2023年3月31日【利益と現金の増減が合わない】理由とは
あっという間に3月も終わりですね。
ちょうど週末という今日の日。
4月に入る前に、これまでの振り返りと、
4月からの新年度の希望ある未来の展望を
思索したいところです(^^)。
さて、本題です。
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■経営においての
資金繰りを考えるにあたり、
【会計上の利益と実際の収支
(現金の出入り)が一致しないもの】
ということは、以前の記事の中でも
度々取り上げさせていただいています。
今日もそのことに続けて
お話をしていきたいと思います。
■会計上の利益と実際の現金の出入りが
一致しない原因は様々あるのですが、
その中の一つが
【売掛金や買掛金】
であると言えます。
■売掛金については
売上は上がっているものの、
まだ代金の回収ができていないため
【現金は増えていないにもかかわらず
利益が上がっている項目】
ですね。
買掛金はその逆パターンとなります。
■また、
【金融機関からの借入】
についても同じような疑問を
もたれるケースがありますので、
そのことについても
触れさせていただきたいと思います。
一点質問なのですが、
【金融機関から融資があった際に
入金される金額を収入としている】
でしょうか。
■実際のところ、
収入とはしておらず、
【長期借入金等の負債の科目】
として経理をしていることかと思います。
そのことを前提に考えると、
当然その借入金の返済をした際は、
【その負債が減るという処理】
をするわけですので、
【決して経費とはならない項目】
であるわけですね。
もちろん利息の部分は
経費になるのですが、
元金部分の収入や支出に関しては
負債が増減することに留まりますので、
【決して収益や費用には影響しないもの】
という考えであるわけです。
借入金に関しては、
【返済時の支出を経費として処理】
をしているケースが多いですので、
この点には十分注意するようにしましょう。
■そして、
次に大きいのが
【自動車を分割払いで
購入した場合の割賦金】
について。
まず分割払いで購入した場合は、
【『車両運搬具』という資産が増えて、
それと同時に『未払金』という負債も増える】
ということに。
現金払いであれば、車両運搬具が増え、
それと同時に現金が減りますので、
ピンと来やすいですよね。
しかしながら
分割払いだと『未払金』という科目になるわけです。
そしてこの分割払いをした際は
【未払金を返済した】
ということになりますので、
決してこれも
【借入金の場合と同じく、
経費とはなり得ない】
ということに。
■しかしながら、
実際に車両の分割払いをしているのに、
これが
【全く経費になっていない
ということは相当な違和感がある】
のではないでしょうか。
このカラクリとしては、
【車両運搬具として計上されている
資産の項目】
にあります。
車両運搬具については、
資産の項目ではあるのですが、
その車の耐用年数に応じて、
【少しずつ経費化
(これを減価償却費と言います)】
していくということに。
したがって長期で見るとその車両の
【購入価格の全額が経費化される】
ということなんですね。
■したがって、
分割払いの支払いをした際は
経費ではないのですが、
車については『減価償却』という手続きを通じて、
【少しずつその車の購入価格を
経費化していく】
ということになりますので、
【決して損をしているわけではない】
ということになるわけです。
■ここでお話を
実際の収支と利益の増減
との違いに戻すのですが、
借入金の入金については
【現金は増えているものの利益は
上がっていない状態】、
そして車両の購入についても、
減価償却費として経費化をしていきますので、
減価償却費という費用については、
【実際の現金の支出がないものの経費化】
されている状況、そして分割払いの
支払いについては、実際に現金が
支出されているものの、
【経費の増加はない】
という状況なんですね。
文章にするとなかなか
わかりにくいところですが、
このように、
【会計上の利益の額と実際の収支が異なる】
という状況は把握しておくようにしましょう。
こういったいろいろな要素の
組み合わせの結果、
【会計上の利益と実際の収支が合わない】
ということなんですね。
■今日は、
税務相談の中でもよくある
上述してきた
【利益と実際の収支の違い】
についてお話をしてまいりました。
前提として、
【利益と実際の収支は異なる】
ということ。
このことはまず念頭に
置いておいた方が良いでしょう。
適切に上述してきたような
税務や会計の取り扱いを理解し、
その損益や収支の分析に
役立ててみてはいかがでしょうか。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・【会計上の利益と実際の収支の中身は
通常異なるもの】
と心得ておくべし。
・その主たる原因は、
【売掛金や買掛金の増減、そして
借入金の入金や返済、資産を購入した際の
割賦購入とその割賦金の支払いなど】
である。
・前提として、
【利益と実際の収支は合っていない】
ということを念頭に置き、
【真に大切なのは現金である】
ということもまた前提に据えて、
資金対策や節税対策、
そして経営分析に役立てることを
心掛けてみてはいかがだろうか。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。