2024年2月17日「法人と個人、どちらでお金を持つべき?」の解を考えてみる
土曜日もあっという間に過ぎ去りますね。
今日も終日確定申告に没頭していました。
今年はかなり確定申告の件数が増えているので、
かなり効率的に生産性を上げてやらないと、
相当危険な気がしています。
せめてもの救いは、
今年の2月は29日まであること笑。
いっそのこと31日まで作ってほしい
ところですが、、、
つべこべ言わず、本題に入ります。
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■税務相談の中で当然のことながら
節税についてのお話になるわけですが、
【節税の究極の目的】
とは何でしょうか。
これは以前から度々述べさせて
いただいているように、
【手元により多くの現金を残すこと】
ではないかと、私は思うところ。
しかしながら、節税をするということは、
【基本的に現金を使って税金を減らす】
ということになりますので、結果として
【税金は減ったものの、手元から多くの
お金が消えてしまっている】
ということが通常です。
■そういった点に注意しながら、
節税というよりもむしろ、
「どうやったら手元により多くの
現金が残るのか」
ということを考えることが
何より大切なことではないかと
思う次第。
そんな中、よくあるご質問として、
法人を経営されている社長から、
「法人に現金を残しておくのが良いのか、
それとも個人で現金を残しておいた方が
良いのか」
ということがあります。
■法人として現金をプールしておくことの
メリットは、当然のことながら、
法人においての
【経費や設備投資などの何かしらの
支出に使うことができる】
ということですよね。
また、現金が手厚い状況で
内部留保が充実しているようであれば、
【金融機関の評価も良いものになる】
ということも考えられるでしょう。
■その一方で、法人にお金を残して
おくことのデメリットとしては、
個人的に現金が必要になった際
【すぐさま法人から現金を
もらうことができない】
ということなんですね。
個人事業主の場合は、個人事業での売上は
全て自由に使うことができるのですが、
法人はと言えば、残念ながら
そのような状況ではなく、
【帳簿にその痕跡が残ってしまう】
ことになります。
その痕跡が表れる先は『役員貸付金』
なんですね。
■法人の現金は、基本的に
【『役員報酬』という形で給料として
もらうこと】
でしか、個人にお金を移すことができない
ということになります。
そのような状況の中で、
役員報酬以外の形で現金を使ってしまえば、
それは役員に対する貸付金となってしまい、
【会社が社長に対して現金を貸して
しまっている】
ということが貸借対照表に表現されて
しまうということなんですね。
そうなると、金融機関からの融資を
検討した際、
「この会社は社長が私的にお金を使って
しまう会社なのか。」
という判断がされ、結果として
【融資が厳しくなってしまう】
というところ。
■そのようなことから考えると、
個人にお金を残しておくメリットとしては、
【プライベートでそのお金を
自由に使うことができる】
ということですよね。
逆にデメリットとしては、
法人から個人への現金の移動は、
原則として役員報酬の支払いとして
進めていくことになるため、
そこに対する社会保険料や所得税、
住民税などがかかってきてしまい、
【個人の税負担が多くなってしまう】
ということがあるわけです。
■そのような状況で、
【法人においても個人においても
メリットやデメリットがある】
わけですが、基本的に我々微粒子企業
に関しては、
【個人の方で現金を持って
おいた方が良いのではないか】
と私は考えます。
と言うのも、法人に現金を残しておく
メリットとして、
【会社の経費や設備投資に使うことができる】
と申し上げたのですが、
ひと度個人に現金を持っていったとしても、
【個人から法人に現金を戻す
ということもできる】
わけなんですね。
社長個人が法人に現金を入れるわけですので、
【法人は社長から借入をした】
ということになり、勘定科目でこの動きは
『役員借入金』という形で表現されます。
■なんとなく
【会社が借入をしているということは
マイナスなように捉えられがち】
なものなのですが、
金融機関の評価においては、
この代表者からの借入金は、実質的に
社長のものであるわけですので、
会社としてはいよいよの際は
返さなくても問題ないものと捉えられ、
この役員借入金は『純資産』として、
金融機関は評価することが一般的です。
■そうなると、実質的な上述した
法人のデメリットは解消されると考えられ、
結果的に
【個人に現金を多く残した方が良い】
ということになるかな、というところ。
また個人において現金を持っていれば、
それを元手に資産運用などをして、
【新NISAなどを活用しながら現金を
増やしていくことができる】
というものでしょう。
■節税の相談とともに、上述してきたような
【法人と個人のどちらに現金を残すべきか】
という相談も多くある状況でしたので、
今日はそのことについてお話をさせて
いただきました。
【本来的な節税の意味合いと、
現金をより多く残すため】
にはどのような手段をとれば良いか
ということを熟考し、
適切な経営判断としての資金繰りを
考えたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・節税の本来的な目的は、
【手元により多くの現金を残すこと】
ではないだろうか。
・そのような中で、
【法人か個人かどちらに現金を残すべきか】
ということを考えた際、
【双方において一長一短がある】
というところ。
・しかしながら、
役員貸付金が出てくる可能性を考えると、
法人というよりはむしろ
【個人において現金を持っておいた方が良い】
のではないだろうか。
・金融機関の評価から考えても、
いったん個人で現金を持っておき、
経営的に資金繰りが厳しくなれば、
そのタイミングで
【個人から法人に現金を入れて
役員借入金の状態にしておく】
ということを考えると、
いろいろなリスクが解決でき、
これこそが、我々微粒子企業にとって
最も良い選択であるものと考えられる。
・上述したことを参考に、
【手元により多くの現金を残すには
どのような方策をとれば良いか】
ということ熟考し、有用な経営の選択を
心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。