2023年11月20日【モノを買った場合と買わない場合】で手残りを試算してみた結果・・
今日は3件の面談とともに
9月決算法人の決算と申告を複数社対応。
かなり脳が疲れ果ててきました笑。
そんな中妙なテンションで、今日の本題です。
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■11月も後半に入り、
【個人事業主のお客様の節税対策
をしていく機会】
が増え始めています。
弊所においての節税対策は、基本的に
9月分または10月分までの会計を仕上げ、
【9月分や10月分の実際の損益をベースに、
12月までの損益の着地点】
を見出だします。
【その着地点を前提として、
手を打つべき税の対策を考える】
わけですね。
■その中で銀行融資を
考えられている場合は、
【なるべく所得を大きく残すこと】
を検討し、そうでないケースの場合は、
【極力税金が少なくなるような
手立てを考える】
というものです。
税金といってもいろいろな項目があり、
所得税や住民税、個人事業税や消費税に加え、
広い意味では国民健康保険料も
考える必要があるというところ。
そういった点をトータルで考えて、
【12月までにどのような対策をしていけば
良いかということを考える】
わけですね。
■実際に考える対策としてはいわゆる
【お金を使う節税】
になります。
結局のところ
【12月までに実際にお金を使って
経費にすることにより、利益を圧縮し、
税金を少なくしよう】
という対策なんですね。
しかしながら、
その中で注意点がありますので、
今日はそのことについてお話を
進めていきたいと思います。
今回のお話については
【少なからぬ人の『思考』に該当するもの】
と考えますので、ぜひ最後まで
お読みいただければと思います。
■今日の論点について、
お金を使う節税の代表格としては、
【30万円未満の備品の購入】
が挙げられます。
これは青色申告の特典である、
少額減価償却資産という考えで、
基本的に10万円以上の資産は全額経費に
はならず、いったん資産として計上され、
【少しずつ経費化していくという
減価償却の考え】
を取るんですね。
しかしながらこれが青色申告ともなれば、
この10万円が30万円に変わります。
つまり、
【30万円未満の備品の購入であれば全額
購入した年度の経費とすることができる】
わけですね。
<国税庁HP-No.5408 中小企業者等の
少額減価償却資産の取得価額の
損金算入の特例>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
■そこでちょっとしたシミュレーションを
してみたいと思います。
前提として500万円の利益が出ていて
税率は30%であるものとしましょう。
なおこのことについては、
個人事業主のみならず法人についても
同じことが言えますので、ぜひ参考に
していただければと思います。
上記の前提で、
【100万円を使い税金を減らすという対策】
を取ったとしましょう。
そうなると500万円の利益から100万円
使うわけですので
【利益は400万円】
ということに。
そしてこの400万円に税率は30%
となるわけですので、
【400万円×30%で120万円の税】
となるわけです。
そうなると、手元に残るお金は、
まず500万円から100万円を
使っているため400万円。
そしてそこから120万円の税金が
引かれますので、
【400万円−120万円で280万円】
となるわけですね。
■ではその一方で、
【何もしないという対策】
を取ったとしましょう。
対策を取ったというよりは
【対策自体を何もしない】
ということですね。
何もしない場合においては、
500万円の利益に対する30%で
150万円の税金となります。
そうなると、手残りは500万円−150万円で
350万円となるわけですね。
そうなると結局、何もしない方が
350万円となり、100万円を使って対策
した結果の280万円と比べ
【70万円の手残りが多くなる】
ということに。
そのように考えると、
何もしない方が税金対策としては
ベストということができるでしょう。
その前提がまず大事なんですね。
そのような中で当然税金を減らしたい
というもので、
【もし今後買う予定のもので
翌年以降買うつもり】
であれば、
【今年度中に買うという決定をする】
ようにしましょう。
■ここで言いたいのは、
税金を減らしたいがために、
【必要のない30万円未満の備品を買う
という選択は絶対にしてはならない】
ということなんですね。
結局のところ、こういった
お金を使う節税に関しては、
いわゆる課税の繰延であり、
【今年税金が減った分は、
来年その反動が返ってくる】
というもの。
ただ、どうせ来年買うものであれば、
【今年中に買ってしまって今年度の税を
減らしてしまった方が良い】
という考えなんですね。
もしかすると来年利益が下がって、
節税対策をする必要がなくなる
という可能性も考えると、
【どうしても必要なものの前倒し
購入であれば、今年度中に買う
というのがベストである】
と言えるでしょう。
■どうしても、税金に対しては負の感情が
芽生えてしまいがちなものなのですが、
こういった税金や手元により多くの現金を
残すための考えとして、
【大切なのは『感情』ではなく『勘定』】
であるはず。
3年半ほど前にも、
同じことを書いていました。
<2020年4月5日今大切なのは
【感情】よりも【勘定】!>
https://muratax.com/2020/04/05/2481/
どうしても感情にフォーカスして物事を
決定してしまいがちなものなのですが、
実際の勘定の面を見て、
【本当に対策が必要なのかどうか】
ということをしっかりと立ち止まって
見つめ直すことは相当重要である
と言えるでしょう。
ぜひ、ご自身で節税対策をされる際は
上述したようなことを念頭に置いて、
税対策の決定をすることを
強くお勧めいたします。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・節税対策においてのいわゆる
お金を使う節税については、
【結果としてお金を使った分の
手残りが少なくなってしまう】
ということを念頭に置いておくべきであろう。
・お金を使う節税については、通常の場合
【課税の繰延に過ぎない】
ということは把握しておきたいもの。
・従って、どうしても必要なものを
前倒しで買うということ以外については、
【基本的にお金を使う節税をしない】
ことを提案したいところ。
・どうしても税に対する負の感情が
芽生えてしまいがちなものであるが
真に大切なのは
【『感情』を排除した『勘定』である】
と言える。
適切に自らの感情をコントロールして、
フラットな精神をもって勘定を見つめ直し、
【最適な節税対策をすること】
をお勧めする。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。