2025年6月25日【車の節税】にあたり注意したい「2つの視点」
今日は面談の予定がありながら、
事務所の引っ越し関係の最終段階の
作業に入っています。
今日も何かと立て込んでいる状況ですが、
抜かりなく取り組んでいるところです。
朝イチでメルマガを配信するつもりが、
どうしてもいろいろやっていると
このような時間になってしまい、
習慣化の難しさを痛感しています(滝汗)。
さて、本日の本題です。
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■決算における節税対策の際に、
一般的によく言われるものの一つに、
「車を買う」ということがあります。
この「車を買う」という行為は、
確かに節税になるとも言えますが、
2つの観点から注意すべき点が
ありますので、
今日はそのことについて
お話ししていきたいと思います。
■まず、法人税について。
車については、
普通自動車は6年、軽自動車は4年
という耐用年数が定められています。
当然のことながら、30万円以上の
車の購入は、減価償却資産として、
この耐用年数に応じて
少しずつ経費化(減価償却)していく
ことになります。
■しかしながら、これが中古車の場合、
普通車は4年落ち以上、軽自動車は
2年落ち以上の車を購入すると、
耐用年数が「2年」になります。
この「2年」という耐用年数は、
購入した年にほぼ全額減価償却費を
計上してよいということに
なるんですね。
※正確には「備忘価額」として1円を残す
必要がありますが、
実質的には全額経費化が可能です。
■ただし、ここで一つ注意点が。
この減価償却費として計上できるのは、
あくまで「納車した月」から
になります。
たとえば6月決算法人の場合、
6月に納車された場合には、
購入金額の12分の1しか当期に
経費計上できません。
そしてその翌期に、残りの11ヶ月分を
減価償却費として計上できる
という流れになります。
■仮に、1,200万円の中古車
(4年落ち)を購入した場合、
当期に計上できる経費は100万円。
残りの1,100万円(備忘価額は考慮
していません)は、
翌期の経費となります。
■ここでもう一つ注意すべきは
「売却時」にどうなるか、ということ。
上記のように、帳簿上は1円で帳簿価額が
残っている状態です。
仮にこの1,200万円の車が価値を保ち、
1,200万円で売却できた場合、
この全額が「固定資産売却益」として
利益計上されることに。
■つまり、購入時に大きく経費化して
節税できた反面、
出口(売却時)で大きく税負担が
発生するということです。
ざっくりとした話ですが、
年間の利益が800万円を超える場合、
税率も高くなりますので、
節税したつもりが結果的に損をするという
ケースも出てきます。
この点には、十分注意するように
しましょう。
■次に、消費税について。
こちらは注意点というより、
節税の観点から言えば「有利な話」です。
上記の減価償却費の話とは異なり、
消費税については、
納車時のタイミングで、
その購入金額の10%を
「仕入税額控除」として、
消費税の経費とすることができます。
■もちろんこれは、
消費税の計算方法として「原則課税」に
より計算している場合に限定されますが、
期末(決算月)に納車されることで、
大きな消費税の削減につながる
可能性があるわけですね。
<参考記事・2024年8月18日原則課税で
注意すべき、【消費税を支払ったの際の
課税区分】について>
https://muratax.com/2024/08/18/8054/
■ただし当然ながら、
売却した際にはその売却額に応じた
消費税が発生します。
原則課税であれば売却額の10%、
簡易課税の場合であっても、
固定資産の売却として「売却額の4%」が
納税額となることが一般的です。
■このように、
車の購入で節税を検討する際は、
法人税・消費税の双方に関して
さまざまな検討材料が存在します。
こういったことをトータルで捉え、
自社にとって本当に車の購入が
有用かどうかを再考してみることが
大変重要です。
■ちなみに、ここで挙げたように、
車の購入による節税は
「課税の繰り延べ」に過ぎません。
本来必要でない車を節税目的で
購入するという考え方は、
完全に誤った思考だということは
心に留めておきたいところですね。
あくまでも、本当に必要なものである
という前提のもとで、
お金を使う節税策を行うべきです。
こういったトータルで考える視点を
持たないことには、結果として大きく
お金を減らしかねないので、
決して誤った思考を持たないように、
くれぐれも注意するように
しましょう。
(税金への負のイメージはハンパない
ですね笑。)
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《本日の微粒子企業の心構え》
・車の購入においては、
法人税と消費税の両面において
注意が必要である。
・法人税の観点では、
購入月から減価償却費の対象となる。
一方で消費税については、
納車月のタイミングでその仕入税額控除
として、消費税の経費を認識することが
できる。
・いずれにせよ、「本当に必要なもの」
だけを前提にお金を使う節税を検討
すべきであり、
「税金を減らしたいから買う」という
考え方は全くの誤った思考であるため、
そのようなことを念頭に置き、
的確な節税対策を検討するように
したいものである。
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今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。