2023年2月10日法人税で困ったら【事業年度の変更】を検討すべし!
今日の福岡は一日中雨模様でしたね。
自転車で通勤していたものの、
念のためカッパを準備していたのが
功を奏しました。
備えあれば濡れいなし(雨だけに)。
…さて、気を取り直して、本題です。
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■先日の記事の中で、
【消費税の課税期間の短縮】
についてのことを
述べさせていただきました。
<2022.2.8知っておきたい
【消費税届出の応急処置】>
https://muratax.com/2023/02/08/6138/
先日の回においては、
【消費税届出書の失念に備えて】
のことや、消費税の還付を
早期に受ける目的での
【消費税の課税期間の短縮】
ということでお話をさせて
いただいたのですが、
今回は、消費税の課税期間の
お話ではなく、
【法人全体の事業年度の変更】
についてのお話を
していきたいと思います。
■消費税の課税期間については
以前の記事でも述べさせて
いただいたところではありますが、
法人の事業年度(決算期)とは異なり、
消費税独自の考えで、
その消費税の計算期間を、
【原則の1年間、または3ヶ月ごと、
さらには1ヶ月ごとの期間に変更して
計算をすることができる】
というのが特徴でした。
■一方
【事業年度】
はと言えば、これは
【法人税法という法律の規定上で、
法人税の計算をする上での計算期間】
なんですね。
原則としては1年間というのが
通常なのですが、
場合によっては、1年未満の期間を
事業年度とすることも可能となります。
(ただ、超レアケース。)
そして今日は、この
【事業年度は変更することができる】
ということについてのことを共有したく、
記事を書かせていただきます。
■通常の場合、
一度決めた事業年度を
変更することなく前に進んでいく
ものですが、
場合によっては、
【事業年度を変更することで、
その後の経営展開が有利になる】
ということがあります。
■事業年度を決定すると、
【事業年度が終わった日から
2ヶ月以内に法人税等の申告と納付をする】
ということになるんですね。
そうなると、
【その事業年度が終わった2ヶ月後に、
大きなキャッシュアウトがある
可能性がある】
ということに。
そういった際に、
当初想定していた資金繰りに対して、
そのキャッシュアウトが
経営においての負担
となるようであれば、
【事業年度を変更することにより、
納税のタイミングを変更する】
こともできるわけです。
■そして、
例えば、3月決算の場合で、
3月に業務上の繁忙期となり、
同時期に利益が多く上がる
ということを考えてみましょう。
そうなると、3月決算の状況で、
3月に多くの利益が上がったとしても、
【決算や節税での対策を
3月中にすることは極めて困難】
となるわけですので、
こういった場合には
【3月決算は適していない】
ということがわかるでしょう。
こういった際にも、
適切に決算期を変更することにより、
【利益のピークが来る時期】
などを考慮して、
【改めて事業年度を変更する
ということもまた手段の一つ】
であると言えます。
■そして、
法人についての役員報酬の変更は、
【原則として年に一度しかできない】
わけですが、これは
【その事業年度開始の日から
3ヶ月以内に変更の決定を
しなければならない】
ということからなんですね。
■しかしながら、
当初設定した役員報酬が、
その後の経営状況の変化により、
高すぎたり低すぎたりすることも
あるかもしれません。
役員報酬は上述したように、
年に一度のタイミングでしか
変更ができませんので、
こういった場合には、
事業年度を変更することにより、
【新規の事業年度開始の日から3ヶ月以内に
その役員報酬の変更することが可能】
となります。
こういった点においても、
事業年度の変更を有効活用する
ことができる
ということなんですね。
しかしながら、
その都度短期の期間に事業年度を
変更しているようであれば、
税務署から
『租税回避ではないか』
という疑いの目を向けられても
おかしくありませんので、
ほどほどにしておきたいところ。
■そのようなことから考えると、
【極力事業年度の変更はしない方が良い】
とも言えるわけですが、
どうしても上述したような
困った状況になれば、こういった
【事業年度の変更を検討する】
ことは念頭に置いておいた方が
良いでしょう。
先日の記事でも書かせていただいた
【消費税の課税期間の短縮や変更の規定】
とともに、
【法人税上の事業年度の変更】
ということも視野に入れておきながら、
万一の場合にはこういった手段もある
ということを念頭に置いて、
経営の次なる一手をさらに有効に
検討するようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人の事業年度については、
【意外と簡単に変更することが
できるものである】
ことを心得ておくべし。
・事業年度を変更するケースとしては、
【役員報酬の設定ミス、
利益が上がってくる時期をずらす、
納税の資金繰りを再検討する】
といった際に有効である。
・とは言え、
度重なる事業年度の変更は税務署より
【租税回避行為の疑いの目】
を向けられかねないため、
万一の際のみの変更に留めるように
したいものであるが、
上述したような困った際には積極的に
【事業年度の変更】
という手段があることも、
視野に置いておきたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。