2018年5月8日ただより怖いものはない。〜法人と役員との無償取引〜
「よく考えましたねー!」
今日のニュースで、福岡市で無料の配車や運行サービスを行う起業家が登場したとのことが報じられていました。
海外では有名なUber(ウーバー)のような仕組みのようですが、
完全に無料で実行するというのは、新たな試みですね。
こんにちは。
福岡市中央区天神の【あなたの財布の見張り役】、
税理士の村田佑樹です。
1.無料だから法には触れない様子
こういった事業者が現れると、決まって出てくるのがタクシーの組合からのクレーム。
相場に比べて極めて低い金額での運行サービスに対して、不満の声が上がるわけですね。
ただ、今回の場合は、
完全に無料。
無料ということはそもそも【事業性がない】という風にも捉えられるようで、
このようなケースでは法には触れないというようなことが論じられています。
2.税法においては?
ただこの無料の取引。
税法においては要注意です。
特に法人において役員に対して何かしら無料の取引をすると、そこには税金がかかってくるケースがあります。
3.個人に対する課税
例えば、法人の車をその法人の代表者である代表取締役に贈与(ただであげること)した場合、
実際に現金の動きはないものの、代表取締役が車をただでもらっているため
実際の状況としては【車をただでもらって儲かった】と考えるわけです。
そうなると、代表取締役に対し利益が与えられたと考えることになります。
つまり、「法人からの賞与が支払われた」とみなされ、給与課税されてしまうわけです。
4.法人に対する課税
逆に、法人が代表取締役から車をただでもらった場合においては、
法人が利益の供与受けたものとみなされ、法人に対して【受贈益】という名目の収益が計上されることになってしまいます。
法人なので、その受贈益に対しては法人税がかかってきます。
上記の給与課税の場合では、所得税と住民税がかかってくるわけですね。
このように、
たとえ無料の取引であっても、税法においては注意が必要です。
特に法人と役員との取引においてはしっかりと注意を払っておくようにしましょう。
とはいうものの、今回の無料の配車・運行サービスはすごいアイディアですね。
こういったアイディアを持ってイノベーションを起こすということは、今後の経済においてはすごく重要になってくるでしょう。
私の最近の悩みは、体調管理。
そして、なぜか夜中に目を覚まし眠れなくなってしまうということ。
なんとか、自動で睡眠に誘導してくれるような、
睡眠薬ではなく…体に害のないシステムをどなたか開発してくれないものでしょうか(願)