2023年7月22日「税務調査に通った!」の真に意味するところとは
今日は5月決算法人の処理をただひたすらに…
7月もあと少しとなってきました。
面談もかなり立て込んできており、
いろいろ間に合うのか?問題が出てきています。
…もちろん間に合うのですが。
さて、本題です。
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■以前の記事でも書かせていただきましたが、
ここ最近
【税理士の変更による顧問契約】
が増えてきています。
もちろん、顧問契約に至らず、
税務相談で終わるいわゆる
セカンドオピニオンのサービス提供
もさせていただいているわけですが、
往々にしてその相談内容については、
いわゆる
【グレーゾーンの経費】
についてのことが少なくない状況です。
税理士により、その見解も様々なので
無理はない部分ですね。
■グレーゾーンとは簡単に言えば、
【税務調査で通るかもしれないし
通らないかもしれない】
という微妙な線引きの経費
なんですね。
大切なのは、
【グレーはブラックではない】
ということ。
ブラックというのは誰がどう見ても
税金を考える上ではアウトというもの。
逆にグレーに関しては、
【見方によっては経費】
とも考えられるし、また
【見方によっては経費ではない】
とも考えられるもの、また、
【プライベートと事業が混在しており、
どちらとも言い難い】
ものや、
【一定割合は経費になるものの、
その残りの部分については事業用
とは言えないもの】
という分類がされるものも含まれます。
そのような事情で、
【100%経費とは言い切れないものの、
経費となる可能性がある】
というのがこのグレーな経費なんですね。
■そしてこのグレーな経費の
計上の仕方について
【世間一般で噂されていることと
現実面で大きく異なる】
ということが、少なからず見受けられます。
最も多いのは、
【こんな経費を計上して
税務調査に通ったよ】
というもの。
『こんな経費』とはいわゆる
ブラックな経費も含んで語られること
も多いのですが、
【そもそも税務調査に
通ったとはどのような状況】
なのでしょうか。
■往々にしてそれは、
【申告書を提出しただけで、税務署の目を
通過したという誤認識をしているに過ぎない】
ということも。
大切なのは、
【申告書を提出する】
ということと、
【税務調査に入られる】
ということは
【全くもっての別物である】
ということなんですね。
この点には十分注意をして
おくようにしましょう。
■したがって、申告書を提出しても、
税務調査に幸いにも
入られなかった際であっても、
【税務調査に通ったとは言えない状況】
なんですね。
税務調査に通ったという表現は、
【申告書を提出して、その後税務調査の
通知が来て、実際に税務調査に入られ、
それでいて申告の内容に問題が
なかったということを指す】
ということは覚えて
おくようにしましょう。
■次に、申告書を提出し、
【税務調査に入られたものの、
何も指摘がなかった】
ということで、
「税務調査に通った」という表現が
されることも。
これもその聞き取り方には
注意が必要なもので、
ここでいう税務調査に通った
という場合、少なからぬ場合は、
税務調査のまな板の上にも上げられず、
【全く税務署税務調査官の
目に留まらずに調査を終えた】
ということも考えられるんですね。
税務調査はその調査日数や時間が
限定されているものであるため、
【どうしても限られた部分しか
チェックが入らない】
ということが通常です。
■今回たまたまその調査官の目に
留まらなかったということを考えると、
【今回は偶然税務調査で指摘がなかった】
という表現が適切である
のではないでしょうか。
もしかすると、
今回は指摘されなかったものの、
【次回以降の税務調査では
指摘される可能性もある】
ということなんですね。
したがって、本来的な良い意味での
「税務調査に通った」という表現は、
税務調査に入られ、
その懸念していた事項が指摘され、
それでも、「これは経費である」
ということを主張し、
【その主張が通ったことにより
税務署が認めたといった点が
揃って初めて税務調査に通った】
と言えるものではないでしょうか。
■いろいろ述べてはきましたが、
「税務調査に通った」という
一言については、
世間一般的にいろいろな視点で
誤解を恐れずに言うならば、
【好き勝手に議論がされている】
ということが少なくありませんので、
インターネットなどの情報、
(税務の専門家ではない)友人や知人から
の情報には十分注意をするようにしましょう。
【税務調査は、極めてシビアである】
というのが現状です。
安易に噂話を鵜呑みにせず、
適切な判断をもって、賢く申告をするように
心がけたいものですね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・「税務調査に入った」ということを
よく聞くものであるが、
それは本来的に
【税務調査に入られて指摘が
なかったということのみを
言い表しているわけではない】
ということには十分に注意すべき
であると言える。
・そもそもグレーゾーンの
経費に関しては、
その見解が分かれるものである
と考えられるため、
【適切な根拠を持って、
積極的に上手に申告をする】
ことが必要であると言える。
・税務調査に通った通らなかったの論点は、
【世間一般的に誤認識がされて、
その噂が回っているケース】
が少なくないので、こういった点には
相当注意して、税務上の判断を
心がけたいのである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。