2023年7月24日【融資を見据えた決算書の作成】で注意しておきたいこと
昨日、やっとのことで仕事部屋の模様替えが
完了しました!
かなりスッキリした状態で、
より生産性が上がりそうです。
やはり環境は大事ですね。
目に見えるものは、何にしろ認知を奪います。
極力シンプルに、かつ、生産性を高める環境を
整備したいものです。
さて、本題です。
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■先日の記事の中で、
決算書に関しては、
税務申告のためというよりもむしろ
【金融機関の信頼の
担保として作成すべきである】
ということを
お話しさせていただきました。
<2023.7.20【資金調達】にあたって
意識したいこと>
https://muratax.com/2023/07/20/6705/
今日もそのことに続けて
お話をしていきたいと思います。
■上記の記事の中で、金融機関は
【貸借対照表を7割、
損益計算書を3割ほど】
を意識して評価をしている
ということをお話しさせて
いただきました。
その中で、損益計算書の中の『営業利益』
という項目は、
【その会社の本業での儲け】
を表している部分であり、
【これがプラスになっている
ということはかなり重要なこと】
として考えられます。
その営業利益は、
【売上総利益(売上高から
仕入等の原価を引いた利益)から
販売費及び一般管理費を
差し引いた結果】
なんですね。
■そして販売費及び一般管理費の中に、
『減価償却費』という項目が
計上されています。
この減価償却費に関しては、
【法人の場合、任意に調整が可能】
ということは知っておきたいところです。
■そのように任意で調整が可能となる項目
ということもあり、
営業利益をプラスにするため
【減価償却費をそもそも計上しない】
という選択肢も考えられます。
しかしながら、
【事実としてそれは通常の場合
無意味である】
ということもまた知っておきたいもの。
■と言うのも、
金融機関が利益の評価をする際は、
【資金繰りがどの程度回っているか】
ということをもまた判断することから、
『当期純利益+減価償却費』
という結果で本来の利益を
見ているんですね。
減価償却費は支出を伴っていない
費用なわけで、
実際の資金繰りを考えると、
減価償却費は経費として
計上されているものの、
この分の資金は残っているという考えで、
【利益に加算して銀行の評価上の利益
は考えられている】
というところ。
■そのように考えると、
減価償却費を計上しても
計上していなかったとしても、
【評価の結果は変わらない】
と言えそうです。
ただ、営業利益は
【減価償却費を計上しない
ことによりプラスに見える】
ということもあるため、
この減価償却費を除外するということを
決算書の作成において実行されている
という状況なんですね。
■その反面、税務申告はどうでしょう。
税務申告の面で言えば、
減価償却費を計上したことにより
その期の決算が赤字になってしまった
となると、
【その赤字を10年間繰り越すことが可能】
となります。
10年間と言えば長い感じが
するのですが、
もしこの時のマイナスが
10年後に消えたとしたら、
【場合よっては大きな損害を被る】
ということも考えられるでしょう。
■そのような観点から、任意で計上ができる
減価償却費については、
その10年間の繰越を意識して、
【あえて計上しない】
という選択肢も
考えられるわけですね。
そのように税務と金融機関の
評価を考える上では、
【両者の考えは異なるもの】
ということを把握して
おくようにしましょう。
■また、営業利益をプラスにするため、
新商品の開発などに要した費用を
『開発費』という
【資産の科目に振り返ること】
もまた考えられます。
そうすることにより
営業利益をプラスの方向に
持っていけるのですが、
【金融機関はこの開発費という
科目にも注視している】
というのが現状です。
したがって、あまりにも多額の開発費が
計上されている状況においては、
【そういった点も金融機関の
目に留まってしまう】
ということもまた把握して
おくようにしましょう。
■何はともあれ、
【金融機関の融資は
経営の行く先を左右するもの】
ということは一定の事実でしょう。
適切に
【金融機関の評価のメリットと
税務調査を見据えた調査の目の両者】
を意識して、
的確な税務と会計の処理をして、
【経営にとって良い状況である決算書作成】
をしていきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・金融機関の評価においての利益は、
【当期純利益に減価償却費を
加算した結果の利益】
で評価されるものと心得ておくべし。
・また、営業利益をプラスにするため
よく使われる『開発費』などもまた、
【金融機関が注視している項目】
ということも把握しておきたいところ。
・その反面、減価償却費については
【税務上10年間の損失の
繰越が認められている】
という視点もまた考え、税務において、
そして金融機関の評価において
のことを考察し、本来的に
【経営にとっての良い方向での決算書作成】
を検討したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。