2022年5月23日【お金を使う節税】で注意すべきこと
■法人においては、
そのスタートとともに『役員報酬』と
場合によっては『役員賞与の額』
を決めていくのですが、
【どうしても計画通りに進まない】
というものが経営ですよね。
<2020.9.23役員賞与の上手な使い方>
https://note.com/muratax/n/ne4c57998b641
当然『役員報酬』や『役員賞与』は
当期の利益の着地点を予測して
設定しているわけですが、
場合によっては
【想定していた利益より少なかったり、
逆に上がっていたりする】
というもの。
もちろん利益が上がったら上がったで
嬉しいものではあるのですが、
心配なのは『納税』ですよね。
■『納税』に関して言えば、
法人税の税率はざっくり
『30%ほど』と考えると、
【利益に対して30%を差し引いた
70%は手元に現金が残る】
ということに。
もちろん、社宅や出張旅費を用いた
『お金を使わない節税』
を対策として入れると、
それは利益を減らす
十分な対策となり得るわけですが、
<2021.6.5役員報酬の決定で必ず
考えたい2つのこと>
https://note.com/muratax/n/ndda042d70b12
考えたいのが、
【現金を使う節税】
について。
■『現金を使う節税』とは、
一般的なものとしては
【30万円未満のものを購入する】
ということ。
(商品の仕入やサービスの提供は
含まれないので要注意です)
または大きなものとしては
【倒産防止共済に加入すること】、
そして、
【生命保険に加入すること】
なども手立てとしては考えられます。
■しかしながら、
念頭においておきたいのが、
【利益が出たとしても
7割は手元に現金が残る】
ということ。
結局のところ『お金を使う節税』
で節税をすると、
当然その使った現金に対する
『30%』の税金は安くなるわけですが、
事実として、
【そのお金を使う節税のために
使ったお金が手元からなくなっている】
ということには
十分に注意しなければなりません。
■もし、
当期と翌期が
同じ位の利益が上がっており、
納税も予測されるようであれば、
【無理して当期中にお金を使う必要はない】
と言えるかもしれません。
当期翌期トータルで考えると、
結局は同じですので。
しかしながら、
【当期だけが好調で、翌期は
業種柄などにより利益が低迷する】
という状況下においては、
【翌期購入する予定のものを
前倒しで当期に買ってしまう】
ということは有用である
と言えるでしょう。
翌期に30万円未満のものを
買ったとしても
利益が出ていない状況であれば、
当然その節税効果も少なくなる
わけですので、
そのような状況においては
当期中にものを買う方が、
【手元にお金を多く残す】
という面においては有用である
ということですよね。
■そのように、
決算の際には、
【当期と翌期、そして
手元に残るお金を的確に想定して、
その手立てを考える必要がある】
というものです。
『手元のお金』について言えば、
当期の決算においての納税が
そこから出ていくわけですし、
場合によっては『融資の返済』や
『分割払いの支払い』
などもあるかもしれません。
どうしても『会計上の利益』と
『手元の現金』は変わってくるため、
【こういった現金の動きを注視しながら、
その節税策を考えていくこと】
が重要であると言えます。
■というわけで、
『節税』の際には、
当期・翌期を含めた長期の視点をもって、
その策を考えるとともに、
まず大前提として、
【お金を使う節税については
手元から現金が消える】
という事実も重々把握した上で、
その手立てを考えるようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・『節税』には、
【お金を使わない節税】と
【お金を使う節税】
がある。
・お金を使わない節税の代表格が
【社宅や出張旅費の活用】。
お金を使う節税では、当然
【経費を使うことにより税金が減る】
というもの。
・『お金を使う節税』については、
当期の税金のほか、
翌期の利益の見込み額
なども的確に考慮し、
【本当にその策を打つべきかどうか】
ということを入念に検討し、
その節税の一手を打ちたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。