2022年5月8日【価格設定】で見える2つの側面
■私の税理士以外の別会社(ビースピリッツ㈱)
でのコンサルティングでのお話なのですが、
いろいろな経営者様の
コンサルティングをさせていただく中で、
往々にして議題となるのが
【価格設定】
について。
以前の記事の中でもこれについては
再三述べさせていただいていること
ではあるのですが、
【価格設定が客観的に見て、
商品やサービスと釣り合っていない】
ということが少なくないんですね。
<2022.3.10その値下げ、
本当に必要ですか?>
https://muratax.com/2022/03/10/4985/
■『単価(価格)』については、
2つの面で見えてくることがあります。
一つ目は
【その価格で生活をしていくことが
できるのか】
という部分。
もしそのような不安定な価格設定で
集客をしたとしても、
売上は上がってくるものの、
低い価格ですので、多くの受注が
必要となり、
たとえ受注ができたとしても、
生活費に見合う収益が立たない
ということになりますので、
【その価格設定をした時点で、
残念ながら経営の終焉は見えてしまう】
というもの。
これについては
【早々に手を打たなければならないもの】
であると言えます。
■そしてもう一つは、
【その売上により経営は成り立つものの、
経営全体を俯瞰すると、
もう少し値を上げた方が良いのではないか】
という状況。
これに関して言えば、『値下げ』をして
より多くのお客様に商品やサービスを
提供することはできる一方、
【やはり大手には
値下げをしても敵わない】
ということから、
【一度値下げをすると、
経営の方向性自体がどんどん
値下げに進んでいってしまう】
ということが考えられます。
<2020.8.26「値下げ」は戦闘意欲の
放棄である、というお話>
https://note.com/muratax/n/n12e326182a69
■そして、
その値下げをした商品や
サービスを買うお客様については、
【安いものを買い求めて
いただいているお客様】
となりますので、往々にして
【クレームが増える】
ということも想定されます。
価格とお客様の層が
完全に比例するとは言わないにしても、
【安い商品をお買い求めいただく
お客様は、往々にしてクレームが多い】
という事実も無視はできないこと
なんですよね。
■逆に言えば、
価格をあえて上げることにより、
そういった層を排除
(と言うと悪い表現かもしれませんが…)
することができます。
逆に、そのような層の方が
いらっしゃらなくなったその先には、
また新たな一つ上の層に
アプローチすることができ、
安くない商品やサービスを
お買い求めいただくような方ですので、
【クレームなども少なくなる】
という傾向が見受けられます。
■そして何より、
値下げをしてそのようなクレームなどに
遭遇してしまう頻度が増えると、
【QOLが下がってしまう】
というものではないでしょうか。
私自身、
【起業当初は値下げをして
顧問契約をどんどんさせていただいた】
という経緯があり、
(売上ゼロからのスタートでしたので…)
やはりそのような状況においては、
クレームはそこまでないにしても、
コミュニケーション自体が難しかったり、
安い価格の顧問料であるにも関わらず、
なかなか支払ってもらえなかったり、
または、最終的には、
その顧問料や申告の報酬なども
支払ってもらえなかったり…
ということがあったんですね。
このような私の実際の経験からも
見受けられるように、
【『値下げ』に関しては
そのようなリスクも伴っている】
ということが言えるわけです。
■というわけで今日は、
『値下げ』をしての
売上を作ることに関する私の経験と、
少なからぬコンサルティングの
お客様の事例をもとに、
【値下げが経営に及ぼす影響】
について見てきました。
「値下げが必ずしも悪い」
とは言えないまでにしても、
【自らの商品やサービスが
適正価格になっているか】
ということや、
【本来的にお付き合いをしたい
お客様の層に適切にリーチできているか】
また、
【自らのQOLに見合っているかどうか】
ということを適切に考え、
最適な価格設定をしたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『価格設定』については、
【経営をダイレクトに左右する要素になる】
ということを心得ておくべし。
・『値下げ』をしての販売は、
【お客様の層が低くなってしまうこと、
そして、そのようなお客様の対応により、
自分自身のQOLが下がってしまう】
ということも重々注意しておくべし。
・場合によっては『値下げ』
が必要な状況もあるかもしれないが、
【基本的には値上げをして
適正な価格にもっていくこと】
が重要であるということを心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。