2024年6月9日法人成りに際して注意すべき【資産の移管】について
福岡の今朝はかなりの大雨です。
雨ではあるものの、雨音はなんとなく
自然の心地良い音のようにも感じます。
雨というとマイナスのイメージに
捉えられることも多いのですが、
こんな風にプラスの感情に転換すること
により、
その日の気持ちや過ごし方も変わってくる
ように思いますね。
毎日を機嫌良く生きるためには、
こういった良い意味での『思い込み』は
大切なように感じるところ。
というわけで、今日も良い思い込みをして、
良い日曜日にしていきましょう。
さて、本題です。
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■個人事業を営んでいる場合で、
事業が順調に進むことにより
【法人に一本化するいわゆる法人成り】
を検討することがあろうかと思います。
今日はその『法人成り』のことについて
お話を進めていきたいと思います。
■法人成りについては、
【個人事業で行っていた事業を
基本的にそのまま法人で行う】
ようになるわけなのですが、
その際の移行については十分注意を
しておかなければなりません。
従来個人事業の事業用として使っていた
通帳に関しては、法人名義で新たに開設をし、
【個人事業で使っていた通帳の残額
そのままを法人に移す】
ことにより、現金預金に関しては
法人への移管を完了することができます。
■また、仮に機械などを個人事業で
使っていた場合、
その機械も当然法人において引き継ぐ
ことになりますので、
その機械も法人に移管することになります。
その際に注意したいのが、
【基本的に、資産については『時価』で移す】
ことが必要になるということ。
時価と簿価(帳簿価額)がそこまで離れて
いなければ簡便的に簿価により移動する
こともあるわけですが、
原則としては時価により移動することが
必要であるというとは意識して
おくようにしましょう。
■そして、何かしらの『権利』を持っていて、
その権利に対して売上が上がっている場合、
【その権利も当然、法人に移動する】
ことになりますので、その権利を移動する
際の額についても、
【適切な時価をもって法人に移動する】
ことが必要なんですね。
その権利などの目に見えないものの評価は
相当難しいものであり、場合によっては
【想定していたよりも大きな金額で動かす】
必要があるということにもなりかねません。
■そういった資産の移動については
【個人から法人へ資産を売る】
ということになりますので、場合によっては
【譲渡所得として個人に課税される】
ということを想定しておかなければ
ならないでしょう。
なんとなく、ただ単に『資産を移動して終わり』
として会計処理を完結してしまいがち
なものですが、
実のところ、そういった
【目に見えない部分で
課税関係が発生している】
ということも想定して
おかなければならないもの。
こういった本来的な税負担を
的確に意識して、
法人成りをする際は十分注意をして
資産の移動をしていきたいものです。
■そして法人に資産を移動する場合は、
上述したように
【個人のものを法人に移す】
ということになるわけですので、
これを第三者として考えると、
【個人という他人が法人という
また別の人に資産を渡している】
ということになりますので
これはすなわち
【個人の資産を法人が買い取った】
ということになるわけです。
そうなると法人は個人にお金を払う
必要があるわけですね。
■しかしながら、法人はスタートしたばかりで
原資がないということを考えると、
【個人から法人がお金を借りて、
その借りたお金を個人に支払った】
という考えになり、
【法人においては役員借入金
という債務が発生】
します。(ややこしいですね…)
そしてこの法人において事業が展開し、
【資金力が上がってきた時点で、
この役員借入金を返済する】
ということになるわけですね。
そのようにして法人成りの処理が
進んでいくというところ。
■このように法人成りにおいては、
【実際の資産の移動のほか、
会計処理や税務面で大きな注意が必要】
となりますので、
そういったことを念頭に置いて、
適切に法人成りの手続きを進めるように
しましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人成り際しては、
【個人事業で使用していた資産を
法人に移す必要がある】
ものと心得ておくべし。
・現金預金についてはそのままの額を
移動することで事足りるものであるが、
その他の固定資産などについては、
【その法人成りをした時点での
時価をもって法人へ移管】
しなければならないため
十分注意が必要である。
・中には、目に見えない権利も
法人に移すこともあるが、
その際には適正な権利の時価をもって
法人へ移管することが必要であり、
【その権利の評価についても十分注意をして
会計処理と税務の把握をしていきたい】
というところ。
・単に法人成りといっても単に資産を
移動して終わりというだけでは事足りず、
こういった
【税務や会計の知識が必要になる】
ため、法人成りの際はこういった知識を
念頭に置いて、
【適正な会計処理と税務判断を心掛けたい】
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。