2023年8月18日知っておきたい【交際費と会議費の違い】について
今年に入って、リアルでの交流が増え始めて
いる印象です。
コロナ前に比べ、飲食店もかなり活気が
戻ってきており、
世間一般的にもリアルの交流が再開してきたな
という感じがありますね。
オンラインは便利さや時間削減のメリットが
あるわけですが、
リアルはリアルにしかない温度感、
余談から生まれる、貴重なお話なども
ありますので、
人との触れ合いの場には積極的に
お金を使っていきたいなと思うところです。
さて、今日はそのような交際費について
のお話です。
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■「この支出は交際費として
経費になりますか?」
上記のような質問を少なからず
お受けすることがあります。
結論として、
「現状の税制では交際費としても問題ない」
ということに。
■上述したように、現状の税制においては
【交際費が多くなったとしても
そこまで問題はない】
状況です。
『現状の税制』という表現を
使っているのは、交際費については、
【中小企業においては、年間800万円まで
の交際費については全額経費化できる】
ということになるんですね。
ここで言う中小企業とは、基本的に
【資本金の額が1億円以下の会社】
を指します。
交際費の範囲については、
こちらをご覧ください。
<国税庁HP-No.5265 交際費等の範囲と
損金不算入額の計算>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm
したがって、
通常の場合は中小企業であるため、
【年間800万円までの交際費については
経費となる(法人税法上の損金となる)】
という状況であるわけです。
■また、弊所のお客様においては、
【一人当たりの金額が5千円以内である
飲食代については『会議費』という科目】
で処理をしていただいています。
これについては、5千円以内であれば
少額ということを理由として会議費にしている
ように捉えられがちなのですが、
根本を説明するとしたらそうではなく、
【交際費としないために】
会議費という科目に振っている
という状況なんですね。
■というのも、
【交際費のうち、飲食費で、
なおかつ1人あたりの飲食代が
5千円以下であるもの】
については
【交際費から除外することができる】
という決まりごとがあり、
これを適用するために『会議費』と
いう科目に振っているという次第です。
しかしながら、この
【一人当たり5千円以内の飲食】
ということを証明するために、
領収書や別紙に、
・その飲食をした年月日
・その飲食に参加した取引先や
得意先などの氏名または名称
・その飲食に参加した人数
・その飲食の金額と飲食店の名称や所在地
などを記載しなければ
この一人当たり5千円の飲食費として
処理することはできず、
【結果として交際費になってしまう】
ということが考えられます。
■しかしながら、
現状の税制においての交際費の上限は
年間800万円であることから、
通常800万円まで到達する企業が少ないため、
こういった一人当たり5千円以下である
という飲食費の証明は省略しているという
状況なんですね。
逆に言えば、年間の交際費が
800万円を超える状況であれば、
【適切に一人当たり5千円以下である
飲食費の証明を取っておく必要がある】
というもの。
■この一人当たり5千円以下の飲食費が
認められた背景においては、
上述した上限年間800万円の
交際費というものが、
【従前は年間600万円であったり、
さらにその前は年間400万円であったりした】
ような経緯があったからなんですね。
記憶の中では、私がこの税理士業界に
入った頃に関しては、
【年間400万円の交際費となっていた】
ため、5千円以下の飲食費の証明は
複数社において作っていたという感覚です。
■したがって、もし現状の税制において、
年間800万円を超える交際費の
支出があるようであれば、
そのうち飲食費をピックアップして、
一人当たり5千円以内のもの
証明を作りながら、
【会議費として経費化していく】
ということも考える必要がある
ということに。
どうしても、5千円以内の飲食費を会議費に
するということが通例になってはいるのですが、
根本的な理解として、
【一人当たり5千円以内の飲食費
については交際費から除外される】
ということが理解されていないといったことが
一般的にありますので、
今回はそのことについて記事を
書かせていただきました。
■交際費については、税制改正を通じて
いろいろと改正が続いている状況です。
細かい話をすると、上述したものの他にも
交際費については留意すべき点があるのですが、
今回の記事では、上述した
【一人当たり5千円以内である
飲食費については、交際費から
除外することができる】
ということを伝えたいという趣旨から
お話をさせていただきました。
■取引規模が増えたことなどにより、
また、冒頭に書いたリアルでの交流も
増えてきていることから、
交際費が年間800万円を超えることも
あろうかと思いますし、
今後の税制改正でこの上限の金額が
変わってくるということも考えられます。
そのようなことから考えると、
【一人当たり5千円以内の飲食費】
という論点を念頭に置きながら、
交際費についての正しい理解をしておきたい
ものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・交際費については
【年間800万円までは経費化することができる】
ものと心得ておくおくべし。
・しかしながら、一人当たり5千円以下の飲食費
については、
【その証明のために、別紙や領収書への記載
を要件として、会議費などとして
経費化すること】
が認められるということも
知っておきたいもの。
・もし現状での税制で
800万円を超える交際費となる場合、
また今後においての税制改正で
交際費の上限が少なくなった
などという理由から、
その上限を超えるような
交際費の支出があった際、
上述してきたような
【一人当たり5千円以下の飲食費】
という論点を念頭に置いて、
交際費についての正しい理解をしながら、
その交際費についての対策をしていきたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。