2021年11月12日【非営利型法人】や【社団法人】などの設立にあたり注意しておきたいこと
■「倒産防止共済が使えないですもんね…」
顧問のお客様とのご面談の際のお話。
現状としては
『一般社団法人』を経営されており、
業績が好調な状況です。
そんな中で嬉しい悲鳴
とも言えるかもしれませんが、
大切になってくるのが
【節税対策】。
当然、金融機関の評価は良いものの、
利益が上がってくれば
『納税』が出てくるため、
【どうしてもその納税により
事業資金が少なくなってしまう】
というのもまた事実。
そんな中での一幕が冒頭の言葉でした。
■『倒産防止共済』については、
以前の記事でも度々述べさせて
いただいていることなのですが、
【個人事業主や法人の
突発的な利益に対する節税策】
として検討することが多い制度です。
https://note.com/muratax/n/n94e8f92f6806
https://muratax.com/2021/11/10/4571/
掛金が全額経費になり、
最大で240万円の前納ができるため、
大きな効果があるものなんですよね。
しかしながら、
【一般社団法人については
この『倒産防止共済』を
申し込むことができない】
という状況なんです。
また、一般社団法人の役員は
小規模企業共済にも加入することが
できません。
https://muratax.com/2020/07/16/2965/
これは結構痛いですね…
■その他にも、
一般社団法人についての
一般的なお話として、
【融資の審査が少し厳しくなってしまう】
ということも現実としてあります。
また、『補助金』や『助成金』
などについても、
一般の普通法人が受給できる
可能性のあるものが、
【一般社団法人であるばかりに
受給できない】
というものも少なからずあるんですね。
■『一般社団法人』については、
名称からしてどちらかと言えば
『営利』を追求するというよりは、
【社会性が強い】
というイメージで、
対外的にもそういった印象を与えやすい
ようにも思えるのですが、
現実問題として、
上述してきたような制約が
乗ってくるため、
【普通法人が対策できるような策を
検討することができない】
という状況になります。
『一般社団法人』については、
【これを隠れ蓑にして、
資金の流用などに使われる】
ということがしばしば起こっているため、
一般的なイメージとして、
良くない側面もあるんですね。
そのようなことから、
【金融機関についても
その融資の審査が厳しくなってしまう】
という現状があるようです。
■事業をスタートする際には、
社会性の強いビジネスであっても、
【あえて『一般社団法人』や
『非営利型の法人』という選択をしない】
ということも、
上述してきたようなことから考えると
有効であるかもしれません。
やはり、事業を拡大するにあたっては
『金融機関からの融資』は必要ですし、
『補助金』や『助成金』といった制度も
しっかりと活用していきたい
というもの。
いったん法人を立ち上げると、
その軌道修正はなかなか難しいもの
であるため、
事業の立ち上げ前にはしっかりと
こういった点を検討して、
その決定をしていきたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『一般社団法人』は、
【社会性が強いもの】
と考えられ、一般的に好印象な
イメージを持たれそうな一方、
【現実にはこれを隠れ蓑にした不正などが
行われているため、厳しい目で見られる】
という側面があるということを
心得ておくべし。
・そのような事情から、
【金融機関の融資や、助成金、
補助金、節税策】
などについて、
普通法人と比べ制約があるものが
少なからずある。
・法人を設立する際は、
上述したようなことを
しっかりと念頭において、
【それでも『一般社団法人』や
『非営利型の法人』を設立するのが
有効であるかどうか】
ということを的確に検討して、
最善の方法を模索したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。