2018年7月20日借入金の返済が資金繰りの混乱を招く
「これで損益トントンですね。」
税理士の仕事として、帳簿を作成し、各月の損益を把握し、
これを報告する、という一般的な流れがあります。
これについて、注意すべき点が・・・
こんにちは。
福岡市中央区天神の【あなたの財布の見張り役】、
税理士の村田佑樹です。
1.経費だけで必要な金額を判断しない
売上から経費を引いて利益が出てくる。
ただ、たとえ現金商売であっても、この利益と手元に残るお金は異なるもの。
今日はその簡単な仕組みを理解していただければと思います。
まず、経費。
経費は通常であれば使ったお金。
なのですが、例外的に【減価償却費】は、お金は出て行かない経費ですね。
減価償却費については、本筋とズレるため詳細は書きませんが、
30万円以上の何年かに渡って使う資産を、お金を払ったその時の経費にせずに、
その価値が及ぶ何年かで均等に経費にしていく、その経費のことを減価償却費というわけです。
よって、お金を使ったかどうかを問わず、減価償却費という経費が上がっているわけですね。
2.借入金の考え方
次に、経費ではないが、お金が増減するものがあります。
金融機関などからの借入金の調達や、その返済ですね。
借入金が入金された際、これは収益でしょうか?
答えはNO。
将来返す、という前提から、預かっているお金のようなイメージですね。
したがって、収益ではない。
すると、必然的にその返済金も経費ではない、という考えになります。
そのように考えると、借入金の増減は損益(売上や経費)に出てこない。
そうすると、この借入金の増減も、手元の現金のズレの原因の一つになりますね。
以上のことから考えると、
利益+減価償却費+借入金の入金-借入金の返済
が手元の現金になることがご理解いただけるかと思います。
このような単純なことではありますが、
減価償却費や借入金の入出金が多いほど、手元の現金と大きなズレを感じるわけです。
大枠の考えをキッチリつかんでおくこと。
極めて重要な算式ですので、これを機に覚えておきましょう(!)