2023年12月2日【原則・簡易・2割特例】インボイスによる消費税計算の怪奇さ
11月30日から今日にかけて、
公私ともに怒涛の3日間でしたが、
なんとか落ち着くことができたかなという感覚。
あっという間に12月に突入していますので、
年末調整などの業務も並行しながら、
効率的な仕事の進め方を検討したいものです。
さて、本題です。
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■先日のことですが
9月決算(11月申告)の手続きが期限内に
(当然ではありますが)全て完了しました。
今回に関しては9月決算に加え、
【11月決算法人の消費税の判定】
などもやるべきこととしてあったのですが、
そちらも無事に完了したというところ。
インボイス制度により消費税については
注目を浴びているところですが、
今日はそのことについてお話を
していきたいと思います。
■消費税については原則として
前々年の課税売上高(消費税の対象となる
売上高)が1千万円を超える場合、
【その年から消費税の課税事業者】
となります。
さらに、前々年の課税売上高が5千万円
以下の場合については、
簡易課税制度という、
【業種によって支払ったものとされる
消費税を固定させて計算する】
方法を採ることも可能となります。
それに加え話をややこしくしているのが
【免税事業者がインボイス制度により
課税事業者となった場合】
についてなんですね。
■こういったケースにおいては
上述した
『原則課税』と『簡易課税』に加え、
『2割特例』という制度が使える
ことになります。
2割特例とは、簡単に言えば、
【税抜課税売上高の2%分を
消費税として税務署に納付すれば良い】
という制度なんですね。
要は、インボイス制度により
急に課税事業者となって大変だろうから、
そのような簡単な計算方法で、なおかつ
【当初は負担の少ない金額で
申告と納税をしていいよ】
という制度なんですね。
■上述したように
この2割特例が使えるのが
【本来は免税事業者ではあるものの、
インボイス登録をしたことにより、
課税事業者となる場合】
に限定されるんですね。
従って、前々年の課税売上高
が1千万円を超える事業者については、
【原則課税による計算か簡易課税による
計算の2択しか選択できない】
ということ。
この点には十分注意しておきたいものです。
そして簡易課税制度を選択した場合は、
その年のみならず、
【その翌期も簡易課税制度で
計算することが強制される】
ことに。
つまり2年間は継続して簡易課税により
計算する必要があるわけです。
■とは言え、翌期の前々期
(ちょっとややこしいですが…)における
【課税売上高が5千万円を超える場合】
については、簡易課税を選択することは
できません。
そのような状況ですので、
原則課税が良いのか、簡易課税が
良さそうな場合であっても、
【翌年と翌々年まで考えるとどうなのか】
ということを考えて、当期末までに
【原則課税か簡易課税の選択】
をするようにしましょう。
■また、免税事業者がインボイス登録
により課税事業者となった際は、
納付額が2%となるわけですので、
【通常の簡易課税に比べて
大きく有利になる可能性】
があります。
ただし卸売業については
この簡易課税による率が1%になるため、
2割特例より簡易課税の方が
有利になります。
そういった点にも注意が必要です。
■免税事業者がインボイスにより
課税事業者となった際は、上述した
【原則課税と簡易課税、そして2割特例の
3種類からの選択】
となりますので、その点も念頭において
【最も効果的な消費税の申告と納税】
を心掛けるようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・消費税については原則として
【前々年の課税売上高が1千万円超える
事業者について課税事業者となる】
ということは大原則として念頭に
置いておきたいものである。
・前々年の課税売上高が
5千万円以下である場合については
簡易課税制度が選択できるが、
簡易課税制度は、
【選択をした期からその翌期までの
2年間は継続適用となる】
ということも押さえておきたいもの。
・そして
【免税事業者がインボイス登録により
課税事業者となった場合】
は、特例的に税抜課税売上高の2%を
納付すれば良いという
【2割特例を選択すること】
ができる。
・上述したことを念頭に置いて、
【自社が翌期においてどのような
計算方法により消費税を計算して
納付すべきであるか】
ということを十分に検討して、
有意義な消費税の選択を
心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。