2023年5月29日税理士(私)が考える「三方良し以外の経営が失敗する理由」とは
福岡は今週いっぱいは雨模様のようです。
これを機に様々な余分なものを洗い流して、
また心機一転で6月を迎えていきましょう!
6月と言えば梅雨ですね。
もうそんな時期か・・と思いますが、
年一度しかないこの四季の良さを
感じながら過ごしたいものです。
さて、本題です。
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■最近になって、
税務相談のご予約を多くいただくように
なりました。
その中でも多いのが、
【税理士を変更したいという旨のご相談】
なんですね。
最も多い税理士を変更する原因としては、
【相談しにくい】
だとか、
【上からものを言われる】
だとか、顧問契約をしているにもかかわらず、
【税理士と正面から向き合って
対話ができない、相談ができない】
といったことが。
■それに続き、
【税務申告をまともにしてもらえなかった】
ということも。
税理士の判断で経費にされていたり、
経費から抜いているものがあったり、
社長がイメージしている数字と、
税理士が経理をした数字が
大きく違っているなど、
そのような事情から
【税理士に対する
不信感が生まれている】
ということも少なからず
見聞きするという状況です。
■これに関しては、
正直なところ、
【社長と税理士との対話不足】
ということもあるのではないか
と私は考えています。
経理の代行はその言葉自体は
簡単なのですが、
社長のイメージしている
経費のゾーンと、
税理士がイメージしている
経費のゾーンはまた違ったものがあり、
どうしても解釈の違いにより、
そのような
【齟齬が生まれてしまう】
というものでしょう。
したがって、こういった論点に関しては、
その社長の主張だけを鵜呑みにせず、
【税理士としての考えを持って
お話をさせていただく】
ようにしている次第です。
■ただ、実際に税務相談を
受けさせていただくにあたり、
貸借対照表や損益計算書を
目にすることがあるのですが、
特に貸借対照表を見ると、
【どう考えても不要な
生命保険契約に入っている】
ということが少なからずあるんですね。
事情を聞いてみると、
【税理士に節税のために良い生命保険が
あるとのことで契約に進んだ】
ということが大半。
■当然、
【税理士から言われるものなので、
間違いないということで契約に進む】
というものでしょう。
しかしながら蓋を開いてみると、
節税とは名ばかりで、
実際のところは
【資金面で大きく損をしてしまう】
ような契約が少なくない状況です。
税理士もそれを知っているのか
知らないでいるのか、いずれにせよ
【経営にとって良くない提案を
しているのではないか】
というところなんですね。
■そのカラクリとしては、
税理士は生命保険の
代理店契約をしていて、
その生命保険の契約を
取り付けることができると、
【生命保険の商品によって
代理店報酬をもらえる】
ということがあります。
そのような形で、
『契約を決めれば報酬をもらえる』
わけですので、
税理士も人間であることを考えると、
【どうしてもその目先の利益に
目がくらみ、本来的に必要のない
生命保険を勧めている】
ということも現実問題としてある
のではないか、
と私は考えています。
■実際のところ、
大きく利益がマイナスで
あるにも関わらず、
あり得ない額の生命保険料が出ている
という状況が見て取れるんですね。
もし経営や節税の面で不要な
生命保険をそのように
販売されているとしたら、これは
【税理士のみが儲かっており、
それを提案されて生命保険に加入した
会社としては大きなマイナスとなる】
ということは明白でしょう。
■商売は
【三方良しが理想】
と言われますが、
私の観点からすれば、
【三方良しは絶対に達成すべき要件】
であり、
【三方良しなくして経営をすることは、
遅かれ早かれ信頼関係を失ってしまい、
経営が立ち行かなくなる】
ものと考えます。
現に、そのような商品の販売により、
税理士に対して不信感を抱いて、
契約変更を申し出ることになっている
わけですので、
これは顕在化された明らかな問題点
であるはず。
■かく言う私自身も、
上述したように税理士である前に
一人の人間ですので、
【どうしても目先の利益に
目がくらんでしまう】
ということもあろうかと思います。
(というより、そうなってしまいます(滝汗)。)
そのように考えると、
代理店で収入を得るという売上のルートは、
考えたくないというのが
正直なところなんですね。
逆に、こういった
自分だけの利益は完全に度外視した上て、
そこから契約してくださっている
お客様に対して
【大きな価値を提供し、
その対価として適正な報酬をいただく】
ということこそが、
本来の経営の姿であり、
そういった姿勢により、
信頼関係が構築され、
そこからまた紹介が繋がる
というものでしょう。
■どうしても、経営者の身となると
目先の利益に囚われて動いてしまいがち
なものではあるのですが、
こういった行動は、
【将来的に相手の信頼を失う結果】
となってしまい、
それがそのまま経営の姿に反映され、
経営が終焉に向かっていく
と考えた方が良いのではないかと。
「経営者として聖人君子であれ!」
ということまでは申し上げないのですが、
【原則として、経営は『三方良し』である】
という大前提に立った上で
経営の展開を考えた方が良いのではないか
と私は考えている次第です。
■経営者として
利益を追求するのは当然なのですが、
その利益は、人を不幸に陥れてしまうような
【自分だけの利益】
にはなっていないでしょうか。
経営の前にそういった
【『人としてのベース』をまず大切にし、
その次に初めて経営においての利益の追求】
を考えることが大切ではないか
と私は思うところです。
■というわけで、
今一度利益の概念を再考し、
経営者として、そして一人の人間として、
真っ当な思考回路を持ち、
【三方良しの経営】
を心掛けてみてはいかがでしょうか。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・今得ようとしているその利益は、
結果として
【周りの人を幸せとは逆の方向へ
追いやるようなもの】
にはなっていないだろうか。
・どうしても、経営者として動き出すと
【自分の利益のみを重視して
活動してしまいがち】
なものであるが、
そういった行動が結果として
人としての信頼を失い、
【経営においての大きな損害を被る】
ということは理解して
おいた方が良いだろう。
・真に大切なのは、
『三方良しの経営』を心がけることであり、
自分の利益が、
【その仕事に関わる人の
利益や幸せに貢献しているか】
ということを大前提として考え、
真の経営の利益創造を目指したい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。