2022年11月30日【法人節税】における次の段階を考える
今日は昨日も書かせていただいたように、
東京のスタッフが来てくれています。
業務を終え(終わってないですが(笑))、
今から少し早めの忘年会へ(^^)。
リモートは便利ですが、
やはり私はリアルで温度感を楽しむのが
好きみたいです。
さて、本題です。
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■経営が軌道に乗ってくると、
どうしても税負担が気になるところ。
一般的には、
個人事業が軌道に乗ってくれば、
まずは国民健康保険料の増大
に苦しむことになるため、
この段階でマイクロ法人の設立を
検討することが考えられます。
そしてその次の段階で、
さらに個人事業の利益が
大きくなってくると、
そこからは個人事業のすべてを
法人に持っていっての
いわゆる
【法人成り】
が検討されるでしょう。
■さらに、法人成りをして、
法人ならではの節税対策を駆使して
経営を進めていったとしても、
その税務対策は限界を迎え、
それ以上の節税対策をすることが
難しくなるというもの。
そんな中、その次の段階で
検討することの一つが、
【法人の事業内容を分割して、
別法人を設立する】
ということなんですね。
というのも、
法人税で言えば、
年間800万円までの所得に対しては、
15%という低い税率に
なっているのですが、
この年間800万円を超える所得
になってくると、
その800万円を超える部分に関しては、
23.2%の法人税が
かかってくることになるわけです。
■そうなると、
仮に1,600万円の所得が上がっているとして、
これを一つ法人で
税を負担するとなると、
ざっくりの計算ではあるのですが、
800万円の15%である120万円と、
そのまた超える部分の
800万円に対する23.2%である
185万6千円という法人税が
トータルでかかってくることに。
■しかしながら、
極端な話ではあるのですが、
これを法人を2つに分けて、
ちょうど半分半分の800万円ずつに
所得を分割することができると、
【いずれの法人も
120万円の税負担で済む】
ということになるわけです。
そうなると、
一つの法人で負担していた、
120万円+185万6千円の合計である
305万6千円、
そして法人を分割した場合の
税金の合計である、
120万円+ 120万円で240万円。
この差額を考えると、
65万6千円なんですね。
法人を2つに分けるだけで、
法人税においてこれだけの税負担が
変わってくるということは、
着目すべきことではないか
と思うわけです。
■その他にも法人に対しては、
法人に対する県民税や事業税、
そして法人市民税なども
かかってくるわけで、
こういった、
いわば法人の地方税に関しては、
法人税の計算の基礎となった所得や、
法人税の税額に対して、
その段階に応じて税率が
かかってくるわけですので、
法人の地方税についても、
大きな税負担軽減が見込まれる
ということに。
■よく「法人を分割して節税を」、
ということを見聞きされるかと
思うのですが、
実のところ、こういった効果が
見込まれるということですので、
【利益が上がっている法人に関しては、
効果が大きい】
ということが実感できるはずです。
どうしても、
「なんとなくのイメージで分社化…」
といったことを
考えがちなものですが、
こういった具体的なイメージを持って、
その法人の税務対策を考えると、
より現実的な対策が
進むのではないでしょうか。
■特に税務対策となると、
現金を使う節税が一般的ですので、
適切にこういった思考を身に付けて、
いわば、
【無駄のない節税】
をしていきたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人に関しては、800万円までの所得と、
それを超える所得については、
税負担が異なるものと心得ておくべし。
・法人税のほか、
法人に対する地方税に関しても、
同じような形で、所得の多寡により
税負担が変わってくるということも
押さえておきたいもの。
・どうしても節税となると、
いわゆる「現金を使う節税」が
一般的であるものの、
こういった現実面の節税についての
効果を熟知し、
それに応じて、適切な税務対策を
することを常に意識をして、
経営の舵取りをしていきたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。