2022年8月20日「儲けを増やす!」ために【粗利益率】を意識してみる
■「3ヶ月前の売掛金が
回収不能になってしまいました…」
いろいろな経営者の方と
お話をしていると、
こういった『回収不能問題』のお話を
よく伺います。
どうしてもお得意先も人間ですので、
常に経営が順調に進んでいる
とは限らず、
場合によっては、
【本来もらえる売上代金を
被ってしまう】
ということもあるというのが事実。
ここで今日は、そういった
回収可能性のことを含めた
資金繰りのことについて、
お話をしていきたいと思います。
■まず、
商売を始めるにあたり
意識しておきたいのが、
【利益率】
について。
『利益』とは
【売上から経費を差し引いたもの】
ですが、
【この利益が多ければ多いほど
当然のことながら手元に残るお金は
大きくなる】
というもの。
■そして、
上述した経費をもう少し
細分化して見ることにしましょう。
ざっくり分けると、経費は
【原価】と【費用】
に大別されます。
『原価』とは
【仕入高】や【外注費】
のことですね。
そして、費用よりも
【まず原価を極小化すること】
を目標としたいところです。
そしてこのことは、
【その事業をスタートするにあたり
ある程度決まってしまう】
というものではないでしょうか。
経費の分類については、
こちらの記事もご参考ください。
<2022.4.16【外注費】のよくある誤り
について>
https://muratax.com/2022/04/16/5109/
■また、
この『原価』に関しては、
【売上の入金に先行して
出て行ってしまう】
ということが少なくありません。
仮に、
『1,000円の売上に対し、
仕入を900円して100円の利益を得る』
という商品販売があったとしましょう。
これがこのストーリー通り、
『900円で仕入れて1,000円で売れ、
結果100円が利益として残る』
という状況であれば良いのですが、
往々にして、
【まず仕入代金の900円を支払い、
その後得意先に1,000円を請求して
その入金は翌月末日…】
などということはないでしょうか。
商取引の慣行においては、
むしろこの方が一般的。
当然、仕入代金900円が先行し、
入金は翌月末ですので、長い場合は
【2ヶ月ほどこの仕入代金900円が
先行投資となる状態】
となってしまいます。
■そして万一、
【この売上高1,000円が回収不能】
となった場合を考えるとどうでしょう。
これに関しては、
【900円がまるまる損になってしまう】
ということですよね。
ここで冒頭の利益率のお話に
戻るのですが、
この売上高1,000円に対し
利益が100円残るという状況は、
粗利益率(売上総利益率とも言います)
が『10%』である状況。
では、売上高が1,000円で
仕入高が100円、そして利益が900円
である状況考えるとどうでしょう。
これは
【粗利益率が90%】
という状況ですよね。
こうなると、
先行して出ていくお金は
『100円』に留まりますし、
万一1,000円の回収不能が
起こったとしても、
【実質的な損失はこの100円のみ】
ということになります。
そのように考えると、
万一の得意先からの
回収不能リスクを考えた際、
【原価を極小化する】
ということは考えておいた方が
良さそうです。
■そして、
ここ最近の経済状況が
不安定な状況においては、
【得意先が倒産する】
だとか、
【売上金の回収ができなくなる】
だとかいうことは、従来に比べ
増えてくるように思われます。
そんな中、
【原価の比率や額を見直す】
ということは念頭においておいた方が
良いかな
というところ。
■どうしても、
業界によってこの原価の比率は
固まってしまうものであるため、
【そもそもそのビジネスを
スタートすべきかどうなのか】
という判断材料の一つとして、
この
【粗利益率の概念】
は持って、経営全体を見渡すように
してみてはいかがでしょうか。
また、新規のビジネスのみならず、
現状で進行している経営についても、
今一度こういった
【原価の見直しができないかどうか】
を考えても良いかもしれませんね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・ビジネスにおいて、
【得意先への売掛金の回収が不能となる】
ということが少なからず見受けられる。
ここ最近の経済状況においては
なおのことそのことが言えるのでは
ないだろうか。
・考えたいのが
【粗利益率の改善】。
【粗利益率が高ければ高いほど、
万一の場合のキャッシュアウトは
少なくなる】
と心得ておくべし。
・そもそものビジネスを
スタートするにあたり、
そして現状のビジネスを考えても、
この
【粗利益率の改善】
を念頭において、経営全体を
見渡してみてはいかがだろうか。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。