2022年1月25日従業員は見ています・・「お金に対する経営者の背中」を
■私は開業して5年目になるのですが、
大変ありがたいことに
業容も次第に拡大しており、
スタッフにも恵まれて仕事をしている
という状況です。
そんな中経営をしていくにあたり、
いわゆる『衆人環視』により
【スタッフからどう見られているか】
ということを考えるように
なったように感じます。
自分一人であれば、
どのように振る舞おうとも、
もっと言えば、
公私混同しようとも関係ないわけですが、
その状況が一変して、
【スタッフを雇用させてもらう】
という立場になると、
スタッフの気持ちや考え方に加え、
【スタッフが経営者としての私を
どのように見るか】
ということを考えるというもの
なんですね。
■そんな中で経営をしていくわけですので、
当然、
【事務所としての
目標を立てるべきである】
と言えます。
しかしながら、その目標が
経営者の私利私欲を
前提にしたものであったり、
従業員のやる気を
そいでしまうものであれば、
【その目標自体が
無意味なものとなってしまう】
というものでしょう。
■稲盛和夫さんも
そのことについて、
「経営者の役割というのは
会社に命を吹き込むことである」
ということを言われています。
稲盛和夫の実学-経営と会計-
そして、
「経営者が会社について
誰よりも真剣に考え、
私心を挟むことなく、
自らの意思で決断し作っていくものが
目標というものです」
ということも。
つまり、
『経営の目標は作るべきものである』
とも言えますが、
そこに経営者の私心がない状況で、
経営者が情熱を持って
【会社のため、従業員のため、
お客様のため】
という経営目標を掲げないことには、
人はついてこない
というものなのでしょう。
■そんな中で、
税理士として注目すべきなのか、
【経営者が『脱税思考』や過度な『節税思考』
になっていないか】
ということなんですね。
そもそもなのですが、私が考えるに、
経営者の思考として
【脱税思考】【節税思考】【納税思考】
というものがあるように感じます。
■『脱税』はすなわち、
私的な支出を会社の経費としたり、
実際はありもしない架空経費の計上、
売上除外…
このようないわば会社のお金を
横領しているような状況。
これは経営者として完全にアウト
でしょうし、論外ですね。
そして次の段階の『節税』に入るのは、
資金繰りを考える上で当然なのですが、
巷で話題となった『ドローン節税』など、
本来の経営とはかけ離れてしまう
テクニカルな手法に入ってしまうと、
これはこれで従業員はどう思うでしょうか。
https://muratax.com/2022/01/17/4818/
結局のところ、
『節税思考』に入ってしまうと、
【本来会社で残るべきである利益と現金が
その節税の方に流れてしまう】
ということが往々にして考えられるため、
【本来従業員に還元されるべきお金が
残ってこない】
ということにもなりかねないわけです。
■そのように考えると、
真に従業員の心を掴むのは、上述した
【私心を挟むことなく経営目標を掲げ、
順当に経営をし、利益を上げ、
納税をしていく】
という『納税思考』なのかもしれません。
何より、『納税思考』に入ると、
本来の経営の目的のみで動いていく
ことになりますので、
【従業員も迷うことなく、
その経営者の背中を見て進んでいく】
というものではないでしょうか。
■本当に、
『脱税思考』に入ってしまっている
経営者のもとで仕事をしている従業員の
【そのような経営者を信用していない】
といった類のお話は少なくない状況です。
そしてこれは、『過度な』節税思考
においてもやはり言えること。
(節税は会社にお金を残す上で
必要なのですが、
上述したドローン節税のように
『過度な』節税を、ここでは節税思考
と言っています。)
経営者が従業員の立場に立って
考えたら分かりそうなものなのですが、
【ひとたび経営者として
誰からも注意されない地位に
登り詰めてしまうと、そうなってしまう】
という可能性も往々にして
考えられるわけですね。
■そのようなことから考えると、
【経営者も衆人環視の目に置かれている】
という状況が必要でしょうし、
見方を変えれば、
【従業員がその衆人環視の目に
なってくれている】
と考えると、
真っ当な経営の思考を持つことができる
というものなのかもしれません。
『納税思考』とは言え、
【利益が出るのは良いが納税は嫌】
という気持ちも経営者として
分かります。
(私もやはりそれは多少ありますので(汗)。)
その壁を突破するのが経営者としての
大きな一歩なのかもしれませんね。
…大きな自戒を込めて…
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《本日の微粒子企業の心構え》
・経営者としての経営目標は、
【私心を捨てて、情熱を持って
利益を出し納税をしていく】
といった思考で立てるべきもの
なのかもしれない。
・上記とは逆に
『脱税思考』や『極端な節税思考』
に入ってしまっている場合、
従業員はそれをどのように
思っているだろうか。
・そのような状況で
【従業員が経営者に不信感を抱いている】
状況は、
世間一般にも少なくないと言える。
・経営者として、
経営目標を設定する際は
【私心を捨て、公明正大な会計を心がけ、
利益を真っ当に上げて納税をしていく】
という『納税思考』が有用である
という面も念頭においておきたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。