2022年9月16日免税事業者のインボイス制度への【3つの対応策】
今日も税理士試験所得税法の朝勉。
30分程度の時間ではあるものの、
集中力を持って取り組めました。
何より、実務を知ってからの学習は
とても楽しいです。
…そのうち学習も、進むにつれて
難解な迷宮に入っていく
ことは間違いないでしょうが…
さて、本題です。
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■先日の記事の中で、
インボイス制度については
いわゆる
【経過措置が設けられている】
ということをお話しさせていただきました。
<2022.9.13知っておきたいインボイスの
【オトクなお話】>
https://muratax.com/2022/09/13/5616/
今日も続けてインボイス制度のこと
についてお話を続けていきたい
と思います。
■まず、
インボイス制度で最も影響を受けるのは
【免税事業者】
であると言えます。
とは言え、課税事業者も
影響を受ける部分が
多少なりともあるのですが、
今回は課税事業者の論点については
割愛させていただきます。
免税事業者については、
【得意先がその免税事業者に対して
消費税を乗せた経費
(免税事業者にとっての売上)
を払った際に、その得意先が
その消費税分損をしてしまう】
ということが基本となる考えでしたね。
そんな中、
【免税事業者は
それに対応する必要がある】
わけです。
■一つ目の対応としては、
【そのまま免税事業者のままで行く】
という選択。
しかしながらそのような選択を
することにより、
得意先の消費税の経費
(あえて簡単な言い方をしています。)
が認められないことになるため、
【その経費と認められない分、
売上の値引きをしないといけない
ことになるかな】
というところ。
とは言え、
【消費税10%分まるまる
値引きをする必要まではない】
とも言え、
先日の記事で書かせていただいた
『経過措置』にならい、
当初3年間は得意先が
経費と認められなくなる20%部分…
つまり10%の20%なので
【売上に対する2%分を
値引きすればこと足りる】
という考えもできるわけです。
これが、一点目の方法。
■その次の策として、
【課税事業者となり
インボイスの登録事業者となる】
という選択。
そしてこの登録事業者となった際は
『消費税の課税事業者』となるため、
これと同時に
【消費税の計算方法】
を選択する必要があります。
消費税の計算方法は
【原則課税】と【簡易課税】
の二種類がありましたね。
<2021.4.10消費税の計算方法の決定は、
くれぐれも慎重に!>
https://note.com/muratax/n/ne52f446efcfc
『原則課税』については
【売上で預かった消費税から
経費などの支払いの際に際して支払った
消費税を差し引いた額を
税務署に納付する】
という仕組みでした。
一方『簡易課税』については、
【業種ごとにその売上の消費税に
その業種ごとに定められた
一定割合を乗じたものを
経費の支払いの際に支払った
消費税とみなす】
という考え方でした。
■このような状況から考えると、
免税事業者である自社が
【原則課税の方法が有利であるのか】
または
【簡易課税が有利であるのか】
ということを考えなければなりません。
そしてこれについては、
その『業種』によって、
またその方の営む『事業の特色』
によって異なりますので、
慎重な判断が必要です。
そして、
『簡易課税制度』を選択すると、
【その年度とその次の年度までは
簡易課税制度が強制】
されますので、そのことも
併せて注意が必要。
■というわけで、
『免税事業者』については
まとめると次の三つの方法がある
ということです。
①免税事業者のままでいて、
場合によって売上の値引きをすること。
②課税事業者となり、
インボイスの登録事業者となって、
消費税の計算方法を
原則課税にすること。
③課税事業者となり、
インボイスの登録事業者となって、
消費税の計算方法を
簡易課税にすること。
上述したように、
【その方が置かれている
状況によって有利不利は
千差万別である】
と言えます。
来たるべきインボイスに備えて、
【自社がどのような対策をすれば
最も消費税が有利になるか】
また、
【最も手元に多くのお金が
残るようになるか】
ということを考え、
最善の方法を選択したいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・インボイス制度について
『免税事業者』である場合は、
【三つの方法の選択】
が考えられる。
・一点目は、
【免税事業者のままでいることに加え、
売上の値引きをすること】。
二点目は、
【課税事業者となり、原則課税により
消費税の計算をすること】。
三点目については
【課税事業者となり、簡易課税により
消費税の計算をすること】。
・上述した三つの方法については、
【その免税事業者である本人が
置かれている状況によって
有利不利は様々である】
と言える。
したがって、
的確に今の状況把握と
将来の試算をし、
【手元に最も多くの現金が残るのは
どのような方法か】
ということを検討し、
その方策を決定するべきであるもの
と心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。