2023年7月3日経費の3番手、『損失』について
なんと!今日は4ヶ月前に紛失していた
バッグが戻って来ました!
2月3日の節分の日に落として以来、
なぜか交番に届け出られたとのこと…
<参考記事2023.2.4俗に言う「消費税の還付」
について>
https://muratax.com/2023/02/04/6126/
さて、本題です。
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■先日の記事の中で、
いわゆる『経費』というものには
【原価・費用・損失の3種類ある】
ということをお話しさせて
いただきました。
<2023.6.29なぜ【仕入の前倒しは
経費にならない】のか?>
https://muratax.com/2023/06/29/6632/
<2023.7.1俗にいう【費用】の
本来の意味とは>
https://muratax.com/2023/07/01/6643/
原価と費用については先日の記事で
紹介させていただきましたので、
今日は『損失』についてのお話を
していきたいと思います。
■少し復習すると、
【原価とは売上との
個別対応が要求されるもの】
でした。
代表的なものとしては
『仕入』なのですが、
商品を仕入れて販売する場合、
たとえ仕入れていたとしても、
売れていないものに関しては
【在庫として商品という資産に振り替え、
仕入高から抜く処理をする】
ということでしたね。
■在庫として仕入高からマイナス
することにより、
売上と仕入がその売れた個数分
【直接・個別的に対応すること】
になりますので、
【利益の辻褄が合う】
ということに。
■そして2番目の『費用』については、
【その期間に対応していること】
が要件とされている、ということでした。
■従って、たとえ翌期の分が含まれる
期間の支払いをしたとしても、
【当期の経費にはなり得ない】
ということなんですね。
例えば、翌期に出発する
飛行機のチケットを
当期取ったとしても、
【実際に飛行機に乗る
というサービスの提供を受ける】
のは翌期であるため、
当期の経費ではなく、
【前払費用という資産の科目】
になるということに。
その前払費用が
飛行機に乗った段階で初めて、
【旅費交通費という費用(経費)】
に振り替えられるわけですね。
■そして今日は、
3つ目の要素である『損失』について
見ていくのですが、損失の要素は、
【発生の事実があった際に
経費として認識する】
ということになります。
逆を言えば
【発生の事実がない状況】
においては
【損失として経費にすることができない】
わけですね。
車両や機械を除却した場合の『除却損』や、
売却した場合の『売却損』などは
よく出る例です。
■売却については、
その売却により現金の受け渡し
が行われますので、
その際にもし損になっていれば
【その売却した際に損失が発生した
という事実を認識】
するわけです。
これについては当然に
【現金の受け渡しがあった
時点で会計処理をする】
ため漏れがないのが通常です。
■一方、
『機械の除却』に関してはどうでしょう。
除却した場合は、
【固定資産除却損という損失】
が計上されるのですが、
【この損失を計上する
タイミングは相当注意】
が必要です。
上述したように損失に関しては
【発生の事実があって
初めて経費化される】
わけですので、
【発生の事実がないにも関わらず、
損失処理することはできない】
ということなんですね。
■ただ単に、
【使わなくなったから、または廃棄したから
その時点で損失処理をして経費計上
というわけにはいかない】
ということなんです。
そのように考えると、
損失の事実が発生したという
【証拠を残しておかなければならない】
ということが大切なわけですね。
機械を廃棄したのであれば、
その廃棄業者やメーカーからの
【廃棄証明書などが証拠】
になります。
■こういった証明書がない状態で
廃棄をしたとしても、
【客観的な証拠がない】
ということから、
その損失処理自体が認められず、
結果として損失処理の経理をしていても、
【これが経費と認められず
税負担を強いられる】
ということになりかねないわけです。
■そしてもう一点注意が必要なのが、
もし当期において損失の事実が
発生していたにも関わらず、
当期の損失処理をせずに、
これを翌期の損失としてしまうと、
その翌期に損失としたものについては
【損失処理としての経費計上が
認められない】
ということに。
先程から申し上げているように、
【損失については必ず発生の事実】
があった期において損失処理を
することが必須なんです。
■従って、損失の事実が発生
してしまったのが前期以前であれば、
その損失に関しては
【もう経費化(法人税を計算
する上での損金)にはなり得ない】
ということなんですね。
とはいえ、存在しない資産を
計上し続けているわけには
いきませんので、
【それに気が付いた段階で
損失処理はするべき】
でしょう。
■しかしながら、もし事後的に
損失処理をした場合は、
上述したように
【法人税を計算する上では
損金として認められない】
ことになりますので、
法人税を計算する際に
【利益にプラスしなければならない】
ということになるわけです。
こういった点において、
損失の計上には
十分な注意が必要ですね。
■というわけで今日は
経費の3つの要素の3番目である
『損失』について見てまいりました。
上述してきた3つの経費の要素
については、
その性質をしっかりと熟知し、
適正なタイミングで
適切に経費処理しないことには、
【思いもよらぬ結果
となってしまうこともある】
ので十分注意するようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・経費には、
【原価・費用・損失の3種類がある】
ものと心得ておくべし。
・『原価』については
売上との直接の個別対応が、
『費用』については
その期間に対応することが、
『損失』においては、
発生の事実が存在することが
必要な要素である
ということを理解しておくべし。
・損失については、
【その損失が実際に発生した
事業年度のみしか経費として
認められない】
ことに要注意。
・従って、損失を計上する際は、
的確に当期に損失が発生したという
【事実を証拠書類として保存】
し、客観的な事実を持ち合わせて
おくことを意識しておきたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。