2023年11月16日金融機関評価で検討したい【適切な利益の出し方】
昨夜は想いを同じくする仲間と語らい合いました。
共通する理念を持つ仲間とのそのような場は、
すごく心地良いですね。
いろいろな学びもあったので、
仕事に人生に取り入れていきたいと思います。
今日はご面談で古巣の黒崎へ!
今日は特急ソニックに揺られながらの配信です。
さて、本題です。
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■先日の記事の中で『役員貸付金』
についてのお話をさせて頂きました。
<2023年11月12日【役員貸付金】を
私がかなり厳しく見る理由>
https://muratax.com/2023/11/12/7123/
要約すれば、役員貸付金については
金融機関の評価の面においても
税務調査においても
【厳しく見られてしまう】
ということだったんですね。
今日もそのことについてお話を続けて
いきたいと思います。
■一人社長で経営をされている場合、
往々にして
【現金の管理がされていない】
ということが多く、
【プライベートな財布や普通預金から
会社の経費を支出】
していることがあろうかと思います。
そのような際の会計処理としては、
【経費が増えるとともに、
役員借入金が増える】
ということに。
役員借入金とはつまり、
【社長が立て替えているお金】
なんですね。
当然社長が立て替えているわけですので、
【その分は将来的には返してもらえる】
というものです。
■しかしながら、役員報酬を上回る額を
法人の口座から下ろしたとなると、
それはその先にその役員借入金が
返済されたという形になり、
さらにそれがもっと進むと、
【役員貸付金の状態になる】
ということに。
当然、経費で使った分を普通預金から
下ろしている状況であれば良いのですが、
【それを上回るお金を下ろしてしまった
ことにより役員貸付金が増えてしまう】
という状況なんですね。
■今日はそのことも踏まえつつ、
【法人について利益を出したい場合】
について考えてみたいと思います。
利益を出したいということは、
往々にして
【金融機関の評価の面で良くしたい】
ということからですよね。
そのような際に、経費が多すぎて
経費を削ることにより利益を出したい
としましょう。
そして、その経費の出ているところは
役員借入金という社長の財布である
という状況。
そのような状況下においては、
【経費を減らせば役員借入金も減る】
ということになるわけです。
■そして、法人口座からはその役員借入金
として立て替えた分を精算している
としましょう。
そうなると、『経費を減らした結果
役員借入金も減った』となることにより、
場合によっては役員借入金の残高が
消えてしまい、
【逆転して役員貸付金になる】
ことが想定されます。
そして利益は増えたものの、
役員貸付金が増えた状況においては、
【金融機関の評価ではかなりマズい状態】
でしたよね。
そのような際に検討すべきが、
【経費を減らして、なおかつ
役員借入金を減らさない】
という方法なんですね。
そのような際は、
【まず経営全体の見直し】
をすることにしましょう。
■特に最初に見直していただきたいのが、
【10万円以上かつ30万円未満のものを
全額経費としている項目】
なんですね。
よくある例としては
パソコンではないでしょうか。
法人で青色申告をしていれば、
少額減価償却資産として、
10万円以上30万円未満であるものは、
【買った時に全額経費にすることが可能】
となります。
可能となるということですので、
【経費にしなくても良い】
ということなんですね。
そもそも
【経費にできる消耗品は
10万円未満のものである】
ということが大原則で、10万円以上の
備品などについては
【資産として計上し耐用年数に応じて
少しずつ経費化していく】
という『減価償却』の考え方を
とることになります。
■そのように考えると、
利益を出したい状況であれば、
【経費にしているものを
資産として計上することを検討】
するようにしましょう。
そうすることにより経費が資産となり
利益が増える一方で、
社長が立て替えているという事実は
変わりませんので
【役員借入金はそのまま】
ということになります。
こういった点を検討してほしい
というところなんですね。
■また、経費としているもので、
その経費の効果が当期のみならず
【翌期以降の新事業の開発などに使われる】
としたらどうでしょう。
そういった項目については全部を当期の
経費にすべきではないとも考えられるため、
【開発費という繰延資産という
資産の項目に振ること】
を考えましょう。
開発費という繰延資産については、
【どのようなタイミングでも経費化】
ができますので、使い勝手の良い開発費は
使った方が良いということなんですね。
■しかしながらその一方で、
金融機関の評価の面でこの開発費が
多すぎる状況であれば、場合によっては、
それを恣意的に経費から抜いて
開発費に振り替えているとして、
審査の面で厳しくなるということも
また考えられます。
とは言え、利益が上がっていない状況や
役員貸付金になってしまっている状況を
考えると、
【まだ開発品に振ることにより利益が上がり、
なおかつ役員貸付金がない状態】
の方が当然好ましいところですよね。
■というわけで今日は、
先日の役員貸付金の論点から、
【利益を出しつつ、
役員貸付金にしない方法】
についての考察をしてきました。
決算書の作成に際しては、
税務の面のみならず、
こういった機関の評価の面も鑑みて、
【適切な視点により決算書作成をすること】
をお勧めいたします。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・金融機関の評価において、
利益が出ていないことや役員貸付金の
状態になっていることは
【極めて印象が良くないものになる】
ことを心得ておくべし。
・経費を削る方法としては、
ダイレクトに経費を削る方法も
考えられるが、その方法をとると
【役員貸付金の状態】
になってしまうことが想定される。
・従って、経費を減らしつつ
利益を上げるために、
【まず経費から資産の項目に
振れるものがないか】
ということ、
そして経費となっている項目のうち
新事業の開発などに使っているもの
と考えられるものを
【開発費という繰延資産に振ることを
検討してみる】
と良いだろう。
・金融機関の評価においては、
上述した
【利益が出ていることや役員貸付金の
状況になっていないことが大変重要】
であるため、
そういった点も念頭に置いて、
税務対策のみならず決算対策を
すべきものと心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。