2022年8月18日悪質な業者から「節税の本質」を考える
今日は仕事が立て込み、
久しぶりにかなりの残業。
とりあえず家に帰ったものの、
久しぶりに午前様(?)に
なりそうな予感。
たまにはこういったスリルも
良いものです(笑)。
ただ、リモートで家でも
このように仕事ができる環境は、
本当に良いなと痛感しています。
娘の寝顔を見ると、
なんだかホッとして、
また一段とヤル気が出てきます(^^)。
さて、本題です。
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■先日より、
『300万円以下の副業』に関する
税務のお話を続けてきました。
<2022.8.8【副業における確定申告】に
メスが入りました!>
https://muratax.com/2022/08/08/5498/
<2022.8.16 300万以下の副業に関する
税務のお話(続き)>
https://muratax.com/2022/08/16/5524/
概要としては、
従来副業をしていて
事業所得により申告をすること
について、
税務的にグレーな部分が多く、
その金額により
【事業所得】か【雑所得】か
を区分けすることが
難しい状況だったんですね。
■しかしながら、
最近出た通達により、
【収入金額が300万円以下である
副業については、
原則として雑所得にする】
ということが明確にされました。
(正確には「されつつある」という
ところですが…)
これは、
【副業を『事業所得』で、
なおかつ『青色申告』で
申告することにより、
副業の所得を圧縮することを
制限しようとするものである】
と言えます。
■それよりも、
もっと大切な論点としては、
従来より『事業所得』として
申告することにより赤字を作り、
その事業所得での赤字を
本来の収入源である給与所得と
相殺することにより、
【所得税と住民税を減税する】
という手法が横行していたことに
メスが入ったような形に
見受けられます。
■実際のところ、
サラリーマンをターゲットにして、
【副業をしているように見せかけて、
事業所得で赤字を作り
給与所得と相殺することにより、
所得税の還付を受けさせ、
住民税を減税させる】
といういわば
【悪質な業者が行脚していた】
ということがありました。
私自身も、とある交流会で
そのような業者の方と名刺交換をし、
私が税理士であるということを知って
相手が凍り付いていた…
ということがあったんですね。
その業者の方に関しても、
こういった手法については
【法的に問題がある】
ということは認識しているはず。
■税理士として…
というより、
私の個人的な観点から言えば、
このような
【恣意的に赤字を作り
給与所得を圧縮して節税をする】
という行為は、もはや節税ではなく
【脱税である】
と思っているというところ。
物の道理から考えれば、
そんなことが通用するはずは
ないですよね。
■しかしながら、
【本当に事業として副業を営んでおり、
結果として残念ながら赤字になった】
ということもありますので、
それはもちろん例外です。
私が申し上げたいのは、あくまでも
【恣意的に赤字を作り、
言って見れば虚偽の申告をし、
税を不当に安くする】
ということなんですね。
今日お話ししたいのは、
この『副業の論点』というわけではなく、
【税金のお話全体として、
上述したような業者が跋扈している】
という事実。
以前で言えば、
【ドローンを利用したリースや
航空機を利用したリース】、
またこれは絶えないことなのですが、
【退職金を目的とした
生命保険の強引な売り込み】
などが見受けられるというもの。
■節税に関しては、
【お金を使う節税】と
【お金を使わない節税】があり、
『お金を使う節税』に関しては、
原則として
【課税の繰延である】
と言えます。
『課税の繰延』とはつまり、
当期の税金が安くなったとしても、
それは後に『収益』として
跳ね返ってくることになり、
【その際に納税が増える】
ということなんですね。
これをトータルすると、
これがたとえ長期に渡るものであっても、
【結局は変わらない】
というのが大原則です。
■そして、
これを
【まるで払うだけで税金が少なくなる】
ということだけを謳い、
いわば売り込みをしてくる
業者がいるのもまた事実。
当然、
【この手口を紹介することにより
紹介料をもらう】
というスタイルなのでしょうが、
このおいしい話のみを
鵜呑みにするのではなく、
【将来どのような形で
この反動が返ってくるか】
ということもまた検討したいもの。
【世の中、そんなにうまい話はない】
というものです。
■どうしても、
銀行などに決算書を提出したり、
場合によっては、
○○データバンクなどの
企業を評価する会社に
決算書などのデータを提供する
ことにより、
そこから企業情報が洩れ、
いろいろな売り込みが
横行してきますので、
こういった『税金が安くなる話』
については、
【基本的に課税の繰延である】
ということを十分に念頭において、
その対応をして欲しいものです。
…大抵の場合、
相手から売られてくる商品は、
相手の利益を第一に考えたもの
であるため、
【まずお話を聞かないこと】
を大原則に動いていった方が
良いように私は思いますね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・従来より『節税』を謳った
悪質な手口を紹介する業者が
跋扈している状況が見てとれる。
・基本的に節税は
【お金を使う節税】と
【お金を使わない節税】
に大別される。
『お金を使わない節税』は
【全力で行うべき】
とも言えるが、
逆に『お金を使う節税』は、
【大抵の場合、課税の繰延である】
ということを心得ておくべし。
・相手の方から『節税を謳った商品』
などを売り込んでくるケースでは、
往々にしてそれは
【相手の利益を第一にしたものである】
ということを心に留めて
おきたいもの。
これもやはり『課税の繰延の商品』
である可能性が高いため、
【支払い時の節税と
それが戻ってきたタイミング
での課税】
を的確に考え、
その判断をしたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。