2021年12月20日「これって経費なの?」に対する税理士的な考えについて
■「仕事で使う衣装代なんですけど、
これは経費になりますか?」
税務相談を受けさせていただく中で、
その業種業態によっていろいろな
経費と思われる支出があるものです。
上述した例は、『芸能関係』
のお仕事をされている方なのですが、
こういった業種になると
たとえ『洋服代』であっても、
テレビなどの撮影に使うため、
【事業に必要なもの】
という認識になります。
■上述したように、
『経費』については
【それが事業に必要なものであるか】
ということにより判断されます。
当然、芸能関係や音楽関係など、
ステージやメディアなどに露出する
機会がある業種でしたら、
そういった『洋服の購入が必須になる』
ということも考えられる
というものですよね。
そのような状況を考えると、
【当然それも事業に必要なものである】
という考えになるわけです。
■しかしながら注意が必要なのが、
【これを完全に事業用の経費として良いか】
ということ。
洋服に関しては、プライベートで着る
可能性もあるのだとしたら、
そのプライベート分だけ除外して
経費にすべきでしょう。
とは言え、サーカスの衣装など、
【どう考えてもプライベートでは
着ることができない】
というものについては、
全額経費として差し支えないかと思います。
要は、
【プライベート要素があれば
そのプライベート分だけを除いて
経費にする】
ということが大切なんですね。
したがってそのような
『仕事で使うもの』に関しては、
見えるところに
会社名などを入れることにより、
「その服を着るという行為に
プライベート要素は含まないよ」
ということが言えることも。
大切なのは、
【事業に必要なことを明示する】
ということなんですね。
■よく、
一般的なネットや
友人のお話などにより、
「これは認められたけど
これは認められなかった」
などということを
見聞きすることがあります。
そもそも、
【税務署に提出しただけで、
経費として認められた】
ということが世間に出回っている
ことがありますが、
これは全くもってのNGな考えで、
【税務調査に入られてどうだったか】
ということこそが大切なんですね。
■それはそれとして、
『経費となるか否か』
については、上述した
【事業に必要であるか、
関係しているかどうか】
ということこそが重要であり、
税務調査が入られた際に
【事業に必要である】
ことを明示する必要が出てきます。
逆に言えば、税務署側も、
【これは絶対に経費ではない】
と言える明確な根拠を提示しない限りは、
その経費になる可能性を否定することが
できないんですね。
■また、
現金売上を除外すれば、
基本的に『重加算税の対象』
となるのですが、
この重加算税は、
【仮装や隠蔽をした】
といったことに基づいて
加算されるものであり、
いわゆる『罰金』的な
意味合いのものになります。
しかしながら、
【単なる事務処理のミスで起こったもので、
これは仮装隠蔽ではない】
と説明することができた場合は、
重加算税の対象から逃れることもできる
というもの。
■しかしながら税務署側は、
【何としても重加算税の対象にしたい】
というところでしょうから、
まずは
「これは重加算税の対象です」
ということを主張してくるものです。
そこに対しては、
「こうこう、こういった理由で
仮装隠蔽ではありません。
したがってこれは重加算税の対象
とすべきではないのではないでしょうか。」
というように反論すべきである
と言えるでしょう。
■その他にも、
税務署との交渉の際は、
『過去の判例』を用いて、
「今回のケースはその判例と
同じものではないでしょうか。
そうなると今回も経費として
認めてもらえるのではないでしょうか。」
といった反論をすることも可能となる
というわけです。
■税務の世界では、
上述してきたように、
【絶対にこうなる】
というものは案外少ないもの。
しっかりとした論拠を持って、
適切な理論武装をし、
税務調査の対策をしていくように
しましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・税務調査において、【絶対にこうなる】
というものは案外少ないものである
と言える。
・『経費になるか否か』の論点は、
その事業者の営んでいる
【事業の種類】によって、
またはその【特性】によって
変わってくるものである。
そのような場合、適切な論拠を持って、
同じく適切に税務署に対して反論すべき
である。
・税務調査の際は、
何事においても【合理的】な理由を手にし、
その【理論的な根拠】をもって、
調査官に適切に反論していくべきであるもの
と心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。