2022年10月6日【サラリーマンからの独立】にあたり注意したい税の話
■ここ最近の税務相談では、
『副業に関する相談が多くなっている』
ということを以前に
書かせていただきました。
またその他に多いのが、
【夫婦ともにサラリーマンを退職して
独立しよう】
ということ。
今日はその
『夫婦ともに独立する』
ということについての
税務上のお話を進めていきたい
と思います。
■このようなお話を聞いていると、
「勤務されている会社が
やはり不安定なんだろうな」
と思うところです。
どうしても経済状況が
不安定な中ですので、
「こういった状況になるのも
やむを得ない」
と思うわけですし、
むしろ夫婦共に稼ぐ力を付けて、
適切に収入の柱を築いていく方が
良いのかもしれませんね。
■そんな中、
まず退職時に注意すべきことがあります。
それは、
【翌年度の国民健康保険料】
なんですね。
サラリーマン時代は
社会保険料や所得税、住民税が
毎月の給料から
天引きされていたため、
「そこまでの痛税感はなかった」
というもの。
しかしながら、
退職した翌年6月頃には、
『国民健康保険料』に加え、
『住民税』の通知が来ることに。
この国民健康保険料と住民税は、
【前年のサラリーマンの給料によって
決定してくるもの】
ですので、通常の場合、
【多くの国民健康保険料と
住民税の負担が予想される】
わけです。
夫婦で退職された場合は、
なおのことですね。
■その一方で、
独立したばかりですので
通常の場合
【収入がそこまで立っていない】
というもの。
そんな中で、ダブルパンチのような形で
国民健康保険料と住民税が
上がってくるため、
相当痛いことになる…
というところなんですね。
■そこで、
国民健康保険料を
削減する方法として、
【マイクロ法人の設立】
が考えられます。
マイクロ法人とは、
【個人事業の一部を法人にもっていき、
その法人で得る売上から
自らに払う役員報酬と
その社会保険料を差し引いた結果、
法人の利益がトントンになる程度に
売上を立てる】
という考えなんですね。
当然少ない売上に対する
役員報酬ですので、
【その社会保険料も少なくて済む】
ということに。
■そして、
法人に社会保険料が
かかっていると、
個人の国民健康保険料は
かからないわけですので、
【それだけでも年間数十万単位の
国民健康保険料の削減に繋がる】
こともあるわけです。
『住民税』については
避けられないのですが、
【国民健康保険料の削減だけでも
大きな効果が見られる】
のが通常なんですね。
■このように、
夫婦で同時に退職をしたケースでは、
【翌年にかかってくる
国民健康保険料と住民税】
に要注意です。
住民税に関しては『ふるさと納税』
をして前払いする程度しか
対策のしようがないため、
(退職して個人事業をしている状況下
においては、小規模企業共済に加入する
ことも、節税の一手ではあります。)
【退職の目処が立った段階で、
毎月の給料から、
来年かかってくるであろう住民税分を
しっかりと貯金なりしておくこと】
をオススメいたします。
何はともあれ、『退職』に関しては
こういった事後的な税の発生に
十分注意したいところですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・夫婦同時に退職するケースでは、
【翌年の国民健康保険料と住民税】
にくれぐれも注意すべきであるもの
と心得ておくべし。
・国民健康保険料に関しては、
【マイクロ法人の設立】
が有効である。
・しかしながら、『住民税』は
避けられないものであるため、
退職が決まった時点で、適切に
かかってくるであろう住民税の額
を試算し、
その積立をしておきたいもの。
・退職を心に決めた際には、
【将来かかってくるであろう
社会保険料や税のこと】
を適切に考慮し、
その対策をしておきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。