2020年6月14日親族に給料を支払うことによる節税
こんにちは。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■今日は日曜日ではありますが、
在宅ワークをより強固なものにするために、
家族全員で事務所へ行き、
事務所の備品を片っ端から
自宅へ運び込みました。
なんとなく自分ひとりで全てやる
つもりだったので、
猫の手も借りたいほどの
今の状況においては、
家族の力が本当にありがたかったですね。
通常だと、どうにかして人にお金を払って
やってもらいたいほどのことだったので、
感謝感謝です。
■さて、個人事業主の場合、
身内の人に仕事を手伝ってもらうということが
少なからずあるのではないでしょうか。
ちなみに私は、
全く身内には入ってもらってはいません。
おそらく、適度な距離を保ちつつの関わり方が、
我々村田家としては向いているんですよね(笑)。
当然のことながら、
家族といえども仕事をしてもらっているため、
そこには報酬を受け取る権利があるわけであり、
税務署も家族であったとしても、
給料を支払い、
その家族が受け取ることが出来るような
仕組みを作ってくれています。
そこで今日は、
個人事業主の青色メリットの4番目である、
【親族に対し、一定の届出をすれば
給与払うことができる】
ということについて、
見ていくことにします。
■これは、節税の中では、
【お金を使わない節税】
に該当します。
「ん?お金使ってるやん…」
と思われるかもしれませんが、
親族を一つの身内の集団と考えた際、
その親族への給料の支払いは、
その身内の集団の中のお金の移動に過ぎない
と考えられるわけです。
一つの集団で見ると、
現金の増減は全くないわけですね。
だから、お金を使わない節税
と言えるんです(^^)
とは言え、給料を支払うわけですので、
個人事業主側としては給料の支払いが
経費になる一方、
給料をもらう側としては、
給料という収入を得ることになりますので、
その給料収入は当然のことながら、
税金の対象となってきます。
ただ、税金がかからない範囲内で
給料を上手に支払うことができたとすれば、
たとえ給料をもらったとしても、
そこに税金がかかることはないんですね(^^)
仮に、収入の全くない人であれば、
【給料をもらう額が年間103万円以内】
であれば、
税金はかかりません。
一つの目安として、
この103万円以内で給料払うということ
は覚えておきたいものです(^^)
ちなみにこれは、法人でも同じことです。
給料という面では変わりないですからね。
■参考までに、年間103万円の給料を
親族に支払うことができたとしたら、
その給料をもらう親族は当然のことながら
税金はないため、何ら痛手はありません。
その一方で、個人事業主側としては
【その給料が全額経費】
になります。
所得税の税率は最低でも5%、
住民税の税率は10%であるため、
『経費になる金額×15%』分だけ
個人事業主側の税金が少なくなるわけなんです。
103万円×15%=約15万円。
親族に対して給料を払うことは、
繰り返しになりますが、
親族間の現金の移動に過ぎませんので、
親族全体で見れば現金は動いていない状況。
であるにもかかわらず、
【外部に出る税金としては
年間15万円も少なくなる】。
かなり大きな節税と言えますよね。
これが
【お金を使わない節税】
のすごいところなんです(^^)
■ただ、注意点として、
前もって税務署に対して
『親族に給料を払いますよ』、
ということを宣言する届出をしておく
必要があります。
さらに、税務署に届けている金額以上の金額は
給料として支払うことができません。
もっと言えば、税金を計算する上で、
こういった親族間のお金の移動は
税務調査でもかなり厳しい目で見られます。
こういった場合、税務署側は、
仮にその親族の方が外部の人であった場合、
その外部の人に対して払う給料と
大きく差があるようなことはないだろうか?
といった視点を持って、厳しく見てきます。
しっかりと個人事業主の仕事を
その親族の人がこなしていて、
それに見合う金額で給料でないと
税務署も認めてあげませんよ
ということなんですね。
これが、青色申告である場合、
『親族に対して支払う給料を
経費にすることができる』
という特典になります。
■まとめると、この特典を受けるためには、
次のことが必要となります。
●青色申告であること
●親族に給料を支払うという届出書を
税務署に提出すること。
この届出書の提出は、原則として
その年の3月15日までにすることが必要です。
ただし、開業した年度である場合は、
開業日から2ヶ月以内に提出すればOK。
また、その年に新たに仕事をする親族が出た
場合も、その時から2ヶ月以内に提出すれば
OKとなります。
●外部の人に給料を支払う場合と同じ程度の
範囲内で給料を払うこと。
これを超えて支払った給料は、
場合によっては税務署に認められず、
経費にならない上、
もらう親族側は給料の収入として
税金の対象となってしまいます。
■もしあなたが、親族の方に
個人事業としての自分の仕事を手伝って
もらっていて、
給料を支払っていないとしたら、
上記のような方法は極めて有効である
と言えます。
しっかりと、前もって税務署への届出をし、
上手に給料支払い、
しっかりと節税していきましょう(^^)
ざっくりした内容であるため、
個々人によってその置かれている
状況は様々であり、
場合によっては、
上記のような単純な話でないケースもあります。
心配な場合はぜひ個別相談にて
お尋ねくださいませ(^^)
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《本日の微粒子企業の心構え》
・青色申告のメリットである
『親族への給料の支払い』
はお金が出ていかない節税』。
これは、積極的に活用すべし。
・もし給料を支払う親族が、
外部の他人とした場合、
給料が高すぎではないだろうか?
もし高すぎなら、税務調査官も同じ感覚を
持つはずであり、キケンだと言える。
・あくまでも『実際に仕事をしている事実』が
あってのお話。
仕事をしていないのに給料を支払ったようにする
ことは、脱税に繋がるため、要注意。
経営者として、ある程度高潔な姿勢も大切。
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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。