴収と
年末調整をすること】
を心掛けるようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・源泉徴収に関しては、
法人は源泉徴収義務者であり、
【源泉徴収をすべきことが強制されている】
ものと心得ておくべし。
・個人事業主は原則として
源泉徴収義務者ではないが、
【給与を払っている個人事業主であれば、
これも法人と同じく源泉徴収義務者になる】
ということは把握しておきたいもの。
・基本的に給与を支払っている従業員に関しては
【年末調整の必要があることが原則】
で、もしその従業員が自社の給与を
メインではなくサブの給与としてもらっている
場合は、
【年末調整はしない(してはならない)】
ということも併せて心得ておきたいものである。
・何はともあれ、
年末調整や源泉徴収に関しては、
【従業員個々の置かれた状況により
手続きの内容が変わってくる】
ため、税務の取り扱いにおいては
個々の状況を判断し、
【的確な税務の手続きをすべき】
ということを心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。