2022年3月9日【法人成りの確定申告】で「損しない税のお話」
寝食を忘れ仕事をすれば、
いつの間にかこんな時間…
確定申告もヤマ場にして、
ご面談の調整が難航しているなど、
申告期限の厳しさを痛感しております‥
さて、本題です。
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■個人の確定申告に際して、
 『法人成り』についても
 以前より幾度となく
 記事を書かせていただいたのですが、
 https://muratax.com/2022/03/05/4970/
 今日はその法人成りに際して
 個人事業主の確定申告にあたり
 注意すべき点について
 見ていきたいと思います。
■『個人事業からの法人成り』
 というのは案外大変なもので、
 【個人事業の際に有していた
 資産や負債を法人に引き継いでいく】
 という手続きが必要となります。
 このあたりは会計処理のお話
 ではあるのですが、
 【税務上、損をしないような申告】
 をしたいものですよね。
 
■その中の一つとして、
 法人成りをした年度に
 個人事業主を廃業した年において
 忘れずに利用したいのが
 【個人事業税の見込控除】
 というもの。
 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/06.htm
 →こちらの37-7をご覧下さい。
 個人事業については特殊な業種を除き、
 原則として
 事業所得から290万円の『事業主控除』
 という経費を引いた金額に対して
 5%の個人事業税がかかってきます。
 ここで言う『事業所得』とは、
 【青色申告特別控除65万円を引く前】
 のことを指すわけですが、
 【個人事業税を計算する上で
 利益が出た場合には、
 翌年において個人事業税を納付する
 必要がある】
 というわけです。
 しかしながら、
 個人事業主を廃業した翌年は
 もう個人事業主は存在しないため、
 この個人事業税を経費にする
 タイミングがなくなってしまいますよね。
■そんな中で認められているのが、
 この
 【個人事業税の見込控除】
 というもの。
 どういった内容かと言えば、
 翌年にかかってくる個人事業税は、
 『今年の確定申告の結果』
 かかってくるものでありますので、
 【これは今年の確定申告の
 経費にしていいよ】
 と認めているものなんですね。
 具体的な計算方法は上記の
 国税庁のサイトをご覧いただくとして、
 これを経費にするのとしないのとでは、
 大きく税額が変わってくることも少なくない
 と言えます。
 
■具体的に、
 【経費を増やすことにより、
 『所得税』『住民税』『国民健康保険料』
 が変わってくる】
 ということに。
 とは言え『国民健康保険』については、
 法人成りをして代表者である自らに
 役員報酬を支払っていれば、
 原則としてその役員報酬に対して
 社会保険がかかってきますので、
 
 法人成り後は
 【国民健康保険には影響しない】
 ことになります。
 しかしながら、
 利益が大きければ大きいほど、
 この個人事業税の額も多くなりますので、
 この『個人事業税の見込控除』
 も大きくなり、
 【これを経費として計上することにより、
 所得税と住民税の大きな減少に繋がる
 ことが考えられる】
 というわけです。
■この、
 『事業税の見込控除』
 を使うにあたって、
 事業主控除は『290万円』なのですが、
 これは
 【月数按分】
 をしていきますので要注意です。
 【12ヶ月で290万円】
 ということなんですね。
■何はともあれ、
 個人事業主廃業をするタイミングでは、
 この
 【個人事業税の見込控除】
 に十分留意して
 その確定申告の際に経費とすること
 を忘れないようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『個人事業税』については、
 
 【確定申告をしたその年度に対して
 翌年度にかかってくるもの】
 である。
・『個人事業主を廃業した翌年度』は
 個人事業がもう存在しないため、
 【個人事業税を経費にする
 タイミングがなくなってしまう】
 というもの。
・そこで認められているのが、
 【個人事業税の見込控除】
 という制度。
 結局のところ、個人事業税は
 『その年度の所得』に対して
 かかってくるものであるため、
 【その年度の経費にしないことには
 辻褄が合わない】
 という考えから
 この制度が認められている。
・『個人事業税の見込控除』
 を利用することにより、
 『所得税』や『住民税』が
 大きく変わることも少なくないので、
 これを経費にするのを
 忘れないようにすること
 を心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。	





